- 失われた60万ETHが見つかる
- 唯一の鍵管理者であるCEOが急死したことで、1億ドル相当の仮想通貨が引き出し不可能となった仮想通貨取引所の事件に進展。失われていた仮想通貨の一部、約60万ETHが発見され、取り出せる可能性が出てきたことがわかった。
失われた60万ETHが見つかる
カナダ仮想通貨取引所「QuadrigaCX」のCEOであり、唯一の鍵管理者であったGerald Cotten氏が急死した結果、当時の価格で160億円相当の仮想通貨が引き出せなくなっていた事件に関して、喪失していた仮想通貨の一部、約60万ETHが発見されたことが公表された。
公表されていた内容では、サービス稼働時に他の取引所へ資産がうつされたことが明らかになったとしており、凍結されたとされていた160億円のうち、112億円相当の仮想通貨(ETH)が取り戻せる可能性がでてきたという。
同報告書は、「Zerononcense publication」のCEO、 仮想通貨取引所「Kraken」CEOのJesse Powell氏、「MyCrypto」CEOのTaylor Monahan氏らによって、共同で発表されている。
報告書によれば、QuadrigaCXが管理しているウォレットにおける、イーサリアムの出口ポイント全てが見つかったとのことだ。
また、以下の取引所にETHが送られた可能性がかなり高いとしている。
- Kraken
- Bitfinex
- Poloniex
取引履歴の分析結果に基づくと、「QuadrigaCX」のサービス稼働時に保存の目的で、大量のETH(60万ETH以上)がこれらの3つの取引所に移されていたと見られており、過去の調査において同取引所のコミュニティがコールドウォレットや準備金の場所を特定できなかったことと整合性が取れているという。
今回発表されたQuadrigaCXに関連するウォレットは以下の通りだ。
- 0x0ee4e2d09aec35bdf08083b649033ac0a41aa75e
- 0xd72709b353ded6c8068cc78988613587a4cae8de
- 0xb6aac3b56ff818496b747ea57fcbe42a9aae6218 (現在のホットウォレット)
- 0x027beefcbad782faf69fad12dee97ed894c68549 (以前のホットウォレット)
- 0x45cab8d124fce8663581172c614f2ee08d01d48e
- 0x696dd748a2edd9692ed93bd592dd2f293483eada
- 0x0247bc4e03142079cfa2e3daf500722ed0f9a6b2
- 0xd543154fb94528c4fc54b9c27128c2d86c6322be
- 0x67fC93fD01A15D9FB02a80D0AE6207fB45625be4
- 0xb90a82ec61627885eab72f4253939285ba40c91d
- 0x79855af491352646e73bd12d7b92d6c814e71b4c
- 0x57b727dc48b5d9261958e0fb9f94fa02dc328bf6
Powell氏は、これらのウォレットアドレスは、全て顧客のものではないとしている。
「QuadrigaCX」から直接、Kraken、Bitfinex、Poloniexの三取引所に送金されたETHを合計すると、トータルで649,708ETHとなり、当時の価格で$100,490,150(約112億2,000万円)に相当する。
募る懸念点
QuadrigaCXが、顧客資産をすべて喪失し、破産による債権者保護を裁判所に申請した事件に関して、以前にレポートが公開されている。
同取引所は、資産喪失の理由として、取引を管理していた人物が一人であり(CEO)、亡くなってしまったため引き出しができないとの弁明を行なっていた。
そのレポートでは、同取引所の保有する仮想通貨ウォレットや顧客の出金に、他のユーザーの資産を利用する状況が起きていた可能性を指摘するなど、懸念点が多い内容となっている。今回、不幸中の幸いか、他の取引所に移動された
主に以下の6点を指摘していた。
- QuadrigaCXは主だったコールドウォレットを所有していなかった
- 顧客のデポジットを利用して、他の顧客の出金を支払っていた可能性がある
- QuadrigaCXは説明とは違い、ビットコインウォレットへのアクセスを失っていなかった
- QuadrigaCXの保有する仮想通貨はRobertson氏が発表した額と一致しない
- QuadrigaCXの預金引き出しの遅延は資金不足が原因だったかもしれない
- 顧客に資産を支払うことができた可能性がある