はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「休眠状態のビットコイン」数量と相場の相関性を考察|Huobi研究所が10年間のBTCデータを分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

10年間における眠りのBTC及びヒットワード変化トレンド

Huobi研究所のデータによると、永久紛失したBTCは大凡200万〜300万があり、BTCトータル数量の12%〜18%に該当すると分析。データ分析の内容を掲載。

休眠状態のビットコイン

まずBTCの公開鍵と秘密鍵は楕円曲線暗号化アルゴリズムによって生成されるため、秘密鍵より公開鍵が推算できるが、逆はできない。

また、仮想通貨初期はBTC秘密鍵に対する取り扱う意識が薄く、ニーモニック/多重署名などの手段が普及されてなかったため、BTCの黎明期では、秘密鍵を忘れたり、秘密鍵を保存するハードウェアを紛失した場合、BTCを取り戻すことはほぼ不可能であった。

実際BTCブロックチェーンにはどれほど取り出せなくなったBTCが眠っているか、市場流動通貨減少が通貨価格に影響する観点からも仮想通貨愛好者の間で話題になった。なお、2018年7月のウォールストリートジャーナルは、全流通量のおおよそ5分の1のBTCはすでに取り出せなくなっていると報道している。

今回、Huobi研究所ではビットコインのジェネシス・ブロックから10年経った現在までのBTCブロックチェーンデータを分析、未使用(休眠状態)のBTC数を時間列で統計を掲載した。

休眠状態のビットコイン占有率

図1. 2015年以降眠っているBTCが全流通BTCにおける比率

出典:Huobi Research

Huobi研究所がブロックチェーンデータを調べた結果、2015年以前から保有され、2015年以降動いていない休眠状態のビットコインは、全流通量の24%にも及ぶことがわかった。使われているBTCのほうは76%を占めている。

そして、年度別で見ていくと、眠っているBTC数のトレンドには二つのピークがあり、一つは2009年、即ちBTCの誕生年だ。もう一つは2013年、BTC価格は初めて価格暴騰した年で、当時のATHは1,100ドル(≒11万9700円)であった。

図2. 眠っているBTC(年度別) 単位:万

出典:Huobi Research

眠っているBTCのアクティベーションの法則

流通している全てのBTCの 4分の1近くが動かされていないBTCであることはわかったが、どれぐらい秘密鍵を忘れたことによる永久遺失に当たるのか?眠っていたBTCのアクティベージョンに時間的な法則があるのか?秘密鍵を無くしておらず巨額のBTCがいきなり市場に巨大なインパクトを与えるほどの集中的な売却を発生させるのか?このような疑問を持ち、Huobi研究所では直近1年間に眠っていたBTCのアクティブ化について探った。

2018年のBTCトランザクション全体を見ると、2015年1月1日以前から眠っていたビットコインのうち、下落が顕著になった2018年にアクティブ化(動か)されたBTCは104万BTCあると判明した。時間分布は下記の図の通りで、2018年にアクティブ化されたBTCの数量に、1〜2月、4〜5月、8月及び12月という四つのピークが存在している。

このデータを見る限りだが、要するに大量保有していたBTCが動かされたタイミングでは、直接的な売り圧力になるということにはなっていない様だ。

図3. 2018年にアクティブ化されたBTCの数量

出典:Huobi Research

BTCの価格トレンドと照らし合わせて見た場合、この四つのピークの中で、前の三つはちょうどBTC価格の上昇/リバウンドと同じタイミングであることがわかった。2018年1月、BTCの価格は年内に最も高く(17,000ドル)、2017年12月の19,000ドルという史上最高値を引き継いだ高い価格水準を維持していた。2018年5月と8月には比較的大きな価格の反発が見られている。

図4. 2018年BTC価格のトレンド

出典:Huobi Research

しかし、2018年12月に起こったBTCのアクティブ化は特殊であるとHuobi研究所は見ている。12月1日から12月13日までにアクティブ化されたBTCの数量は過去全ての月度よりも多かったが、Coinbaseによるウォレット整理によって、一挙に15万〜20万のBTCがアクティブ化されたことが、大きい原因の一つとしている。

また、2011年〜2013年から眠っていたBTCが流出したことも分かった。BTC価格と照らし合わせて見ると、年初からサポートラインになっていた6,000ドルの線を下回ったため、初期の頃からのマイニング業者がパニックでBTCを売り出したことも考えられるだろう。

