
ルペン氏が支持表明
フランスの極右・ポピュリズム政党国民連合(RN)が、原子力発電所の余剰電力を活用したビットコイン(BTC)マイニング法案を起草していると、仏ル・モンド紙が先週報じた。マリーヌ・ルペン党首は3月のフラマンビル原発視察で、余剰電力をビットコインマイニング事業に活用するアイデアを支持したと表明したという。
同計画は原発サイトに直接高性能コンピューターを設置し、遊休エネルギーをビットコイン採掘に充当する内容だ。RN議員オーレリアン・ロペス=リグオリ氏は「安全で高収益なソリューション」として議会提出に向けた法案を起草中と述べている。
この提案は国民連合の仮想通貨に対する劇的な方針転換を示している。ルペン氏は2016年に仮想通貨を「エリートと米ウォール街の道具」として禁止を求めていたが、2022年には規制支持、2025年には直接的な仮想通貨生産支持へと変化した。
ルペン氏は2027年の大統領選挙有力候補とされてきたが、3月に公金不正流用で有罪判決を受け被選挙権が停止されている。党内では国家による通貨統制の放棄への懸念も残り、ジャン=フィリップ・タンギー上級幹部が「通貨独立」への警戒を表明している。
最近、フランスでは極右政治家と仮想通貨起業家の連携が深まり、仮想通貨ウォレットレジャー(Ledger)のエリック・ラルシュヴェク氏らが極右イベントに出席したことが報じられた。業界団体はフランス左派の議論離脱により仮想通貨の政治化が進み、極右に議論を委ねることで世論の偏向を招くリスクを警告しているという。