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パウエルFRB議長「仮想通貨企業の銀行アクセス問題を再検討すべき時」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

規制による過度の負担

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は11日、米上院銀行委員会の公聴会で、暗号資産(仮想通貨)業界が銀行サービスから締め出されているという批判を受け、この問題を「新たな視点で見直すべき時期に来ている」と述べた。

銀行委員会のティム・スコット委員長は、冒頭陳述で、銀行規制当局はあまりにも長い間、ブラックボックス化された規制の枠組みに従っており、ほとんど何の救済措置も講じて来なかったと批判。米連邦預金保険公社(FDIC)の銀行の監督に関する通信文書が公開されると、バイデン前政権による「オペレーション・チョークポイント 2.0」が現実のものであったことが明らかになったと述べた。

パウエル氏は、銀行が「意図的に」仮想通貨業界へのサービス提供を拒否しているわけではないが、マネーロンダリング規制や厳しい監視体制に非常に敏感であると指摘。銀行は、コンプライアンスに抵触する可能性のある顧客の受け入れリスクを非常に嫌う傾向があるため、サービス提供の制限や拒否につながっているとの考えを示した。

スコット委員長から、金融規制が銀行に必要以上の負担をかけないよう協力してくれるかと打診されると、パウエル氏は協力を約束した。

同委員会は5日にも、「銀行口座の解約(debanking)」の影響を調査する公聴会を開催。仮想通貨支持派のシンシア・ルミス上院議員は、FRBの内部マニュアルには、「物議を醸す発言や活動」を行う銀行員に対する監視強化の方針が書かれていると指摘。「物議を醸す発言や活動」の定義は非常に主観的であり、これこそが「オペレーション・チョークポイント 2.0」だと主張した。

パウエル氏はルミス議員に対し、感謝の意を表すとともに、指摘された方針は、削除されることになると述べた。

オペレーション・チョークポイントとは

チョークポイントとは、流れが滞る難所などを意味し、「オペレーション・チョークポイント1.0」は、2013年に銃器販売業者など、詐欺やマネロンのリスクが高いと考えられる業界への銀行サービスを司法省が制限した動きを指し、2.0は米国政府による仮想通貨業界に対する銀行サービスからの締め出しの動きを指す。

▶️仮想通貨用語集

関連:米FDICが通信文書公開、仮想通貨取引銀行に対する圧力が明らかに

ステーブルコイン規制について

一方、パウエル氏は、ステーブルコインに関する新たな規制の取り組みに対する支持を表明。「現時点ではわからないが、ステーブルコインは、消費者や企業にとって、大きな将来性がある可能性がある」と述べた。

同氏は、議会が規制の枠組みづくりに建設的な努力をしていると述べ、高く評価する姿勢を見せた。消費者や預金者保護を念頭に置いた、安全かつ健全な方法ステーブルコインの開発は重要であるため、FRBはステーブルコイン法案に技術的な意見を述べるなどして関与しているという。

CBDCは発行しない

さらに、パウエル氏はFRBが中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行する可能性について、明確に否定した。

これは、バーニー・モレノ上院議員がパウエル氏に対し、自身がFRB議長である限り米国がCBDCを発行しないと明言するよう求めたことに対して回答したものだ。パウエル氏の任期は2026年5月に終了予定。

パウエル氏がこれほど明確に、CBDC発行の可能性を否定したのは今回が初めてだ。

Cato Institute の政策アナリスト、ニコラス・アンソニー氏は、FRBは長い間、米国のCBDCの可能性について「法的なグレーゾーンを維持してきた」と指摘。CBDCは、金融の自由とプライバシー、市場にリスクをもたらすものであり、今回のパウエル氏の発言は、歓迎すべき変化だと評価した。

大統領令の影響か

トランプ大統領は1月24日、仮想通貨市場に関する大統領作業部会を設立する大統領令に署名した。

この大統領令には「CBDCの設立、発行、推進に関する機関の行動禁止」や、「ステーブルコインを含むデジタル資産に関する規制の枠組みの策定」といった条項が含まれている。

CBDCの発行阻止はトランプ大統領の選挙公約でもあった。

スコット委員長は公聴会で、米国が「白紙の状態からやり直し、新たなスタートを切り、健全な経済に焦点を当てる準備が整っていることを願う」と強調。パウエル氏によるステーブルコインの規制整備への言及やCBDC発行の否定は、トランプ政権の仮想通貨政策の影響力が反映されたものとも取れる。

関連: トランプ大統領、仮想通貨の戦略的国家準備金に関する大統領令に署名

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