ステーブルコイン発行を支援
片山さつき金融相は7日、閣議後の記者会見の冒頭で、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行やプログマ(Progmat)が行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。
また、実際にサポートを担当する「決済高度化プロジェクト(PIP)」を立ち上げたことにも言及。PIPの支援案件の第1号が、上述した複数企業によるステーブルコインの実証実験だとし、法令解釈などの面から履行をサポートしていくと説明している。
ステーブルコインとは
価格が常に安定するように設計された仮想通貨のこと。法定通貨または仮想通貨に価値が裏付けられていたり、アルゴリズム等で価格を安定させたりする様々なステーブルコインが開発されている。
法整備が進み、最近では米国に加えて日本でも決済向けのステーブルコインの注目度が高まっている。3メガバンクが共同でステーブルコインを発行することは先月から明らかになっていた。
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片山氏は今回、PIPを立ち上げた背景として、トークン化預金やステーブルコインなど、ブロックチェーン技術を活用した決済高度化の検討に進展が見られることを指摘した。
PIPでは、ブロックチェーン技術や関連法令、海外の動向など決済分野に深い知見がある担当者が、それぞれの実証実験をサポートすると説明している。
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PIPとは
金融庁は2017年、フィンテック企業や金融機関等が前例のない実証実験を行おうとする際に抱く傾向にある躊躇や懸念を払拭するため「FinTech実証実験ハブ」を設置した。
そして、最近はブロックチェーン技術を活用した決済高度化の検討に国内外で進展が見られることを踏まえ、今回FinTech実証実験ハブ内にPIPを立ち上げた。
PIPからの支援を希望する企業は、メールで申し込みを行うことが可能。その際に金融庁は、以下の5つのチェック項目に関する説明資料を添付するように求めている。
- 実験内容と論点が明らかであること(明確性)
- サービスの実現によって日本における利用者利便や企業の生産性の向上が見込まれること(社会的意義)
- 実現しようとするサービスに革新性が認められること(革新性)
- 実証実験に一般利用者が参加する場合には、利用者への説明を含め、利用者保護上の対応を適切に行うこと(利用者保護)
- 実証実験を行うのに必要な資金・人員等のリソースが確保されていること(実験の遂行可能性)
なお、これらを全て満たしていても、支援を受けられるとは限らない。
同時期に多くの申込みがあった場合は、商品・サービスの汎用性の高さ、便益を得られると見込まれる者の規模、日本の金融システムや金融に関するサービスの水準の向上への貢献度などを総合的に勘案して、特定の案件を優先する場合があると説明している。
日本では先月、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行がすでに始まっており、日経トレンディの「2026年ヒット予測」でステーブルコインが9位にランクインするなど、注目度が高まっている。
一方で、すでに金融サービスが充実している日本で普及するのかなど、課題を指摘する声も多い。普及のカギは信頼度や知名度が高い銀行の参入であるとの見方もあるため、3メガバンクの実証実験は高い関心を集めている。
この実証実験は今月から「当面の間」行う計画だと金融庁は説明した。
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