はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

トランプ関税などの影響で仮想通貨市場暴落、ビットコイン7万ドル台に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

10日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比−890.01ドル (2.08%)の41,911ドル、ナスダック株価指数は−727.90 (4.00%)の17,468ポイントで取引を終えた。

これを受け、日経平均株価は前場時点で−680.96円 (1.84%)の36,347円と続落。米国や日本の暗号資産(仮想通貨)関連株では、コインベースが前日比-17.5%、マイクロストラテジーが-16.6%となったほか、メタプラネットが-10.9%と大幅安となっている。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-3.6%の1BTC=79,434ドルとなり、8万ドル台を割り込んだ。

時価総額上位のアルトコインでは、イーサリアム(ETH)が前日比-9.1%、XRPが-5.9%、ソラナ(SOL)が-5.5%に。

先物市場では、最新の清算データチャートによると、仮想通貨市場で2月下旬から3月初旬にかけてロングポジションの大規模な清算(ロスカット)が発生している。

中国が10日、米国からの農産品輸入に対する報復関税を発動し、米中貿易戦争による景気悪化懸念が一層高まっている。また、トランプ大統領が年内の景気後退の可能性を明確に否定しなかったことも影響し、米国株式市場では主要3指数が今年最大の下落幅を記録する展開となった。

4月2日には、貿易相手国と同水準まで関税率を上げる「相互関税」を行うことも発表しているが、その詳細は判明しておらず、市場の不確実性につながっている。

このような不確実性はトランプ大統領がメキシコとカナダに対する25%の関税を発表後に一時停止した後、再び課したことから始まった。この政策転換の急激さは投資家を動揺させ、経済全体に対する懸念を増幅させている。

トランプ大統領が米国の景気後退リスクを問われた際に否定せず、先週には「株式市場は意識していない」などと発言したことも投資家のリスク回避姿勢を助長している。昨年11月の大統領選の勝利や今年1月の就任当初はトランプ氏の経済政策を好意的に受け止めていた市場も、今後さらなる不確実性の高まりを予測した投資家の判断により、現在は後退傾向にある。

暗号資産(仮想通貨)市場では、3月7日に開催されたホワイトハウス仮想通貨サミットにおける戦略準備金の発表内容が現状維持にとどまったことで失望売りが広がった。一部の投資家は米政府によるビットコインの大量かつ積極的な購入を期待していたからだ。

一方で専門家からは、政府によるビットコインの大量買いは法的側面や議会承認が必要との観点から困難だろうとの見解があり、市場との乖離が生じていた。この結果、事前の期待感が剥落し、暗号資産(仮想通貨)市場の心理に強い下押し圧力をもたらしている。

BitMEX創業者のアーサー・ヘイズ氏はこの点に対し、辛抱強く待つべきだと見解を述べ、ビットコインは70,000ドル付近で底打ちする可能性があると予測した。

現在の下落は過去最高値約110,000ドルからの-36%の調整であり、強気相場においてはよくある動きだという。今後の市場シナリオでは、米国株式市場(S&P500とNASDAQ)のさらなる急落と、伝統的金融機関の経営危機が訪れる可能性があるとみている。

その後、FRB(米連邦準備制度理事会)をはじめ、ECB(欧州中央銀行)、中国人民銀行、日銀といった主要中央銀行が各国経済を支えるための金融緩和に踏み切ることが、次の買い場の条件だと指摘した。

「トレーダーは押し目買いを試みるだろうが、マクロ要因でどこまで落ちるかわからないため、リスク回避的な投資家は中央銀行が金融緩和に動いた後に資金を投入すべきだ」とヘイズ氏は述べている。その場合、相場の大底を捉えられない可能性はあるものの、「長期間の含み損などの精神的苦痛を避けられる」との見立てを示した。

