
仮想通貨の普及へ
暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)は7日、決済大手ワールドペイ(Worldpay)とパートナーシップを締結したことを発表した。
ワールドペイを介してApple PayとGoogle Payで、バイナンスで仮想通貨を購入できるようにすることが協業の目的。バイナンスは今後もインフラを発展させたり、大手決済プラットフォームとパートナーシップを締結したりして、世界の人々が仮想通貨に容易にアクセスできるようにしていくと説明した。
バイナンスの公式サイトによると、これまでもApple PayとGoogle Payを利用して仮想通貨を購入することはできていた。一方で、アンドロイドアプリ上でApple Payを、またiOSアプリ上でGoogle Payを使用することはできないと述べていた。
今回の発表では、パートナーシップの目的はApple PayとGoogle Payを法定通貨決済手段に加えるためであると説明。Apple PayとGoogle Payに紐づいたクレジットカードやデビットカードのウォレットですでに、パソコン上でもバイナンスアプリ上でもシームレスに仮想通貨が購入できるようになったとしている。
バイナンスは、ユーザーが日常的に使っている決済手段を導入し、消費者のWeb3参加を促進できるように注力してきた。今回のワールドペイとの協業は特に、クレジットカードの利用は限定的だがモバイル端末は広く普及している地域でメリットがあるとしている。
ワールドペイのフィンテック成長部門責任者は今回の発表に以下のコメントを寄せた。
デジタルウォレットの世界における普及が、今回のパートナーシップの影響力を高めている。
ユーザーは、信頼しているeコマース体験と同様に、仮想通貨を購入できるようになるだろう。
これまでの取り組み
バイナンスは今回、法定通貨やP2P(ピアツーピア)のサービスを2024年に大きく拡充させたと説明。昨年末までにバイナンスのユーザーは、1,000種類以上の決済方法で仮想通貨を購入できるようになり、対応する法定通貨の数は125超まで増えたとしている。
P2Pとは
広義には、専用のサーバーを介さず接続されたコンピューター同士がコミュニケーションするネットワーク形態のこと。本記事では、仮想通貨の直接取引を指す。
そして、このネットワークの拡大は現地の通貨で取引できる自由をユーザーに与え、不必要な両替による摩擦やプラットフォームを移動する手間を取り除く取り組みが進んでいると主張した。
また、こういった取り組みはユーザーの獲得だけでなく、定着率にも影響していると説明。2024年は、法定通貨やP2Pのサービスを利用するアクティブユーザーの60%超が繰り返して取引を行ったと述べている。
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