はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

IEOの市場規模を約1000億円と算定、ネガティブな長期見通しも|BitMEX調査

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

IEOの長期的な見通し
世界最大級の取引所BitMEXリサーチは、ICOに代わる仮想通貨の新たな資金調達法として注目を集めるIEOに関して分析した。IEOに対する見方は、専門家の中でも意見が別れる。

注目を集める資金調達法、IEOのデータから見る長期的な見通し

2017年の仮想通貨相場の暴騰とともに、スタートアップ企業の新しい資金調達法として急成長したICO市場は、縮小の一途をたどっているようだ。大手仮想通貨取引所BitMEXの調査 によると、今年第1四半期(1月〜3月)の資金調達額は、前年比で約97%減少したという。

2018年の資金調達額トップ10のコインに限って見ても、1つのプロジェクトは資金を投資家に返却(Basis)、3つのプロジェクトではコインは上場せず(Telegram、Dfinity、 t0)、上場を果たしたEOSを含む残りの6つのプロジェクトでも投資に対するリターンの平均は-80%と、全く芳しくない状況になっている。

一方、今年1月、世界最大手の仮想通貨取引所BinanceのIEOプラットフォーム「ローンチパッド」上で行われたBitTorrentの『BTT』トークンセールが、販売開始後、14分で売り切れ、約7億6500万円の売り上げを上げたのを皮切りに、新たな資金調達手法として、IEO(Initial Exchange Offering)が市場の熱い注目を集めている。

IEOでは、大手仮想通貨取引所がプロジェクトの事前審査を行った上で、トークンの先行販売を行うため、投資家の懸念材料であった、プロジェクトに対する信頼性や、トークンのロックアップ期間、さらにトークンの取引所への上場の可否などの面で、投資家が負うリスクが大幅に軽減されると考えれられている。

一方で、大手取引所のブームに便乗した無名の取引所のIEOも盛んになるなど、詐欺などへの加担も懸念される現状にあることも否めない。

この数ヶ月に行われたIEOの一覧をビットメックスはまとめている。

出典:BitMEX

この一覧を見ると、ほとんどのIEOで、セール時の価格に対するリターンの高さが顕著に読み取れるが、トークンの取引開始直後のリターンを見ると、BTT以外のトークンは基本下回っておりあまり振るわないようだ。下のグラフはIEO発行時価格を基準にトークン価格を設定したもの。

出典:BitMEX

IEOによる2019年4月25日までの資金調達額は、3890万ドル(約42億4795万円)で、発行されたトークンの総量から、IEO市場の時価総額は、9億770万ドル(約991億2265万円)とビットメックスは算出している。なお、資金調達額、時価総額ともに、Binance、Huobi、Bittrexが上位3位を占めた。

これまでのIEOからの資金調達総額はまだ少ないものの、トークンセールでは平均4.4%の供給量しか販売されていないため、それぞれのプロジェクトチームが保持するトークンを販売した場合には、大きな利益を上げることができるだろうとBitMEX は、分析している。

しかし、BitMEXは、IEOを、「資金調達のためにICOの『C』を『E』に変えただけ」と揶揄しており、はっきりとした根拠は上げていないものの、長期投資の対象としては、その将来性にあまり「自信がない」と述べている。

IEOに対する専門家の意見

IEOに対する見方は、専門家の中でも意見が別れるようだ。

Zach Fallon氏、米SECでICO問題に取り組んだ証券を専門とする弁護士

「ICOの全てを受け継ぎ、さらに改悪したもの」

Nejc Kofric氏、取引所BitstampCEO

この分野に参入するのは、(規制が未熟なため)近視眼的。

Aaron Bron氏、ブルームバーグ論説員・投資家

取引所が行うデューデリジェンスは不明確で矛盾している

プロジェクトの根本的な価値を考慮することなく、トークンが取引できるかに焦点が当てられていることがその理由である。

一方、仮想通貨取引所Bittrexは、今年3月に予定されていたRAIDトークンの IEOを、プロジェクトを取り巻くビジネス状況が大幅に変わったことを理由に、直前にキャンセルするなど、投資家の信頼と利益を優先した例などもあり、IEOへの取り組みの姿勢は、それぞれの取引所とプロジェクトによるところが大きい。

バイナンスCEOのCZ氏は、ブロックチェーン活用のための資金調達は重要な分野であり、IEOを行う目的は、良いプロジェクトを支援し、業界全体の発展に寄与することであると4月に行われたブルームバーグのインタビューに答えている。さらに、IEO市場は「将来的にVC業界の何倍もの規模になるだろう」との見解を示した。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。
17:26
スイスFINMA規制のAMINA銀行、リップル社RLUSDを世界初サポート
スイス金融監督局(FINMA)規制下のAMINA銀行が、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の取扱いを開始。時価総額660億円超のRLUSDをサポートする世界初の銀行として、機関投資家向けに保管・取引サービスを提供。
16:14
米仮想通貨取引所コインベース、「LiquiFi」買収でトークン発行支援事業強化へ
米コインベースがトークン管理プラットフォーム「LiquiFi」を買収。トークン発行者を初期段階から支援するプラットフォームであり将来的に機関投資家向けサービスにも統合予定だ。
16:02
オルタナ信託設立とProgmat・ALTERNAの協業深化
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券特化の信託会社「オルタナ信託」を設立。Progmatと協業し、ST発行・管理基盤を導入。ST市場の効率化と拡大を目指す。
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