
従来方針から転換か
専門メディアクリプト・イン・アメリカは26日、運用資産10兆ドルを持つ世界第2位の資産運用会社バンガードが証券仲介プラットフォームで仮想通貨ETFへのアクセス提供を検討していると関係者情報として報じた。同社はこれまで仮想通貨に対して保守的な姿勢を取り、フィデリティやチャールズ・シュワブなどの競合他社とは対照的な立場を維持していた。
匿名の関係者によると、バンガードは顧客からの仮想通貨への強い需要と規制環境の変化を受けて基盤整備と外部協議を開始している。同社は独自商品の発行は計画しておらず、ブラックロックなど既存の仮想通貨ETFへのアクセス提供を検討しているが、決定時期や対象商品は未定だという。
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バンガードのサリム・ラムジCEOはブラックロック出身で、同社の成功したビットコインETF「IBIT」のローンチを監督した経験を持つ人物だ。IBITは2024年1月のデビュー以来600億ドル超の純流入を記録し、現在800億ドル超の資産を保有している。
トランプ政権発足後、規制当局は仮想通貨に対して積極的な推進姿勢に転じており、こうした環境変化がバンガードの方針転換につながったとみられる。SECは最近、仮想通貨ETF承認を加速する新たな包括的上場基準を承認し、主要仮想通貨を含むインデックスファンドやアルトコインETFを認可している。
ブルームバーグのETF専門家エリック・バルチュナス氏はX上で「バンガードはビットコインETF禁止を終了させようとしている」とコメントした。バンガードは5,000万人の投資家を抱える米国最大の投資信託会社であり、その規模は現在のビットコインETF投資人口の2倍以上だと指摘している。
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