はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米S&P500との仮想通貨の相関性データ分析|ビットコインが米株式市場の急落のヘッジになり得るか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインと米株市場の相関性を測る時のテクニカルな金融指標と分析
仮想通貨メディアの最新の分析によると、ビットコインと米株式市場との相関性は見られず、またビットコインが弱気市場に反応している事を示す十分なデータは無く、ビットコインが従来のポートフォリオを分散化させる役割を果たす可能性がある事も示している。

ビットコインと米株市場の相関性を測る時のテクニカルな金融指標と分析

仮想通貨メディアCryptoSlateは、新たに2つの金融指標で分析した結果、ビットコインと米株式市場との間には共に上昇や共に下降のような相場の相関性は見られないとの分析結果を発表した。

本記事では当2つの指標を説明し、以下の様にCryptoSlateの分析結果を見ていく。

β値(ベータ値)

まず株式市場とビットコインの価格が相関するかどうかに関して、重要な金融指標の一つに、β値(ベータ値=1つのアセットが市場全体よりも変動性が高いか否か)が挙げられる。

株市場では、ベータはS&P500のような市場ベンチマークの変化に該当アセットがどの様に反応するかを測るものである。

  • ベータがプラスの時はアセットとベンチマークは相関性があり、ベンチマークの価値が上がれば、アセットの価値も上がる。
  • ベータがマイナスの時は、ベンチマークの価値が上がれば、アセットの価格は下がる。
  • ベータが0の時はベンチマークとアセットの価格には相関性がない。

また、投資家はベータを、ポートフォリオを分散させる際に使用し、十分なメリットを見込むことができ、お互いに相関性のないアセットを組みあわせることによって、ポートフォリオの損失を最小限に抑え、リターンを最適にする事ができるとされる。

ピアソン相関係数(PCC)

もう一つの重要な数値はピアソン相関係数(PCC)で、これは2つの変数の関係の強さを測るものである。投資家は一般的にはポートフォリオを分散化させる時に、相関性が低いかマイナスのアセットを加える傾向にあるとされている。

  • PCCが1.0の時は完璧な相関性が見られる。
  • -1.0の時は完璧なネガティブな相関性が見られる。

このテストは2つのアセットが線形関係の時のみに適用できる。また、専門家は0.8以上無いと有効性が無いとしている。

ビットコインとS&P500の相関関係分析結果

CryptoSlateの分析によると、ビットコインのベータはS&P500に対して激しく変動していた。

出典:CryptoSlate

2018年はビットコインのベータは0.30で、弱い相関性がある様であったものの、仮想通貨市場が暴騰した2017年は0.92でありほぼ完璧な相関関係にあった。

しかし2016年は-0.16でほぼ相関関係はなかった。全体として、2015年から計算すると、ビットコインのベータは0.24であり、「この結果からビットコインは株式市場との相関性は無く、もしくはボラティリティが激しく推測不可能であると考えられる」と、CryptoSlateは結論をつけている。

また、2015年から2018年を通して相関係数は0.20で、ほとんどの年は0.10から-0.10の間を推移している。この相関値からも、ビットコインはS&P500とはほとんど相関関係を持っていない、と考えられる。

さらにこれによって、ビットコインは、投資適格社債や物価連動米国債(TIPS)、または不動産投資信託(REIT)などの株式市場と非相関関係にある資産クラスと同等と考える事ができるだろうと同メディアは指摘し、より十分なデータが必要となっているが、この指標からビットコインの価格は米国株式市場と相関関係にあるとは言い難い事が推測されるとも述べている。

仮にビットコインが株式市場と相関関係に無ければ、ポートフォリオでの分散投資のための役割を果たすアセットの一種となり得るだろう。また株式市場とマイナスの相関関係にあるゴールドとは違った役割を果たす可能性もある。とはいうものの、ビットコインと仮想通貨のボラティリティの大きさは、投機的な側面を持っている事も事実である。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

