はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SECがカナダのICO案件に罰金|国外プロジェクトも監視管轄圏内に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国証券取引委員会(SEC)、カナダのデジタル投資会社に約273万円の罰金
米国証券取引委員会(SEC)がカナダのデジタル資産投資会社NextBlock Global社の共同設立者兼取締役兼CEOに証券法違反で勧告し、2万5000ドル(約273万円)の罰金を課した。米国の規制当局が国外への監視も強化していく姿勢を見せる事例に。

米SECがカナダのICOに罰金、国外も監視管轄圏内か

米国証券取引委員会(SEC)は証券法違法行為を理由に、カナダのデジタル資産投資会社NextBlock Global社の共同設立者兼取締役兼CEOであるAlex Tapscott氏に2万5000ドル(約273万円)の罰金刑を課したほか、同社にさらなる証券侵害行為を犯さないよう通告した

これによりSECが国外の動きにも目を光らせ、必要とあれば法的措置を講じる構えであることが立証された。

未登録、虚偽による投資家誘致で摘発されたNextBlock Global

5月14日付けのSECの陳述書によると、NextBlock Global社はICOを通してSECに一切登録されていない証券を販売していたのみならず、同社自体が未登録業者であり、さらに投資家を勧誘する際自社について虚偽の表示をしていた。

同社は2017年6月、デジタル資産やブロックチェーン関連企業の投資会社として、『Blockchain Revolution』というブロックチェーン関連著書も出版しているTapscott氏とその他3名によって設立された。また投資家を誘致する目的で、ブロックチェーン業界の著名人4名(うち3名は米国人)がアドバイザーとして関与しているなど、偽りの情報を流していた。

こうした「誇大広告」が功を成し、転換社債の販売を通してカナダや米国などの100人以上の投資家から合計約2000万ドル(約21億 9081万円)の調達に成功した。同年8月にSECに提出されたフォームD(未公開企業に義務付けられている資金調達の報告書)によると、そのうち総額240万ドル(約2億 6289万円)相当の転換社債が米国の投資家に販売されていた。

同社はその後2回目の資金調達ラウンドを開始、トロント証券取引所上場への足掛かりとしてカナダの投資銀行2行をアドバイザーとして迎え入れた。

しかし11月にメディアの報道を通して同社の虚偽が発覚、2回目の資金調達ラウンドをキャンセルし、上場計画を取りやめた。Tapscott氏に罰金支払いが命じられたのは、当時資金調達を担当していたためである。

NextBlock社は自発的に事業解散および保有していたデジタル資産の清算に向け、法的手続きを進めると同時に、元本に利益を加えた額(2019年3月時点で約140%)を債券保有者に返還するプロセスを進めている。

またTapscott氏は200万ドル(約2億1908万円)相当の自社株の権利を自発的に放棄し、債券保有者への返還に当てていく。

米SEC、未登録ICOに対する直近の動き

SECは過去にも未登録のICOをめぐり民事罰を課すなど、取締りを強化している。 同委員会が初めてICOの民事罰を課したのは2018年11月のこと。「証券と見なされる可能性がある」という警告を無視してICOを実施した CarrierEQ 社(Airfox)とParagon Coin 社に各25万ドル(約2738万円)の罰金を科し、トークンを購入した投資家への補償を命じた。

また、SEC執行部の共同取締役であるSteven Peikin氏は当時のプレスリリースで、「ICOで証券を購入した投資家に返金を受ける機会を提供し、発行者にトークンをSECに登録させることで、ICOでトークンを発行し連邦証券法の遵守を模索する企業のモデルを明確にする」と述べていた。

さらに直近では今年2月、同委員会は「未登録ICO」としてセキュリティ企業Gladius Network社の調査を開始。このケースではICOが有価証券か否かという議論を経て初めて「未登録ICO」という表現をSECが使用した点、そして罰金の請求がなされなかった点が注目を集めた。

同社は2017年のICOで1270万ドル(約14億円)を調達していたが2018年夏に同社がSECの執行スタッフに自己報告を行い、迅速な是正措置を取ることに関心を示すなど調査に協力したことから罰金請求を免れている。

