「ファンダメンタルズは健全」と見解
米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの機関投資家部門は8日、月間市場レポートを発表。10月10日の大規模な清算イベントの後、仮想通貨市場は短期的な底値を付け、ポジションは大幅に改善されリセットされたように見えると分析した。
この売却によって、システムは構造的に健全なレバレッジ水準に戻り、今後数か月は、ゆるやかな上昇傾向をたどる可能性が高いと予想した。

出典:コインベース
今回の清算イベントでは、アルトコインの下落やマーケットメーカーが一時的に購入サイドの流動性を引き上げたことなどによって、仮想通貨市場でもリスクの高い分野に圧力がかかったと指摘。
コインベースは、この動きがテクニカル要因によるものであったことから、仮想通貨市場のファンダメンタルズは依然として健全だと考えると続けた。
レバレッジ崩壊の影響を免れていた機関投資家が、次の上昇局面を牽引する可能性が高いとも述べる。現在は、年初に比べて複雑でリスクが高いものの、マクロ環境は依然として好ましい状況にあるとも見解を示した。
機関投資家の多くはレバレッジ比率を低く抑えたり、主要トークンに投資を集中していた。一方で、個人投資家の保有比率が高いアルトコインは、清算の連鎖反応の矢面に立たされた形だとした。
その上で、機関投資家の意欲が戻れば市場は回復する可能性があるが、それにはまだ数か月かかる可能性があると続けた。
コインベースは、今後2~3か月でビットコイン(BTC)のドミナンスが徐々に上昇すると予想。最終的に市場ローテーションが発生する前に、ETH/BTCなど、アルトコイン/BTCペアに下落圧力がかかる可能性があるとした。

出典:コインベース
また、ストラドルおよびストラングルオプション戦略の損益分岐点に基づくと、今後3~6か月間のビットコイン価格の市場確率分布は現在9万ドルから16万ドルの範囲にあり、今後ビットコインが上昇することを期待する投資家が多いことが示されていると指摘した。
ストラドル・ストラングルオプション
ストラドルは同じ行使価格・同じ満期のコール(買い)とプット(売り)を両方買うオプション戦略。ストラングルは、異なる行使価格のコールとプットを両方買うオプション戦略のこと。
さらに、コインベースはNansenの分析を引用し、10月10日以降に実績ある熟練投資家の資金(スマートマネー)は、リスク資産全体ではなく、特定の分野への資本再投入を示していると指摘した。
スマートマネーは、EVMスタック(イーサリアム、アービトラムなど)や「実用性と利回り」を重視するセクターへとシフトしており、ソラナやBSCチェーン、ステーブルコインの成長は減速している。
たとえば、ステーキングや、リ・ステーキングは引き続き堅調で、グレースケールがETHとSOLを対象とした米国初のステーキングETFをローンチしたことも注目されていると述べた。
スマートマネーは、より明確な収益経路や機関投資家との接点を持つセクターに引き寄せられ、ステーブルコインを用いてリスクを巧みに再配分していると分析した。
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