
ビットコインを取引所に送金
ブロックチェーン分析企業Arkhamのデータによると、ブータン王国政府は先週から今週にかけて、計50億円超相当のビットコイン(BTC)を暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスに送金している。
送金のタイミングがビットコイン価格の上昇とほぼ一致していることから、売却を行なっている可能性があるとの見方が上がった。なお、相場の上昇局面でブータンがバイナンスにビットコインを送金する動きはこれまでも確認されている。
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まず、日本時間6月30日にバイナンスに送金した数量が約137BTC(現レートで23億円相当)。その後、同7月10日には約213BTC(同35億相当)を送金した。
ブータンについては、2019年から豊富な水力発電資源を利用してビットコインのマイニングを行なっていることが伝えられている。ビットコインを購入したり、犯罪の取り締まりで押収したものを保有したりする戦略とは異なるようだ。
Arkhamのデータによれば、本記事執筆時点のブータンのビットコイン保有量は1万1,711BTCで、現在も13億ドル(約1,900億円)相当を保有。「Bitcoin Treasuries」のデータによれば米国、中国、英国、ウクライナに次いで保有量は5位である。
先月には、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が、13億ドルという金額がブータンの国内総生産(GDP)の約40%に相当するなどと述べ、ビットコインのマイニング戦略が現在は成功していると報道して注目を集めた。
ブータンの政府系ファンド「Druk Holding and Investments」のチーフエグゼクティブであるUjjwal Deep Dahal氏によれば、ブータンはビットコインをゴールド(金)のような価値の保存手段と考えているようだが、相場の上昇局面では売却も行なっている可能性がある。
ビットコインは昨日、11万2,000ドルを上回り、史上最高値を更新。本記事執筆時点でも11万3,000ドル台で推移している。
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