上場Web3コングロマリット企業誕生か
人工知能(AI)ソリューション専門のフィンテック企業Currenc Group(カレンク・グループ)は3日、Web3企業Animoca Brands(アニモカ・ブランズ)との合併で拘束力のない契約書を締結したと発表した。
合併が成立すれば、アニモカはカレンクの株式の過半数を保有し、ナスダック上場を引き継ぐことになる。暗号資産(仮想通貨)関連企業やファンドへの関心が高まっているこの時期に、米国の投資家にリーチできるようになる格好だ。
合併は2026年に完了する見込みであり、新会社はアニモカ・ブランズの社名を使用する予定である。
合併が完了すれば、デジタル資産投資、デジタル資産サービス、現実資産(RWA)トークン化、消費者と機関投資家の両方に向けたブロックチェーンアプリケーションなど多角的なWeb3分野で成長戦略を持つグローバル企業が誕生する見通しだ。
RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。RWAのトークン化の可能性は、資産運用最大手ブラックロックらも注目している。
アニモカの株主が新会社の発行済み株式の約95%を保有し、カレンクの現株主は約5%を保有することになる。取引完了後、取締役会には両社の指名者が含まれる予定だ。
アニモカのヤット・シウ共同創業者兼取締役会長は、次のように説明した。
両社が合併すれば、世界初の上場・多角化デジタル資産コングロマリットが誕生する。
ナスダックの投資家にとっては、当社はDeFi(分散型金融)、AI、NFT(非代替性トークン)、ゲーム、DeSci(分散型科学)を多角的に網羅する投資手段となる。1兆ドル規模のアルトコイン・デジタル経済の成長ポテンシャルへの直接的なアクセスを提供する。
カレンクは、銀行、保険会社、通信会社、政府機関などにAIコールセンターやAI搭載エージェントなどのソリューションを提供している企業だ。
合併に関連して、カレンクは、金融機関向けAI活用ソリューションやデジタル送金プラットフォームなど、既存の事業の一部を売却する予定である。これらの事業は、合併完了前にカレンクの現株主に所有権が与えられる見込みだ。
アニモカは世界でも代表的なWeb3企業の一つ。ベンチャー投資を活発に行っており、大規模な仮想通貨ポートフォリオを構築している。
アニモカは昨年、5億ドル(約770億円)以上の仮想通貨を保有していると報告していた。また、クラーケン、メタマスクなどのブロックチェーン関連企業に少数株主として約400件の投資を行ったことも明かしていた。
ザ・サンドボックスなど、ブロックチェーン・ゲームの開発でも知られている。
9月には、アニモカの日本における子会社Animoca Brands株式会社が、上場企業を対象にしたデジタル資産・トレジャリー戦略支援を本格開始すると発表したところだ。
上場企業が仮想通貨を保有・運用する際の戦略立案から運用までを包括的に支援するとしている。
関連:アニモカ・ブランズ・ジャパン、上場企業の仮想通貨戦略の支援事業を本格始動
今年に入ってから、米国で仮想通貨を後押しするトランプ政権の誕生も背景にして、仮想通貨企業の上場が相次いでいるところだ。アニモカも、合併が成立した暁にはこの流れに乗ることになる。
関連:メタマスク開発企業のコンセンシスがIPO検討か JPモルガンらをアドバイザーに起用=報道



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