はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

オントロジー2025年の展望は?メッセージングプラットフォーム「IMで分散型インフラ強化へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

オントロジー(Ontology)はブロックチェーン技術を活用して個人情報やプライバシーを安全に管理する分散型IDソリューションを提供するプロジェクトであり、W3C標準に準拠した「分散化かつ信用に基づいたインフラの構築」をビジョンに掲げ、最終的にはトラストレスで信頼性の高い分散型世界の実現を目指しています。

オントロジーは2024年には、イーサリアム互換性があるレイヤー2「Goshen Network」をローンチ、複数のネットワークに対応した「ONTOウォレット」のアップデートなどエコシステムを拡大しました。

オントロジーは今年、トラストレスで信頼性の高い分散型世界の実現を目指して、インフラ面の強化が期待されています。本記事では、オントロジーの今年の活動について紹介します。

オントロジー(Ontology)とは?

オントロジーの概要

出典: Ontology

オントロジーを含む分散型ID(DID)を簡単に例えると、デジタル上で発行される身分証のような仕組みです。従来のインターネットサービスでは様々なウェブサイトに個人情報を預ける必要がありましたが、オントロジーのようなDIDを活用することで自身の情報を自分で管理できるようになります。

オントロジーは、DID分野の最先端で活躍しているプロジェクトで、分散型アイデンティティとデータソリューションを提供しています。運転免許証や職歴などの検証可能な資格情報(VC)を安全な通信技術と評価システムでユーザーがコンプライアンスに準拠しながらデータを完全に制御できます。

DeFiやGameFi、AIエージェント、分散型マーケットプレイスなど他領域でオントロジーの技術を導入できます。Web3技術によって信頼性のある自己主権型のインフラストラクチャーが提供されます。

オントロジーの主要プロダクト

ONT ID

ユーザーの個人情報をブロックチェーン上で暗号化して保護し、ユーザーが自身のデータを完全にコントロールできる仕組みが提供されています。ユーザーの個人情報をオンチェーンとオフチェーンの両方で保護することで、乗っ取りや個人情報への不正アクセスが防止されています。

ONTOウォレット

複数のブロックチェーンに対応したウォレットで、デジタルIDやデータ、資産を一元管理できます。データは暗号されて保護され、ユーザーが情報を完全にコントロールすることができます。ブロックチェーン上の資産の所有権や取引履歴もすべて暗号化して安全に管理されます。

Orange Plotocol

出典:Orange Reputation Studio

ユーザーに対する独自スコア評価と信頼性を担保したNFTを生成できます。

ブロックチェーン技術の活用とTwitterやDiscordなどの既存のSNSプラットフォームのアカウントIDの両方でユーザーの信頼度をスコア化していくプロセスで資格情報を作成できます。ここで作成された資格情報はその他ブロックチェーンネットワークにも利用することが可能です。

オンチェーン取引データや保有資産、アプリのアカウント情報など様々なデータをブロックチェーン技術を活用して検証可能な資格情報とNFTで証明証を発行できるシステムを手掛けるOrange Protocolと2023年に協業し、異なるブロックチェーンネットワーク間で信用の検証をすることができるようになった。

ONTトークン

オントロジーでは、ネットワークの稼働とエコシステム維持のため主に3種類のトークンが発行されています。

  • Ontology(ONT)トークン
    オントロジーネットワーク上で送金ができるトークンです。他にも、ガバナンストークンとしての役割も担っていてプロジェクトの方向性を決めるための投票権を獲得できます。
  • Ontology Gas(ONG)トークン
    オントロジーネットワーク上での取引手数料の支払いに使えます。
  • stONTトークン
    リキッドステーキングで活用されるトークンです。ONTをネットワークにステーキングしてstONTトークンを獲得することができます。

