ビットコイン市場の需給
暗号資産(仮想通貨)の分析を行うCryptoQuantは19日、週次レポートを公開し、ビットコイン(BTC)で供給ショックが起きる可能性があるとの見方を示した。
複数のデータをもとに、売却される可能性のあるビットコインが減少していると同時に、需要の増加が加速していると指摘。一般的には、この状況ではビットコイン価格に上昇圧力がかかりやすくなる。
ビットコインの価格はFOMC(米連邦公開市場委員会)の会合などを経て、現在は2日連続で下落。今回のレポートは仮想通貨市場急落前のデータに基づいて作成したとみられるが、取引所全体のビットコイン残高が増加していないことや、今回の下落はレバレッジ取引の清算が主導しているとの見方があることから、レポートの内容をそのまま報じる。
まず、CryptoQuantは需要面について、顕在需要の数値が9月の終わり以降、上昇基調にあると指摘。この顕在需要とは、「1日のブロック報酬」から「1年以上動いていないビットコインの1日の変化量」を引いて算出した数値である。
それを示しているのが以下のグラフ。緑のエリアが顕在需要を示しており、上昇基調にある。
また、ビットコインを買い集めるアドレスの残高が増加しており、過去最高水準に達していることを指摘。このアドレスは、ビットコイン購入後に売却したことがないアドレスを指している。
この傾向を示したのが、以下のグラフ。ビットコイン価格が108,000ドル(約1,700万円)の最高値に近づくにつれて、需要が増加していたとCryptoQuantは説明した。
レポートでは他にも、米ドルステーブルコインの時価総額(=供給量)が増加したり、OTC取引で需要が増加したりしていたことも報告している。
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供給の状況
供給面では、売却されるビットコインの流動性が、2020年10月以来の低水準にあると指摘。この流動性には、取引所の保有量や米政府が押収したビットコイン、マイナー所有量などが含まれている。
この状況を示したのが以下のグラフ。なお、本記事執筆時点における「coinglass」の最新データでは、20日時点で取引所が所有するビットコインの数量は224万BTCで、CryptoQuantのデータより少ない。この流動性の低下は、潜在的な売り圧が弱まっていることを示唆している。
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