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「すべてが高騰する時代は終わった」
暗号資産(仮想通貨)分析会社CryptoQuantの創業者兼CEOであるキ・ヨンジュ氏が25日、2025年は選別的なアルトコイン相場が訪れると予測している。キ氏によれば、ビットコインとイーサリアム以外の多くの仮想通貨は広範囲にわたる「アルトコインシーズン」という上昇相場を繰り返さない可能性があるものの、強固なファンダメンタルズと収益生成モデルを持つプロジェクトは市場全体を上回るパフォーマンスを見せる可能性があるという。
キ氏は「2025年にアウトパフォームする可能性の高いアルトコイン」として、「1. ETF承認の可能性があるもの、2. 持続可能な注目度を維持できるもの、3. 収益を生み出すプロジェクト」の3条件を挙げている。さらに「すべてが高騰する時代は終わった。より選別的なアルトシーズンとなり、ほとんどのアルトコインは生き残れないだろう」と付け加えた。
2月25日現在、米SECによるETF承認を待っている仮想通貨には、カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)、XRP、ライトコイン(LTC)、ヘデラ(HBAR)、ドージコイン(DOGE)、ポルカドット(DOT)などがある。これらの銘柄は、キ氏の予測に基づけば、2025年に優位性を持つ可能性がある候補として位置づけられる。
キ氏の選別的なアルトコインシーズン予測は、2025年に向けた投資戦略の転換点を示唆している。これまでの仮想通貨市場では、ビットコインの上昇に続いて多くのアルトコインが一斉に値上がりするパターンが見られたが、今後はより厳格な選別が行われる可能性が高い。
この分析は、仮想通貨市場の成熟化を反映しているとも言える。初期の仮想通貨市場では投機的な動きが主流だったが、規制の強化や機関投資家の参入により、より伝統的な金融市場に近い評価基準が適用されるようになっている。持続可能なビジネスモデルやキャッシュフローを生み出す能力、実用性など、ファンダメンタルズに基づく評価が重視される傾向が強まっている。
一方、仮想通貨アナリストのジェイミー・クーツ氏は2月19日に「2月7日の暴落により、時価総額上位200銘柄の24%が365日安値を記録した。これは昨年の調整安値となった8月5日(-28%)以来の高水準だ」と指摘。さらに「弱気相場では、投売り(降伏)前に-30%以上の読みが一般的だ。問題は、我々が弱気相場にいるのか、強気相場にいるのかということだ」と市場の方向性について疑問を投げかけた。
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出典:クーツ氏のX投稿
▼ 投売り(用語解説)
投売り(キャピチュレーション)とは、金融市場において投資家がパニック状態で保有ポジションを売却する現象を指す。これにより著しい価格下落が生じ、次の上昇トレンド開始前の市場底値が近いことを示すシグナルとなることが多い。投売りは通常、長期間の下落相場の最終段階で発生し、取引量の急増、ボラティリティの極端な上昇、悲観的市場心理などの特徴を伴う。市場参加者の「降伏」を意味し、弱気筋が市場から一掃された後、新たな買い手が底値で参入する機会を提供する転換点となりうる。
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