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AI×DeFiの「DeFAI」が実現する次世代の分散型金融エコシステムを解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

AI AgentがDeFiをもっと身近にしてくれるかも

DeFAIという今市場でトレンドとなっている単語をご存じですか?

DeFAIとはDeFi(分散型金融)とAIを組み合わせた単語です。24年の秋頃から、市場ではCrypto×AIの分野の注目度が高まり、関連のトークンが価格上昇を見せています。これまではAi AgentといえばXで自律的にコンテンツを投稿していくエンタメ的な側面に注目されていましたが、技術的な観点か同領域の具体的なユースケースの一つとして注目が集まっています。

DeFAIが注目される背景として、DeFiが持つユーザー体験の課題が挙げられます。

Defiは2020年ごろから大きな広がりを見せていた一方で、クロスチェーンにおける取引の複雑さ、仕組みの難解さ、少しのミスで資産を失ってしまうリスクなどの点から、マス層が気軽にアクセスし、資産を預けられるようなユーザー体験ではありませんでした。

DeFAIとは

そのようなDeFiとユーザーのギャップを埋める存在としてAIが注目されています。DeFAIとは簡単にいえば、「DeFiの複雑さをAIが解決してくれるサービス」と言えます。DeFai(DeFi + AI)という名前がぴったりですね。

もう少し詳しく解説するとDeFaiが担う役割は以下の二つです。

・アブストラクション(抽象化)レイヤー

・DeFiで自律的に取引するAIエージェント

アブストラクションレイヤー

前提として、DeFiプロトコルはその複雑な仕組みや損失リスクなどが課題として存在していました。アブストラクションレイヤーとは、そのようなプロトコルやオンチェーンデータと、ユーザーの間に位置するインターフェースの役割を担うもので、複雑なプロトコルをわかりやすい形で(抽象化)ユーザーに届けるプロダクトを意味しています。

DeFiのアブストラクションレイヤーとしてのDeFAIは、ChatGPTのような使いやすいUIから、自然言語を用いてDeFiプロトコルにアクセスすることができるという革新的なUXを提供するということで評価を集めているということになります。

例えば、AIに対して「50USDTをHYPEにスワップして」「wBTCをArbitrumで最も効率的な形で運用しておいて」といった命令をすると、AIが自律的にリサーチし、タスクを行なってくれるわけです。

DeFiで自律的に取引するAIエージェント

AI Agentは自分だけで意思決定を行うというのがとても印象的です。上記のような曖昧な指示であっても、AI Agentは自律的にリサーチをし、AIエージェントがウォレットを管理することで、主体的に外部のプロトコル、他のエージェント、ブロックチェーンシステムとインタラクトが可能となっています

ブロックチェーン技術の持つ透明性は、ユーザーによるエージェントの検証可能性を向上させていることからも、相性の良さが伺えます。

これは従来の金融システムでは実現が難しいことです。なぜなら、AIエージェントが銀行口座にアクセスしたり、クレジットカードでの支払いの処理に制限があるので、例えば証券口座を解説し株式投資を行うことや、不動産投資を行うという場合には大きなハードルが存在します。

最近のBinance Researchのレポートでは、AIの強化により、よりスマートなガバナンス、より優れた市場分析、パーソナライズされた金融戦略につながる可能性があると強調されています。ポートフォリオを自動化し、複数のチェーンにわたってリスク評価をカスタマイズすることで、DeFAIはDeFiツールをさらに幅広いユーザーに開放し、従来は新規参入者を阻んでいた複雑さを軽減できる可能性があります。

市場の注目度の高まり

下の画像はCrypto市場の各トレンドが、どれくらい話題になっているかを数値化したマインドシェアを比較したものです。マインドシェアはそれぞれのパーセンテージを全て足すと100%となります。

DeFAIは2025年から話題になり始めた単語ですが、その伸び具合から注目度が伺えます。こちらは1月の14日時点のものですが、この時点で既にMemeのマインドシェアと並んでおり、DeFiにも迫っていることが窺えます。

下の画像は、具体的なDeFaiプロジェクトごとのマインドシェアと、トークン価格がまとめられているグラフです。多くのコインが顕著な価格上昇を見せています。

具体的なプロジェクトと現在地

現在市場で話題になっているDeFAIサービスをいくつかご紹介します。

1. Griffain

特徴:

* 自然言語によるオンチェーン操作やリサーチを可能にするDeFAIプラットフォームで、Solanaのエコシステムに特化しています。

* 複数のエージェントをユースケースに応じて使い分けることができます。「エージェントのエージェント」としての役割を目指しており、様々な専門エージェントを統合するプラットフォームを目指しています。