特集:米国の仮想通貨「準備金」構想

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/22 土曜日
13:40
豪政府、仮想通貨のイノベーション促進政策へ 4つの計画を発表
オーストラリア財務省が仮想通貨を含むデジタル資産のイノベーション促進策を発表した。取引所規制やステーブルコイン枠組みなど4つの戦略で世界的リーダーを目指す。
13:05
トランプ大統領のサックス特命官、UAE高官と仮想通貨・AI投資協力を協議
米ホワイトハウスのサックス特命官がUAEタヌーン氏と会談。AI、仮想通貨、技術投資について協議し、「スターゲート」プロジェクトへの70億ドル投資準備が報じられた。両国の技術・経済分野での協力強化へ。
11:25
日本の物価3%高騰、仮想通貨市場に与える影響も
2月の日本インフレ率が3%に達し、日銀追加利上げ観測が強まる中、仮想通貨市場への影響が懸念される。米国の2022年インフレ時のFRB利上げがもたらした仮想通貨ベア相場の教訓から、投資家の警戒感が高まっている。
10:40
「関税と決算発表が仮想通貨市場の鍵」米コインベース週次レポート
米コインベースの最新レポートが仮想通貨市場の現状と見通しを示す。世界貿易政策の不確実性と決算発表の影響、さらに増加する機関投資家の仮想通貨投資意欲を解説している。
09:45
MegaETH、毎秒2万取引を処理可能なパブリックテストネット開始
イーサリアムスケーリングの新アプローチ「MegaETH」がパブリックテストネットを開始。10ミリ秒ブロックタイムと2万TPSを実現し、最終的には10万TPSを目指す。
08:40
バイナンス、22銘柄の上場廃止投票を開始
仮想通貨取引所バイナンスは、コミュニティ共同ガバナンスメカニズムによる上場廃止投票の第1回を開始。ジャスミー、ジーキャッシュ、FTXトークンなど22のデジタル資産が対象となっている。
07:55
コインベース、デリビット買収交渉が最終段階に
Deribitを買収へ 米仮想通貨取引所大手コインベースが、ビットコインとイーサリウムのオプション取引で世界最大のデリビット(Deribit)の買収交渉を進めていると、ブルーム…
07:25
「3600万超のアルトコインがビットコインの地位を強化」アナリスト考察
仮想通貨ビットコインアナリストJesse Myers氏が「アルトシーズンが永久にキャンセルされた」と主張。3600万超のアルトコインの出現がビットコインのドミナンスを強化する3つの理由と「キャッチ22」パラドックスを解説。
06:25
ストラテジー社、ビットコイン追加購入のため調達額を1000億円に引き上げ
仮想通貨ビットコイン追加購入のために、ストラテジー社は優先株発行規模を当初計画から45%増の7億2250万ドルに引き上げた。
06:02
米SECの仮想通貨タスクフォース始動、規制アプローチの転換点に
米SECが初の仮想通貨タスクフォース円卓会議を開催した。ゲンスラー時代の「執行による規制」からの脱却を図り、パース委員主導で新たな規制枠組みを模索していく。
03/21 金曜日
17:11
GMOコイン、ステーキングの報酬率向上とソラナなど手数料半額キャンペーン発表
GMOコインがポルカドット、コスモス、ソラナのステーキング報酬率を大幅に向上。最大で前年比2倍超の報酬率を実現し、2025年4月には手数料半額キャンペーンを実施。暗号資産保有だけで効率的に報酬を得る。
16:18
SBI北尾会長が語る仮想通貨市場の未来と戦略|FIN/SUM2025
SBIホールディングス会長がFIN/SUMで野心的成長目標を発表した。「今世紀最大の革新的技術はブロックチェーン」と断言し、急成長する仮想通貨市場を背景にデジタルスペース戦略を展開する。リップル(XRP)と提携する中、今後の展望を示した。
13:50
ストラテジーのセイラー会長が語る「ビットコインの21の真実」とは
ストラテジー社会長マイケル・セイラーがデジタル資産サミットで語った『ビットコインの21の真実』を詳説した。イデオロギー、デジタル商品、エネルギーネットワークに始まり、「新たな太陽系」としての見解など、セイラー氏のビットコイン観は果てしなく大きい。
12:00
米通貨監督庁、仮想通貨企業に対する「チョークポイント2.0」終了へ
米OCCが評判リスクの調査を終了すると発表した。トランプ政権下で進む仮想通貨規制緩和の一環として、銀行の仮想通貨企業へのサービス提供拡大が期待される。
11:16
ビットコイン市場、FRBの金融政策とSECのPoW判断は好材料 流動性低下に警戒感も
ビットコインは8.4万ドル台で推移。FOMCでのFRBによる量的引き締め(QT)ペース緩和と2025年の利下げ示唆、SECによるプルーフ・オブ・ワーク仮想通貨の非証券判断という二つの追い風が市場を下支えする。一方、Glassnodeレポートは市場流動性の急速な低下を警告した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