米投資ファンドCEO、仮想通貨の透明性を主張し長期的な上昇を示唆|米株式市場との相関関係にも言及
仮想通貨投資ファンドCEOのPompliano氏が株式市場とビットコインの相関性はないと発言。金融市場に不正行為が蔓延する中、技術の透明性を有する仮想通貨の需要拡大を有望視した。
『仮想通貨投資信託VS 米株価指数』米投資会社が”仮想通貨の勝利”に100万ドルを賭ける
米仮想通貨投資会社モルガンクリークの共同設立者が、今後10年間で「仮想通貨インデックスファンド」が「S&P500(米国株価指数)」のパフォーマンスを上回るとして、挑戦状を叩き付けた。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
23:25
バイナンスCZ氏が予測する暗号資産の未来、「AIの通貨はクリプトに」|WebX2025
Binance創設者CZ氏がWebXで特別講演。「AIの通貨は暗号資産」発言、トランプ政権評価、Giggle Academy構想など業界の未来を徹底解説。
23:01
暗号資産の金商法移行 日本の法整備徹底解説|WebX2025
WebX2025で金融調査会長らが暗号資産制度改革を議論。税制改正による市場活性化、2類型規制の導入、事業者コスト増加など金商法移行の課題と展望を解説。
20:58
「ビットコインETF日本上場の実現可能性と解決すべき課題」金融業界リーダーが議論|WebX2025
野村、SBI、KPMGの幹部が登壇。投資信託法の制約やカストディ問題など実務的課題をWebXで議論。投資家の6割以上が暗号資産(仮想通貨)投資に関心を示す中、実現への具体的な道筋が明らかに。
20:40
アメリカのビットコイン準備金:最前線の動向と実態|WebX2025
米国のビットコイン準備金政策をWebX専門家が解説。年20万枚購入計画の実現性、各国の動向、日本が1年以内に決断すべき理由を詳報。戦略資産としてのBTC価値を分析。
20:22
サムソン・モウCEOらが語る、ビットコインとステーブルコインのシナジーは?|WebX2025
JAN3、Joltz、Boosty Labsの専門家がビットコイン上でのステーブルコイン普及について議論。RGB、タップルートアセット、リキッドの各技術の特徴と将来性を解説。
17:40
東証上場Defコンサルティング、約50億円調達でビットコイントレジャリー事業開始へ
東証グロース上場のDefコンサルティングがビットコイン財務戦略で企業価値向上を狙い、新株予約権発行により約50億円の資金調達を実施。9月から事業開始予定。
17:25
大手業者が1500億円相当のソラナ専用ファンド設立へ、カンター主導で9月成立予定
仮想通貨大手3社がソラナトレジャリーに10億ドル調達計画。金融大手カンター・フィッツジェラルドが主幹事で9月成立予定。ソラナ財団も支持表明、既存最大規模の2倍超ファンド実現を目指す。
16:48
ジーニアス法成立後のステーブルコイン世界覇権争い、日本は規制先行も普及に課題|WebX2025
米国ジーニアス法成立を受け、日本や韓国、中国など各国でステーブルコイン発行競争が激化。日本は規制整備で先行したが100万円送金の上限など課題も浮上。
16:25
暗号技術先駆者アダム・バック、ビットコインの金融インフラ構想を紹介|WebX2025
WebX2025でブロックストリームのアダム・バックCEOが自社開発のビットコイン基盤システムについて紹介。レイヤー2技術や企業向けカストディソリューションの展開戦略を解説した。
15:11
石破首相が語るスタートアップ戦略とWeb3・AIによる社会課題解決|WebX2025
石破首相がWebXで挨拶。スタートアップ育成5か年計画やWeb3・AI産業支援を強調し、日本の成長戦略と人口減少課題への対応を語った。
15:07
メタプラネット、17億円超相当ビットコインを追加購入も先週より小規模
株式会社メタプラネットは25日、仮想通貨ビットコインのトレジャリー事業の一環として103 BTCを追加購入したと発表した。
13:32
SBI北尾会長×堀江貴文氏対談:ステーブルコイン決済とWeb3メディア変革への展望|WebX2025
WebX2025特別対談でSBIホールディングス北尾吉孝会長と実業家・堀江貴文氏が暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術について対談。従来の広告依存型ビジネスモデルからの脱却と、ブロックチェーン技術を核とした新たな収益構造の必要性について一致した見解を示した。
12:52
武藤経産大臣、Web3政策を強調 アニメ・地方創生から世界展開へ
WebXで武藤経産大臣が日本のWeb3戦略を表明。税制改正やスタートアップ支援、起業家誘致を通じ経済成長を目指す。
11:35
メタプラネット格上げ FTSEジャパン指数へ組み込み
FTSEラッセルがメタプラネットを小型株から中型株に格上げしFTSEジャパン・インデックスに採用した。仮想通貨ビットコイン保有戦略により評価額を上げている。
10:20
仮想通貨市場の天井接近か Santimentがイーサリアム・ビットコイン調整局面の可能性を分析
Santimentが仮想通貨市場が短期的な天井に接近している可能性を分析した。オンチェーン指標によるとイーサリアムやビットコインの調整が示唆されている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