* トークンの時価総額が最も高く、一時約$580M にまで上昇しました。

2. Hey Anon

特徴:

* 自然言語取引インターフェース自律DeFiエージェントリサーチ&コミュニケーションエージェントに焦点を当てたDeFAIプロトコルです。

* AUTOMATEというTypeScriptフレームワークを提供し、DeFAI機能の統合を促進します。このフレームワークは、あらゆるチェーンやDeFiプロトコルがANONのようなDeFAI機能を取り入れることを支援します。

* オンチェーン取引の安全性と透明性を確保することを目指しています。

Alpha Networkが提供するDeFAI 「AlphaOS」

私が運営しているAlpha NetworkではAlphaOSというAIエージェントサービスを提供しています。

ChatGPTに似たUIで、独自にファインチューニングしたAIに相場の分析、リサーチ、トランザクションの実行を命令することができます。現在のモデルではPump.fun などから発行されるMemeコインの分析を得意としています。今後はユースケースをさらに広げていく予定で、最適な利回り戦略をAi エージェントがリサーチ・運用を自律的に行える機能なども実装する予定です。

DeFAIの課題

個人的にDeFiのアブストラクションレイヤーとしてのDeFAIは、市場にあった需要とプロダクトが提供するバリューが明確にマッチしていて、AI×Web3領域で次にPMFできる領域だと感じています。

一方で、まだ早期段階でもある今の市場ではk聞く二つの課題が存在していると感じています。

1. 信頼性と検証可能性の欠如: AIエージェントが自律的に行動する中で、その内部動作や出力の正確性を検証する手段が不足しています。エージェントが本当にAIであるのか、アルゴリズムが正しく機能しているのかを証明する仕組みがなければ、信頼を得ることは困難です。特に、ユーザー資産を預かったり、重要な意思決定に関わるエージェントの場合、この問題は深刻です。

2. 分散型インフラの未整備: AIエージェントの成長には、スケーラブルで透明性の高い分散型インフラが不可欠です。現状では、AI計算に必要なリソースの提供、データの共有・収益化、モデルのトレーニング、エージェント間の連携を効率的に行うための基盤が十分に整備されていません。

ですが、それぞれの問題に対してさまざまなプロジェクトがソリューション開発に邁進しています。例えばHyoerBolicというプロジェクトでは、AIの計算と推論を検証する取り組みを行っています。分散型インフラ領域では多くのDePinプロジェクトが世界中のリソースを効率的に活用してインフラを提供しています。

将来の展望

DeFAIは、今までの複雑で難解であったDeFiでの資産運用を劇的に変えることができるプロダクトであると考えています。長期的な視点で見ると、現在の既存金融で運用されている金額は250兆ドルと言われていますが、それに対してDeFiでの運用額はその1%程度おTVLと言われています。ですが、DeFAIによって既存金融からさらに幾分かのお金がDeFiに代替されていく可能性は十分に考えられると思います。

DeFAIの課題として挙げた現状の問題点はあるものの、2020年のDeFi Summerと呼ばれた時を超えるムーブメントが2025年に訪れる未来はかなり現実的と言えるでしょう。

DeFiで自律的に取引するAIエージェント

AI Agentは自分だけで意思決定を行うというのがとても印象的です。上記のような曖昧な指示であっても、AI Agentは自律的にリサーチをし、AIエージェントがウォレットを管理することで、主体的に外部のプロトコル、他のエージェント、ブロックチェーンシステムとインタラクトが可能となっています

ブロックチェーン技術の持つ透明性は、ユーザーによるエージェントの検証可能性を向上させていることからも、相性の良さが伺えます。

これは従来の金融システムでは実現が難しいことです。なぜなら、AIエージェントが銀行口座にアクセスしたり、クレジットカードでの支払いの処理に制限があるので、例えば証券口座を解説し株式投資を行うことや、不動産投資を行うという場合には大きなハードルが存在します。

最近のBinance Researchのレポートでは、AIの強化により、よりスマートなガバナンス、より優れた市場分析、パーソナライズされた金融戦略につながる可能性があると強調されています。ポートフォリオを自動化し、複数のチェーンにわたってリスク評価をカスタマイズすることで、DeFAIはDeFiツールをさらに幅広いユーザーに開放し、従来は新規参入者を阻んでいた複雑さを軽減できる可能性があります。