ここまでをまとめると、2018年BTC価格が下がりつつある中で、大幅なリバウンドが起こる度に、休眠状態のBTCが大量にアクティブ化されている。また、11月末のBTC価格は6,000ドルというキーラインを下回った後、アクティブ化されたBTCアドレスも圧倒的であった。

永久紛失BTCの予測

Huobi研究所が、永久に紛失したと見られるビットコインを算出するのに注目したのは、2018年にアクティブ化BTCのうち、それらのビットコインはいつから眠っていて、2018年にアクティブになったのかを示すデータの直近集計結果だ。(下記の図5)

その中で、アクティブ化までの期間が最も長い2011年以前のBTC数量は省略できるほど少なくく、主に期間の短い2013年と2014年に集中していることがわかった。データとしては2013年が26%、2014年が43.6%だった。その次は2011年と2012年で、それぞれ8.8%と8.7%になった。最も期間の長い2009年と2010年から眠るビットコインは、僅か0.3%と0.6%しかアクティブになっていない。

図5. 2018年にアクティブ化されたBTCのアクティブ期間別分布

出典:Huobi Research

ビットコインの数量で見ていくと、2009年と2010年から眠っていたBTCは合計187.3万で、2011年と2012年は合計85万だ。2018年にアクティブ化された比率から推測すると、2009年と2010年に眠ったBTCの大部分、2011年と2012年に眠ったBTCの一部が永久に紛失したBTCであると推測できる。

取り戻せないBTCはだいたい200万〜300万であるとみられ、これはBTCの現合計流通量の12%〜18%に相当する。

10年におけるヒットワード変化トレンド

最高頻度で言及されたヒットワード

ここ10年BitcoinTalkにて約5万記事のタイトルから見れば、bitcoinが25,057回に言及され、トップ1となった。3,100回現れたbtcは2位だった。ビットコイン以外のヒットワードランキングは以下通りだ。

図6. BitcoinTalkにおける10年間のヒットワード

出典:BitcoinTalk

上位3位はblockchain、crypto、priceだったが、mtgoxやsegwitなどのホットイベントもランキングインした。

年ごとのヒットワード

2010年

この当時、ビットコインはごく少数の人にしか知られていなかった。海外最大手仮想通貨掲示板BitcoinTalkも設立したばかりで、まだ話題自体が少ない状況であった。その中でも、中本聡がビットコインを創り出した時、Bitcoinをピアツーピア系の電子現金システムとして定義したため、通貨や支払い、システムなどのワードがその年に最も多くコメントとして残されている。

出典:BitcoinTalk

2011年

MtGoxはハッキング事件で有名だが、かつて世界最大のBTCディーラーであり、2011年はMtGoxにとって発展の速い年であった。同年には新たな取引所も多く出来たので、2010年から2011年にかけて、BTCが初めて決済に利用された(ピザ購入の話)時と比較して、BTCの価格は10,000倍も上昇しており、当時31.9ドルという最高値を更新していた。MtGoxがハッキング事件がおき、ターニングポイントにもなった年でもある。

出典:BitcoinTalk

2012年

ハッキング事件の影響を受け、投資家たちが仮想通貨のセキュリティー面に疑問を持ったことで、BTCの価格が下落、2012年の初めには最高値31.9ドルから2ドル以下までの暴落がおきた。投資家たちが取引所を信用しなくなり、ウォレット及びセキュリティーを求めはじめたことで、「ウォレット」が当時の話題のワードになった。

出典:BitcoinTalk

2013年

ウォレット、中本聡、通貨などがヒットワードになった年。ウォレット以外に、人々が中本聡は誰なのか?に興味を持ちはじめた年になった。同年には、一部のヨーロッパ国がBTC発行に関する政策をリリースし、BTC価格が上昇、年末には1,147ドルにも達している。

また、中国のBTCに対する影響力が日々拡大したために、「中国」というワードがかなり多く使われ、ランキングの上位に位置している。

出典:BitcoinTalk

2014年〜2016年

この時期のBTC価格は再度200ドルまで下落したこともあり、市場全体が低迷期に悩まされ、中本聡やウォレットより、その技術であるブロックチェーンが最も焦点に当てられている。ブロックチェーンという革命的な技術の未来を考えはじめた年になった。

