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法改正も視野
日本経済新聞の報道によると、金融庁が暗号資産(仮想通貨)を有価証券に準ずる金融商品として位置付ける方向で制度設計に着手した。
今年6月に制度改正方針を公表し、今秋以降の金融審議会での議論を経て、2026年の通常国会での法改正を目指す。
ブルームバーグは先日、「金融庁が立ち上げた有識者勉強会は、暗号資産が投資対象として位置付けられつつあるとの認識で概ね一致している。」と報じた。
米SEC(証券取引委員会)によるビットコイン現物ETF、イーサリアム現物ETFの承認や、新たに発足した米国のトランプ政権の動向を念頭に置いたものと見られる。
ビットコインETFの国内解禁なるか
新制度では「ビットコイン現物ETF」の解禁も視野に入れている。ビットコインETFは2024年1月、米SECに承認され、最大手資産運用会社ブラックロックやフィデリティが取扱いを開始した。その結果、機関投資家による大規模な資金流入の呼び水となった。
また、現行の最大55%という税率を、金融所得課税と同じ20%に引き下げる可能性も検討されており、投資家保護と市場活性化の両立を目指す内容となっている。全ての暗号資産を対象とするか、ビットコインやイーサリアムといった米国でETF承認を得たような暗号資産に限定するかは今後の重要な論点として挙げられている。
日本の現行税制は主要国と比較して相対的に最も高水率とされ、投資家に大きな税負担を強いている状況だ。他の先進国では長期保有を優遇する制度を設けたり、一定額までの非課税措置を導入するなど、より柔軟な制度設計となっている。
将来的に暗号資産(仮想通貨)が有価証券に準ずる金融商品として認められた場合、投資家保護の観点からは、金融商品取引法に基づく情報開示の義務付けや不正取引への監視強化が期待される。また、機関投資家の参入促進や、既存の金融機関との連携がしやすくなるなど、市場の信頼性向上につながる効果も見込まれる。
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