- テザー社とBitfinexが与える影響
- テザー社とBitfinexを警戒する動きが確認され始めた。先日ローンチしたTron版USDTの対応方針で2つの延期事例が確認されている。
テザー社とBitfinex警戒の余波
テザー社とBitfinexを警戒する動きが確認され始めている。
仮想通貨ATMを提供しているCoinFlip社が、先日発行されたTron版USDTの新規サポートの延期を発表したほか、Tron(TRX)のCEO Justin Sun氏もBitfinexとテザー社の問題が解決されるまで報酬プログラムを延期することを明らかにした。
これは、米テザー社が発行するUSDTの裏付け資産を巡り、複数の見解が入り乱れていることで自体の把握ができずにいる問題で、4月30日には26%のテザー(USDT)は米ドルの裏付けが無いとする宣誓供述書の記述をテザー社の顧問弁護士が行なったことが明らかになるなど、状況は厳しいとの見方が広がっている。
現状では、新規に発行されたTron版USDTに関連するものから延期の発表が行われているが、仮想通貨関連のサービスを提供する企業が、顧客保護を優先としてUSDTの取り扱いを考え直す動きに繋がるかもしれない。
延期に関して
CoinFlipは、ビットコインをはじめとする仮想通貨をその場で売買(預入・引出し)が可能な仮想通貨ATMを米国内で180台以上設置している企業である。ATMの取り扱い銘柄としては、ビットコインやイーサリアム、ライトコインなど7銘柄に対応、Torn版USDTをUSDT通貨として初めて新規サポートすると発表していた。これは、対応銘柄にトロンが含まれていることからブロックチェーンの同期のしやすさが理由にあると見られている。
今回新規サポートの延期理由を、現在問題になってるテザー社と仮想通貨取引所Bitfinexに関するNY州当局長官の訴訟であると、同社の共同設立者兼CEOであるDaniel Polotsky氏は明確に答えており、事態の収束を見きわめる意向を示している。(Tron側には全く問題なし)
Polotsky氏は、以下のように述べている。
事態が落ち着くまで発売を延期する予定だ。Tether社とBitfinexが、商品を顧客に提供する前に、100%合法的に運営されていることを確かめたい。
今後、様々な話が出てきているBitfinexとテザー社の問題ではあるが、利用ユーザー保護を第一優先とする企業において、この『合法性』が焦点に当てられていることは間違いない。現仮想通貨市場の取引高の大きなシェアを担うUSDTへの対応方針に変化が見られるか、今後の市場を見る上でも重要な動きとなりそうだ。