市場の注目度の高まり

下の画像はCrypto市場の各トレンドが、どれくらい話題になっているかを数値化したマインドシェアを比較したものです。マインドシェアはそれぞれのパーセンテージを全て足すと100%となります。

DeFAIは2025年から話題になり始めた単語ですが、その伸び具合から注目度が伺えます。こちらは1月の14日時点のものですが、この時点で既にMemeのマインドシェアと並んでおり、DeFiにも迫っていることが窺えます。

下の画像は、具体的なDeFaiプロジェクトごとのマインドシェアと、トークン価格がまとめられているグラフです。多くのコインが顕著な価格上昇を見せています。

具体的なプロジェクトと現在地

現在市場で話題になっているDeFAIサービスをいくつかご紹介します。

1. Griffain

特徴:

* 自然言語によるオンチェーン操作やリサーチを可能にするDeFAIプラットフォームで、Solanaのエコシステムに特化しています。

* 複数のエージェントをユースケースに応じて使い分けることができます。「エージェントのエージェント」としての役割を目指しており、様々な専門エージェントを統合するプラットフォームを目指しています。

* トークンの時価総額が最も高く、一時約$580M にまで上昇しました。

2. Hey Anon

特徴:

* 自然言語取引インターフェース自律DeFiエージェントリサーチ&コミュニケーションエージェントに焦点を当てたDeFAIプロトコルです。

* AUTOMATEというTypeScriptフレームワークを提供し、DeFAI機能の統合を促進します。このフレームワークは、あらゆるチェーンやDeFiプロトコルがANONのようなDeFAI機能を取り入れることを支援します。

* オンチェーン取引の安全性と透明性を確保することを目指しています。

Alpha Networkが提供するDeFAI 「AlphaOS」

私が運営しているAlpha NetworkではAlphaOSというAIエージェントサービスを提供しています。

ChatGPTに似たUIで、独自にファインチューニングしたAIに相場の分析、リサーチ、トランザクションの実行を命令することができます。現在のモデルではPump.fun などから発行されるMemeコインの分析を得意としています。今後はユースケースをさらに広げていく予定で、最適な利回り戦略をAi エージェントがリサーチ・運用を自律的に行える機能なども実装する予定です。

DeFAIの課題

個人的にDeFiのアブストラクションレイヤーとしてのDeFAIは、市場にあった需要とプロダクトが提供するバリューが明確にマッチしていて、AI×Web3領域で次にPMFできる領域だと感じています。

一方で、まだ早期段階でもある今の市場ではk聞く二つの課題が存在していると感じています。

1. 信頼性と検証可能性の欠如: AIエージェントが自律的に行動する中で、その内部動作や出力の正確性を検証する手段が不足しています。エージェントが本当にAIであるのか、アルゴリズムが正しく機能しているのかを証明する仕組みがなければ、信頼を得ることは困難です。特に、ユーザー資産を預かったり、重要な意思決定に関わるエージェントの場合、この問題は深刻です。

2. 分散型インフラの未整備: AIエージェントの成長には、スケーラブルで透明性の高い分散型インフラが不可欠です。現状では、AI計算に必要なリソースの提供、データの共有・収益化、モデルのトレーニング、エージェント間の連携を効率的に行うための基盤が十分に整備されていません。

ですが、それぞれの問題に対してさまざまなプロジェクトがソリューション開発に邁進しています。例えばHyoerBolicというプロジェクトでは、AIの計算と推論を検証する取り組みを行っています。分散型インフラ領域では多くのDePinプロジェクトが世界中のリソースを効率的に活用してインフラを提供しています。

将来の展望

DeFAIは、今までの複雑で難解であったDeFiでの資産運用を劇的に変えることができるプロダクトであると考えています。長期的な視点で見ると、現在の既存金融で運用されている金額は250兆ドルと言われていますが、それに対してDeFiでの運用額はその1%程度おTVLと言われています。ですが、DeFAIによって既存金融からさらに幾分かのお金がDeFiに代替されていく可能性は十分に考えられると思います。

DeFAIの課題として挙げた現状の問題点はあるものの、2020年のDeFi Summerと呼ばれた時を超えるムーブメントが2025年に訪れる未来はかなり現実的と言えるでしょう。

寄稿者:YutaYuta
Alpha Networkマーケティングディレクター。 DeFAIをはじめとするリサーチも担当。同社で提供されているAIエージェントや同社が提供するAIエージェントサービス「AlphaOS」は全世界で50万人のユーザー数を突破。
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