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トランプ氏のミームコインを批判
米民主党のサム・リカルド議員は27日、大統領や議員らの公務員がデジタル資産や有価証券を発行することなどを禁止する法案を提出したことを発表した。
リカルド氏は今回の発表やXに投稿した動画の中で、トランプ米大統領とメラニア夫人のミームコインを名指しして批判している。法案の目的は、米国の役人が民間人から経済的搾取を行うことを止めるためだとした。
Today, I introduced the MEME Act, which prohibits top federal officials from issuing, sponsoring, or promoting a security, commodity, or digital asset with criminal and civil penalties. pic.twitter.com/NbjmcwoEB5
— Rep. Sam Liccardo (@RepLiccardo) February 27, 2025
両氏のミームコインは、ローンチのタイミングがトランプ氏の大統領就任式直前だったということもあり、暗号資産(仮想通貨)業界の内外で大きな注目を集めている。一方、どちらのミームコインもピーク時から大きく価値が下落しており、これまでも批判の声が上がっていた。
例えば今月には、米消費者権利擁護団体Public Citizenが司法省と政府倫理局に宛て、トランプ大統領が贈与に関する連邦法に違反した可能性があるとして、調査を要請する書簡を送付している。
今回リカルド氏が提出した法案は「現代の報酬及び不正行為を規制する法律」という名称で、英語名の頭文字をとると「MEME法:Modern Emoluments and Malfeasance Enforcement Act」となる。
発表では、公務員が外国の人々から贈与を受けることを米憲法が禁止しているが、トランプ氏のミームコインは海外の投資家、特に中国で取引されたと問題視した。
発表の文言を見るとリカルド氏には、仮想通貨のイメージや正当性を守る意図もあるようだ。
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家族も対象
MEME法は公務員だけでなく、その配偶者や子供が有価証券、商品(コモディティ)、デジタル資産を発行・支援・支持することも禁止する。法制化される前に発行された資産から、さらなる利益を得ることもできなくなり、違反すれば処罰を受けることになるとした。
リカルド氏は、MEME法はトランプ氏のSNS企業トゥルース・ソーシャルの株式も対象にすると述べている。
なお、「AP通信」によれば、トランプ氏の共和党が多数派の議会でMEME法が法制化される可能性はないとの見方があるが、リカルド氏は「これは民主党が政権を奪還した時のための動きである」と説明している。
本記事執筆時点のミームコイン「TRUMP」の価格は12.6ドル。ローンチ直後には一時70ドルを超えていたこともあった(CoinGecko参照)。
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ミームコインとは
インターネット上で話題になることで人気を集める仮想通貨。明確な実用性を持たないものが多い。