2025年の展望

創設者のメッセージ

オントロジーの創設者であるLi Jun氏はWeb3市場を背景に2025年の目標について言及しています。

Li Jun氏:「Web3はDeFi(分散型金融)、GameFi(ゲーミファイ)、deAI(分散型AI)など様々な分野で常に進化しています。しかし、大半のイノベーションは個人情報、評価、安全な通信という要素を持つことが大切です。」

「2025年のロードマップでは、個人または企業がデジタル上で活躍できる分散型の未来を作るためにブロックチェーンインフラストラクチャーを構築します。」

オントロジーは今年、セキュリティや相互運用性、ユーザーの利便性の強化などを目的とした2025年版ロードマップを発表しています。このロードマップで、リアルとの連携を強化したWeb3アプリケーションサービスを導入し、エコシステム強化を目指します。

分散型メッセージングプラットフォーム「IM」のリリース

IMは分散化されプライバシーが強化されたメッセージングプラットフォームです。

  • 秘匿化されたメッセージングが可能に
    メッセージ情報の秘匿性を高めた状態で、情報の開示相手を指定できるエンドツーエンド暗号化によって、検閲体制が強化されています。
  • DIDとリンクしたチャット機能
    ONT IDの認証機能を活用し、なりすましやフィッシング攻撃などのサイバー攻撃への防止策が施されています。
  • 様々なブロックチェーンエコシステムとの相互運用性
    異なるブロックチェーン間でWeb3ゲームやAIエージェント、ユーザー情報などが連携されます。
  • AI主導のマーケットプレイス
    ONTステーキング報酬、ガバナンス提案、DeFiトレンドのリアルタイム分析がAI主導で提供されます。

ブロックチェーンインフラの強化

ブロックチェーンインフラが強化され、クロスチェーン相互運用性とステーキングメカニズムが改善されます。

  • クロスチェーンブリッジ
    ONTとONGが異なるエコシステム間でシームレスに移行できるようになります。
  • DEX統合と流動性の拡大
    現状はPancakeSwapなど一部の取引所でONTが取り扱われていますが、今後はその他の主要な分散型取引所(DEX)でONT、ONG、stONT(流動性ステーキングトークン)が利用可能になります。
  • 拡張性があり、低コストなトランザクション
    Dapps(分散型アプリ)向けの高速で安全なインフラストラクチャーが構築されます。

DID(分散型ID)、分散型評価システムの採用促進

インフラストラクチャーのアップグレードに加えて、様々な産業でDIDと評価システムの採用が促進されます。

各分野でのユースケース

  • ヘルスケア
    ユーザー保有の健康データをONTO Walletで検証可能な資格情報(VC)として保存します。
  • GamiFi(ゲーミファイ)
    ゲームのプレイヤーがONT IDでゲーム内資産や実績などの評価を自己管理できます。
  • AIマーケットプレイス
    AIエージェントによる検証可能な資格情報と分散型評価スコアを活用した透明性のある運営が行われます。

まとめ

オントロジーはW3C標準に準拠した分散型IDソリューションを提供するブロックチェーンプロジェクトとして、個人情報の安全な管理を実現しています。

2025年、オントロジーは秘匿性が高く安全なメッセージングプラットフォームの「IM」、異なるブロックチェーン間の連携強化、医療やゲームなど様々な分野での採用の拡大が期待されています。

ONTOウォレットやONT IDなどの既存のサービスと新プラットフォーム「IM」の連携で、ユーザーは自身のデジタル上のIDをより柔軟で安全に管理できるようになります。