出典:BitcoinTalk

2017年

SegWit、ハードフォーク、プライス(価格)がトップ3位に入った年だ。SegWitは、ビットコインの重要転換点になったことからも長い期間話題として取りあげられ、ハードフォークによる、色々なフォークコインやアルトコインが次々現れた年になった。価格は、2017年に強気相場を形成し、人々による通貨価格についての議論が今までなく熱く盛り上がった。ある意味で新規参入が増えた動きに繋がっている

出典:BitcoinTalk

2018年

仮想通貨エコシステムの完備化に伴い、仮想通貨(クリプト)とブロックチェーンが圧倒的にヒットワードランキングの上位2位としてあがっている。ビットコイン自体に目線が止まるのみならず、分散型理念及びそれがもたらす未来に注目が集まった年になった。BitcoinTalk上の各ワードはブロックチェーン発展の縮図と言えるだろう。

出典:BitcoinTalk

Huobiについて

Huobi は2013年の創業以来、顧客数·取引量共に世界トップレベルの取引所として、130か国以上のお客様にサービスを展開してきております。

2018年、BitTrade(仮想通貨交換業者関東財務局第00007号)を傘下に安心・安全・顧客本位の金融サービスを日本の顧客に提供いたします。

Huobi研究所

Huobi研究所は、仮想通貨取引所を運営しているHuobiグループによって2016年4月に設立され、2018年3月に、ブロックチェーン分野における技術開発・業界調査分析・応用研究・コンサルティングを目的とした、より高度な組織へ発展を遂げました。

また、経済、金融、AI、法律等様々な分野に精通する人材を多く抱えている他、世界のあらゆるブロックチェーンに関する学術団体や大学、研究施設と提携しており、Huobi研究所の所長を務める袁煜明(Hubery Yuan)氏は、元産業保安研究所の副院長兼TMT(テクノロジー・メディア・通信業界)主席アナリストを務めた人物であり、New Fourtune社から「ベストアナリスト賞」を受賞しております。

また、同研究所はブロックチェーン分野の研究基盤を構築し、業界に対してより明確に根拠のある理論や研究成果を提供する事で、業界及び産業の発展を促進する事を目指しております。

Huobi研究所の理念として、「ブロックチェーンのエコシステムを構築し、より良い未来に貢献する事」を掲げております。

Huobi Japan公式アカウント

Twitter:https://twitter.com/HuobiJapan?lang=ja

Telegram:https://t.me/huobijapanofficial?utm_source=Telegram

Facebook:https://www.facebook.com/HuobiJapan/

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCpWnfmrT6qyTtkdgZJgNn4w/

※注意事項

今回の記事はあくまで、調査レポートを元にCoinPostの考えを述べたもので、仮想通貨の値上がりを保証するものや、投資を奨励するものではございません。

仮想通貨への投資の際は、価格変動リスク、信用リスク、流動性のリスク等、リスクを確認した上、ご自身の責任の下で投資を行いましょう。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