今回NextBlock Global社のケースからは国外のICOもSECの管轄範囲下であること、また法令順守に取り組む姿勢が重要視されることが明らかになっている。ICOに対する今後のSECのスタンスを示す例とも言えるだろう。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/19 金曜日
12:10
米上院、トランプ氏の仮想通貨推進派2名を承認 CFTC・FDIC新委員長が就任へ
米上院は12月18日、トランプ大統領が指名したマイケル・セリグ氏をCFTC委員長に、トラビス・ヒル氏をFDIC委員長に承認した。両氏は仮想通貨推進派として知られ、デジタル資産に対するより友好的な規制環境の実現が期待されている。
11:28
米仮想通貨市場構造法案、1月に上院審議へ ホワイトハウス当局者が確認
米ホワイトハウスの仮想通貨担当官が、仮想通貨市場構造法案(クラリティ法案)の1月上院審議入りを確認。業界と伝統的金融機関が最終協議を実施、超党派の協力が成立の鍵に。
11:09
「10月の歴史的暴落の後遺症続く」ラウル・パル、仮想通貨の下落圧力は市場操作ではないと分析
グローバルマクロ投資家のラウル・パルが、10月10日に発生した仮想通貨市場の歴史的暴落について詳細を分析。市場操作の指摘は的外れであり、トランプ関税ショックとバイナンスの深刻な技術障害が重なり、数兆円規模の強制決済をもたらした大規模ロスカットに繋がったという。
10:35
SOL保有企業フォワード・インダストリーズ、株式をトークン化
仮想通貨ソラナの財務企業フォワード・インダストリーズは、自社の株式がソラナブロックチェーン上でトークン化されたことを発表。トークン化株式はDeFiで利用できるとした。
10:05
仮想通貨保有企業株、MSCI除外で約2兆円売却圧力 来年1月に判断
MSCIが仮想通貨保有企業を指数から除外する提案を検討。実施されれば39社で最大150億ドル(約2.2兆円)の強制売却が発生する可能性。業界は1,268の署名を集め強く反発。2026年1月15日に最終判断。
10:02
イーサリアム財団、「ステート肥大化」のリスクを指摘 3つの対応策提案
イーサリアム財団が、ネットワークのステート増大が続くことによる中央集権化リスクなどを警告した。この課題に対する3つの対策を提案している。
09:35
NYSEの運営会社ICEが仮想通貨企業ムーンペイに出資交渉、評価額50億ドル目指す
ニューヨーク証券取引所を運営するICEが仮想通貨決済企業ムーンペイへの出資交渉を進めていることがブルームバーグの報道で明らかになった。
08:35
JPモルガン、ステーブルコイン市場の成長予測を維持も1兆ドル規模には否定的
JPモルガンのアナリストがステーブルコイン市場は2028年までに5000億ドルから6000億ドルに達すると予測し、1兆ドル規模の予測を否定的に評価した。成長は仮想通貨市場全体と連動すると見ている。
07:55
トークン化株式xStocks、TON Walletに対応
株式のトークン化プラットフォームxStocksは、TONブロックチェーンのTON Walletに対応したことを発表。ユーザーはテレグラムからトークン化した株式やETFにアクセスできる。
07:44
JPモルガンのJPMコイン、コインベースのベースチェーンに移行
JPモルガン・チェースがデジタル預金トークンJPMコインを独自の内部ブロックチェーンからコインベースの「ベース」に移行した。機関投資家の需要に応え、24時間365日のほぼ即時決済を可能にする。
06:40
ビボパワー、韓国ファンドに4.5億XRP相当のリップル株式を調達へ
ナスダック上場のビボパワーがデジタル資産部門を通じて韓国の資産運用会社リーン・ベンチャーズ向けに3億ドル相当のリップル・ラボ株式を調達する。
06:12
台湾政府が210BTCの押収ビットコインを保有、世界10位の政府保有者に
台湾の法務部が犯罪捜査で押収した210枚以上のビットコインを保有していることを明らかにした。戦略的備蓄の検討も進んでいる。
05:55
2026年までに米国で100超の仮想通貨ETF上場を予測、ビットワイズ
米資産運用会社ビットワイズが2026年までに100本以上の仮想通貨ETFが米国で上場すると予測した。SECの一般的な上場基準公表により規制が明確化され、発行障壁が低下したことが背景にある。
05:40
ビットワイズ、スイ現物ETFをSECに申請
仮想通貨運用会社ビットワイズがスイトークンを追跡する現物ETFの登録を米SECに申請した。コインベース・カストディが保管を担当し、キャナリー・キャピタルや21シェアーズも同様のETFを申請している。
12/18 木曜日
22:21
ステーブルコイン「$U」がBNBチェーンとイーサリアムで始動
ユナイテッド・ステーブルズが新ステーブルコイン「U」をBNBチェーンとイーサリアムでローンチ。USDC、USDT、USD1で1対1裏付け。PancakeSwap等の主要DeFiプロトコルと初日から統合、AI経済向けにEIP-3009とx402をサポート予定。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