*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨マーケットレポート(1/21 AM7時)
暗号資産(仮想通貨)市場は、トランプ陣営の動きに大きく影響を受け、非常に高いボラティリティとなった。特に、トランプ大統領が公認するミームコイン「OFFICIAL TRUMP」の驚異的な上昇や、ビットコイン(BTC)が史上最高値を更新したことが注目された。しかしながら、最終的にはトランプ大統領の就任式演説で暗号資産政策への言及がなかったことを受け、市場全体で失望売りが加速する展開となった。
1月20〜21日相場状況
「OFFICIAL TRUMP」の発行が市場に大きな衝撃を与えた。同ミームコインは、発行直後の価格が0.1ドルから一時80ドルを超える急騰を記録。発行からわずか24時間で円ベース換算の時価総額が2兆円を突破し、暗号資産市場で時価総額ランキング10位付近に入るという稀に見る現象が起きた。
この影響で、発行チェーンであるソラナ(SOL)を除き、主要なアルトコイン市場から資金が流出し、広範な下落が見られた。しかし、続けて「MELANIA」が発行されたことにより、市場はこれを稚拙な動きと捉え、失望感から「OFFICIAL TRUMP」と「MELANIA」の価格が共に反落した。
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「OFFICIAL TRUMP」と「MELANIA」の上昇が一服した後、トランプ大統領の就任式演説で暗号資産政策に言及されるとの期待感が高まり、ビットコインは1月20日に一時10万9千ドルを超え、史上最高値を更新した。
しかし、就任式演説中には価格が乱高下。最終的に暗号資産に関する具体的な発言がなかったことがデリバティブ市場を中心に失望売りを誘い、暗号資産市場全体が急落する結果となった。また、演説中にはポリゴン上のDeFi「ポリマーケット」で、「100日以内にビットコイン戦略準備構想が策定されるか否か」を賭けた市場が注目を集め、トランプ大統領がオイルの戦略的備蓄政策について言及する場面で短期的に急騰するなど、演説中の一言一句に敏感に反応する市場動向が見られた。
また、デリバティブ市場のアクティブOIは、大統領就任式後にファンディングレートがニュートラルに近い状態になり(下画像赤矢印)、デリバティブ市場を起因とするボラティリティの上昇は起きにくい状態になりつつある。
現状分析(1/21日AM7時)
当面の市場動向は、米国金利政策の状況およびトランプ大統領の政策発表内容に大きく左右される可能性が高い。トランプ次期米大統領の一族が運営するトランプ・オーガニゼーションの関連会社がミームコインを発行するなど、暗号資産市場に影響を及ぼしており、今後の動向に注目が必要と考えられる。
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今後の重要な日程
- 1/24日 日銀政策決定会合
- 1/24日 米購買担当者景気指数(PMI指数)
- 1/30日 米FOMC
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