全流通量の35%に及ぶ600万BTCが永久喪失か|ビットコインの希少価値に変化
発行済ビットコインは約1,700万BTCであり、喪失したとされる推定600万BTCの割合は35%にも及ぶ。したがって、市場がこれを認識・織り込みに行った場合、希少価値が再評価されることでBTC価格に反映される可能性も考えられる。
ビットコイン急落と「クジラ」の影響に関する仮想通貨調査報告書が公開
今回公開されたChainalysisによる報告書では、彼らは、弱気相場でも売却よりも購入を積極的に行い、大量売却の際もOTC市場を使い、実際頻繁に取引を行うトレーダーの割合も少ないとの結果が明らかになり、自発的に市場に影響を及ぼす可能性は低いと示唆した。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者10,000名突破。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/02 水曜日
14:30
ソニー・シンガポール、オンラインストアでステーブルコインUSDC決済に対応
ソニー・シンガポールが仮想通貨取引所と提携し、オンラインストアでステーブルコインUSDCによる決済サービスを開始。シンガポール初の仮想通貨決済対応家電ブランドとなり、ソニーグループの分散型技術戦略と連動した取り組みとなった。
13:25
エリック・トランプ氏「仮想通貨事業参入のきっかけは不当な銀行口座閉鎖」
トランプ大統領の次男エリック氏は、大手銀行による突然の口座閉鎖が仮想通貨事業参入のきっかけとなったと明かした。同氏は、ブロックチェーン技術により今後10年で金融や銀行の在り方は大きく変わると予想している。
12:56
メタプラネット、ビットコイン追加購入で累計4,206BTCに
メタプラネットが4月2日に仮想通貨ビットコインを160BTC、約20億円分追加購入し、累計4,206BTCに保有量を伸ばした。2025年末1万BTC・2026年末2万1,000BTCを目指し、独自財務戦略を進める。
12:05
ビットバンク、村上信五さん起用の新CM放映開始へ
国内暗号資産取引所の大手ビットバンク株式会社は4月2日、バラエティ番組の司会などで活躍する村上信五さんを起用した新CM「Everybody bitbank」シリーズの放映を4月3日から開始すると発表した
11:44
米グレースケール、バスケット型仮想通貨ETF申請 XRP・ソラナ・ADA含む5銘柄で
米グレースケールがビットコイン他複数の仮想通貨に投資する「デジタル・ラージキャップ・ファンド」のETF転換をSECに申請した。承認されれば一般投資家にも開放される見込みだ。
11:00
「決済用ステーブルコインは利子提供不可」米ヒル議員が強調 コインベースらの嘆願却下
米下院金融委員長が決済用ステーブルコインの利子提供は認められない計画だと強調。コインベースなど仮想通貨業界からの要望を却下した。法案にも禁止条項が盛り込まれている。
10:30
国内上場のenish、1億円相当のビットコイン購入へ Web3事業強化で
株式会社エニッシュが1億円相当のビットコインを4月1日から4日にかけて取得すると発表。ブロックチェーンゲーム開発を手がけながら、Web3領域での事業展開強化と財務戦略の一環としてビットコインを活用へ。
10:15
バックパック、FTX EUの顧客へのユーロ返還手続きを開始
仮想通貨取引所バックパックは、FTX EUの顧客にユーロを返還するための手続きを開始。FTX自体は現金での返還をすでに開始しており、仮想通貨の買い圧につながるのではないかとの見方も上がっている。
08:20
バリュークリエーション、2度目の1億円分のビットコイン購入を実施
東証グロース上場のバリュークリエーション株式会社が3月31日、1億円で7.8BTCの追加購入を発表。3月17日の初回購入から2週間で2回目の投資を実施した。
08:15
ビットコイン一時50万円上昇、米経済指標とトランプ関税政策が影響|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時50万円の上昇となった。現在、市場の最大の注目材料はトランプ大統領による関税政策であり、ビットコインはリスク資産である米国株価指数との相関性が非常に高くなっている。
07:50
『ビットボンド』提案、トランプ政権のビットコイン準備金戦略、年間10兆円の財政削減効果も
ビットコイン政策研究所が「ビットボンド」提案を発表。米国債の金利負担軽減と仮想通貨ビットコイン保有増加を同時実現する戦略で、2兆ドル規模で導入した場合、年間700億ドルの節約効果と推算。
07:20
ビットコイン購入準備のゲームストップ、2200億円調達済み
米ゲーム小売大手ゲームストップが15億ドルの無利子転換社債発行を完了し、ビットコイン購入計画を進行。マイクロストラテジーの戦略に類似する企業の仮想通貨投資の新たな展開に。
06:55
三井住友FG、アバランチらとステーブルコインを共同開発
三井住友FGは、ステーブルコインの開発を行うことがわかった。仮想通貨アバランチを開発するAva Labsら3社と協業し、26年度を目処にした発行を検討している。
06:35
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、二社統合モデルでIPO計画
トランプ家支援のAmerican Data CentersとビットコインマイナーHut 8が設立した合弁会社American Bitcoinが上場計画を発表。エネルギー・インフラとマイニング事業を二社統合モデルで展開していく。
06:12
ブラックロック、英で仮想通貨事業者認可を取得、ビットコインETF提供へ
世界最大の資産運用会社ブラックロックが英国金融行動監視機構から仮想通貨事業者として認可を取得。資産12兆ドルの投資巨人が欧州向けのビットコインETFを英国拠点から運営へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