ETF・トレジャリー企業への流入停滞
暗号資産(仮想通貨)マーケットメイカー大手ウィンターミュートは3日、最新の市場分析レポートを発表した。マクロ経済は依然として好調だが、仮想通貨には流動性が流れ込んでこないため低迷していると分析した。
昨年と今年上半期に重要だった3つの流入促進要素(ETF、ステーブルコイン、仮想通貨トレジャリー企業)のうち、健全なのはステーブルコインだけだと指摘。ETF(上場投資信託)への流入とトレジャリー企業の動向を綿密に監視することが重要だとしている。
ETFとは
上場投資信託(Exchange Traded Fund)の略で、特定の指数(株価指数など)に連動するように運用される、証券取引所に上場した投資信託のこと。株式のように取引時間中に売買することが可能だ。
ウィンターミュートは、先週FRBによる利下げ、FOMC議事録発表、米国テクノロジー企業の決算発表により、市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)上昇は避けられなかったと振り返った。
予想通り0.25%の利下げが決定し、量的引き締めは正式に終了したが、パウエル議長が市場の予想に反して、12月の追加利下げは「既定路線ではない」としたことで、リスクオフの動きが広がったと続ける。
その後株式市場は落ち着いたが、仮想通貨は反発しておらず、他の資産クラスと比較するとパフォーマンスが悪いと指摘した。
ウィンターミュートによると、10月27日から11月2日の週でナスダックは1.9%上昇、S&P500は0.7%上昇したが、ビットコイン(BTC)は3.3%下落、イーサリアム(ETH)は5.9%下落している。
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ウィンターミュートは、リスク資産が上昇する一方で、仮想通貨が低迷している原因は、増加した流動性が以前のように仮想通貨に流入していないことだと分析した。
ETFへの流入は夏以降停滞しており、ビットコインETFの運用資産残高は1,500億ドル前後で推移していると指摘。また、仮想通貨トレジャリー企業への資産流入も、ナスダックなどの取引所におけるセカンダリー取引量が急落したことで停滞していると述べた。
一方で、流入を促進するもののうち、ステーブルコインだけが引き続き好調であり、供給量は現在も増加傾向だ。年初来で供給量は50%、1,000億ドル(約15兆円)増加している。
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資金の流れは現在、仮想通貨とは別の方向に流れているとしている。例えば個人投資家は株式、AI(人工知能)、予測市場などに注目していると続けた。
また、ビットコインの4年サイクルの概念はもはや意味をなさなくなり、かつて価格を牽引していたマイナーによる供給とビットコイン半減期という要因は、現在の成熟した市場では重要ではなくなっているとの見解を述べた。
今、パフォーマンスを牽引しているのは流動性であり、今後はETFへの流入とトレジャリー企業の状況から、仮想通貨への流動性回復を示す最初のシグナルが読み取れるだろうと推測している。
仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルも5日、ビットコインは「成熟期」に入り、機関投資家の吸収、受動的フロー、低ボラティリティが支配的になると予測したところだ。
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