
相互運用性インフラとしてAXLに注目
暗号資産(仮想通貨)投資企業Canary Capitalは5日、Axelar(AXL)現物ETFの申請書(S-1)を米証券取引委員会(SEC)に提出した。
これを受けてAXLの価格は約14%急上昇している。
Canary Capitalのポートフォリオ・マネージャーを務めるジョシュ・オルシェヴィッチ氏は2月、AXLについて次のように期待を示していた。
相互運用性がブロックチェーン・エコシステムを形作る要素となる中、Axelarは不可欠なインフラストラクチャであることが証明されている。
当社は、Axelarのテクノロジーの長期的な可能性と、シームレスなクロスチェーン・インタラクションを可能にするその役割を信じている。AXLは先進的な投資家にとって魅力的な資産だ。
なお、Canary CapitalはXRPやライトコイン(LTC)現物ETFの申請も行っている。
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Axelar(AXL)とは
Axelarは、コスモス(ATOM)を土台としており、イーサリアム(ETH)、アービトラム、オプティミズムなど69のブロックチェーン間の通信を容易にする相互運用性プラットフォームだ。
公式サイトによると、イーサリアムがプログラム可能なマネーを構築したように、 Axelarはプログラム可能な相互運用性を実現している。開発者はオープンなフレームワークを用いて、セキュリティや、レイテンシ(送信にかかわる遅延時間)、その他のクロスチェーン・ルールをカスタマイズすることが可能だ。
Canary Capitalは、Axelarは現在、著しく成長しているところだと指摘した。
2024年には、Axelarのアクティブ・ユーザーが71%増加。累計取引量が100億ドル(約1.5兆円)に達している。2025年初めに、Axelarのネットワークへの預け入れ総額(TVL)が初めて10億ドル(約1,500億円)を超え、TVLで11番目に大きなブロックチェーンとなった。
また、ドイツ銀行やJPモルガンなどの大手機関とも協力している。
例えばAxelarは2023年11月、シンガポール通貨庁が実施する「プロジェクトガーディアン」の一環として、JPモルガンおよびアポロ・グローバル・マネジメントとブロックチェーンの活用で連携。スマートコントラクトを使用して大規模なクライアント・ポートフォリオを管理する方法を示す実験を行った。
ブロックチェーン・テクノロジーを使用して取引を実行し、トークン化された現実資産(RWA)の自動ポートフォリオ管理を可能にした格好だ。
RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。RWAのトークン化の可能性は、資産運用最大手ブラックロックらも注目している。
また、Axelarは、コスモスやイーサリアム、ポルカドット(DOT)、TONなどと接続しており、Canary Capitalによると、今後もXRP台帳やビットコイン(BTC)、ソラナ(SOL)をはじめ様々なエコシステムを互いに繋げて拡大していくことが見込まれている。
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