オントロジーコミュニティへ参加する

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/08 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、個人マイナーのBTC採掘成功や企業のETH・XRP・SOL購入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン1450万円まで下落、米雇用統計とCPI発表を前に底値模索|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏の週次分析。ビットコインは米中関係悪化とトランプ・マスク対立により1500万円から1450万円まで下落。来週のCPI発表次第では10万ドル試す可能性。STH平均取得単価97,000ドル周辺がサポートと予想。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金持ち父さん著者キヨサキの株式市場暴落予測に高い関心
今週は、トム・リー氏によるビットコイン価格予測、企業による仮想通貨採用状況、『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏による株式市場暴落予測に関するニュースが最も関心を集めた。
06/07 土曜日
13:25
ドイツ銀行、独自ステーブルコイン発行やトークン化預金を検討=報道
ドイツ銀行が独自ステーブルコイン発行とトークン化預金を検討中だ。カストディ企業トーラスとの提携やPartior出資などでもデジタル資産分野に進出を始めている。
11:20
9ヶ月で約1400億円の収益、トランプ大統領 仮想通貨事業で純資産56億ドルに=フォーブス報道
Forbes誌がトランプ大統領の仮想通貨資産を分析。ミームコイン「TRUMP」とWorld Liberty Financialで約10億ドルを獲得し純資産56億ドルに。
10:20
シンガポール金融管理局、仮想通貨企業の新規制ルールを明確化 混乱受けて
シンガポール当局が仮想通貨企業向け新規制の適用範囲を明確化した。海外のみにサービス提供する事業者は7月よりライセンス必須となる。ルール対象外となるトークンも挙げた。
09:00
モバイルゲームFIFA Rivals、6月12日リリース決定 アディダスと提携でNFT導入
アディダスと契約 ブロックチェーン技術を活用したモバイルサッカーゲーム「FIFA Rivals」が6月12日にiOSとAndroid向けにリリースされると、開発元のMythic…
08:25
ミームコイン発行のPump.fun、10億ドルトークン販売で収益共有制度導入か=報道
ミームコインプラットフォームPump.funが10億ドル規模のPUMPトークン販売を計画。プロトコル収益の一部をトークン保有者に還元する買い戻し制度を検討中。累計収益は6.77億ドル。
07:40
日本政府、資金決済法改正で仮想通貨仲介業を新設へ
仮想通貨規制を盛り込んだ改正資金決済法が参議院本会議で可決して成立。仮想通貨仲介業の新設や顧客資産の保全強化策などを盛り込んでいる。
07:20
取引所GeminiがIPO申請、仮想通貨企業の株式公開ラッシュ加速
ビットコインOGのウィンクルボス兄弟が創設した仮想通貨取引所GeminiがSECにIPO草案を提出。Circle上場に続き、米仮想通貨企業の株式公開ラッシュが加速。
07:02
イーロン・マスクのX、Polymarketと提携 仮想通貨予測市場に本格参入
イーロン・マスク氏のXがPolymarketと公式パートナーシップを締結。AI「Grok」を活用した仮想通貨予測市場サービスで、リアルタイム情報分析を数百万ユーザーに提供へ。
06:45
マイケル・セイラーのストラテジー社が新優先株発行、約10億ドル調達でビットコイン購入資金確保へ
ストラテジー社が10%配当の永続優先株STRDで約9.8億ドルを調達。ビットコイン追加購入と事業運転資金に充当予定で、6月10日に取引完了。
06:05
Circle株価30%続伸、アップルやグーグルもステーブルコイン導入検討=報道
Apple、Google、X、Airbnbが仮想通貨企業とステーブルコイン統合協議を開始。国際送金コスト削減目的でIT大手各社の仮想通貨採用が本格化へ。サークルの株価はニュースを受けてさらに高騰した。
05:50
エリック・トランプ主導でTRUMPミームコイン取得加速 WLFIが統合
World Liberty FinancialがTRUMPトークンの大規模ポジション取得を発表。Fight Fight Fight社のウォレット開発中止により、トランプファミリーの仮想通貨事業統合に新たな進展。
06/06 金曜日
18:21
メタプラネット、ビットコイン保有計画で26倍超の上方修正 21万BTCの保有目指す
メタプラネットが日本の資本市場史上最大級となる7,674億円の新株予約権発行を決議した。「555ミリオンプラン」により、ビットコイン保有目標を従来の2万BTCから21万BTCへ26倍超に上方修正。アジアを代表する仮想通貨ビットコイントレジャリー企業としての地位確立を図る。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