CoinPostで今最も読まれています

アマゾンがPoW暗号システムの技術特許を取得|ビットコイン類似の独自システム構築へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

AmazonがPoW暗号システムを構築する技術を開発
Amazonが、独自のプルー・オブ・ワーク(proof-of-work)暗号システムを構築する技術特許を取得した。ビットコインなどのブロックチェーンもPoWプロトコルを採用しており、セキュリティ攻撃への解決策として注目されている。

AmazonがPoW暗号システムを開発

大手テクノロジー企業であるAmazonが14日、プルー・オブ・ワーク(proof-of-work)暗号システムを構築する技術特許を取得した。米国特許商標庁(USPTO)による広報にて、明らかになった。

なお当システムは、ビットコインなどのPowプロトコルを採用しているブロックチェーンで利用されているシステムと、極めて類似している。

特許の広報内では、暗号理論や計算機科学においてデータを格納するハッシュ木が、いかにPow暗号システム上でも利用できるかなど、その優位性が概説されている。

PoWシステムにハッシュ木を採用

1979年に発明されたハッシュ木(Merkle Tree)は、膨大なデータの結果を格納する木構造の一種で、主にデータの検証を行う際に使用される。 ブロックチェーンの様なP2P(Peer-to-peer)ネットワーク上では、それぞれのブロックが破損したり改竄されたりしていないか、あるい偽のブロックが生成されていないかなどを検証する。

一方、プルー・オブ・ワーク(PoW)は、サービス利用者に「作業 (work) 」をするように依頼することによって、ネットワークを保護するためのアルゴリズムである。 一般的に、複雑な数学的パズルを解くためにコンピュータ処理能力を利用するような「作業」を含む場合が多い。例に、ビットコインのマイニング作業にはPoWアルゴリズムが使用されている。

Amazonによると今回の特許は、PoWアルゴリズムが、ハッシュ木を「作業」として依頼する仕組みであるという。このように簡略化されたシステムの概要が書かれている。

  • 第1の当事者(例えば、顧客のコンピュータシステム)がデータへのアクセスを要求する。
  • 第2の当事者(例えば、サービスプロバイダ)は、第1の当事者に依頼する「作業」を決定する。
  • そして、「課題」に対する有効な解決策が、第1の当事者から提供されるされれば、アクセスが承認される。

「作業」であるメッセージおよび、ハッシュ木のシードに対し、解決策を提出することで、利用者にワンタイム暗号キーが提供される。

今回の技術特許は、2018年11月13日に米国特許商標庁より公開された、Amazonの「署名委任」技術と強い結びつきがある。

この技術の実際の動作としては、利用者が暗号キーを要求すると、限られた条件に一致した場合に限り、ワンタイム暗号キーが付与されるという単純なシステムだ。 また、その過程において厳密な検証が行われ、どのキーが配布され使用されたかの記録がブロック内に保持されるという、ブロックチェーンシステムの特許である。

この厳格な検証の部分に、ハッシュ木を利用したPoW暗号システムを採用したのが、今回の特許の内容だ。

セキュリティ対策としてのPoWシステム

また、PoW暗号システムはサービス攻撃(DoS)攻撃や分散サービス攻撃(DDoS)などの、セキュリティ攻撃の防止にも役立つ可能性がある、とAmazonは述べている。

特許出願の際にAmazonによって説明されていた様に、セキュリティ攻撃が深刻化しており、例えば分散サービス妨害攻撃では、コンピュータシステムに過負荷をかけようとするために、無数の要求がコンピュータシステムに送信される。この様な攻撃はネットワーク上のコンピュータシステムに、重大な悪影響を及ぼす可能性がある。

今回のハッシュ木を利用した「作業」を提供し、有効な作業証明書を要求することによって、DOSまたはDDOS攻撃側は、自身のシステムのデータを開示する必要が生じるため、攻撃をしようとしている者がアクセスを要求する確率自体を劇的に減らすだろう。

Amazon、引き続きブロックチェーン分野を推進

ビットコインなどのブロックチェーンでも、同類のアルゴリズムが採用されている一方、今回の特許はブロックチェーンや仮想通貨について、直接言及してはいない。だが、Amazonがブロックチェーンの分野において、急速に発展を続けているのは確実である。

今月初め、同社のクラウドコンピューティング部門であるAmazon Web Services(AWS)は、企業向けのManaged Blockchainサービスを開始した。

当サービスは、現在はHyperledger Fabricというオープンソースのフレームワークを採用しているが、下半期からはEthereumネットワークのサポートも開始される。

また、仮想通貨のコールドウォレットや、仮想通貨が使えるガム販売機など、仮想通貨関連の製品を積極的に開発したり、Amazonは仮想通貨とさまざまな方法で関わっている。 この様な大手グローバル企業の積極的な動きは、多くの国内外企業の関心を集める。金融機関に限らず、ブロックチェーン技術の普及や成熟に影響を与えるだろう。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/27 水曜日
21:02
海外取引所XT.com、Yesgo(YESGO)上場へ
仮想通貨取引所XT.comは、ソーシャルメディアにNFTと金融要素を組み合わせたWeb3.0アプリ「Yesgo(YESGO)」について、取り扱いを開始したことを発表した。XT.comの「メインゾーン」にて、USDT建の通貨ペアの取引が開始されている。
17:32
ステーブルコインとマネーマーケットファンドの取り付け騒ぎとは?
米ニューヨーク連邦準備銀行はステーブルコインにおける資産逃避リスクに関するレポートを発表した。シリコンバレー銀行破綻の際の事例などを分析している。
14:35
米議員ら、SECゲンスラー委員長に現物ビットコインETFの承認を要請
米国の超党派議員らは米証券取引委員会ゲンスラー委員長に書簡を提出。現物ビットコインETFの上場をただちに承認するよう要請している。
13:30
ブラックロックなど大手運用会社、ビットコイン・マイニング投資が増加
世界の巨大資産運用会社であるブラックロック、バンガード、ステート・ストリートが、ビットコインマイニング市場での影響力を強めつつある。特にBlackRockは2020年から米マラソン・デジタル・ホールディングスへの投資を増加し続けている。
12:57
米パンテラキャピタル、Web3業界の報酬水準について調査結果を発表
米仮想通貨ファンド大手Pantera Capitalは、Web3業界の報酬調査結果を公表した。透明性を高めることで、新たな才能をエコシステムに呼び込み、イノベーションの促進を図るというのが、その動機だという。
12:25
SECがビットコインETFの審査判断を来年1月まで延期、BTC取引量は6年ぶり低水準
長期金利上昇や米政府機関の閉鎖リスクなど不確実性が高まり米株指数が続落する中、暗号資産(仮想通貨)市場では、Ark Investと21 Sharesが申請中のビットコインETF審査判断が2024年1月まで延期された。
11:05
Celestia、58万アドレスへのエアドロップで初期参加促す
モジュラー型ブロックチェーンCelestiaは、独自トークンTIAを配布する計画を明らかにした。エアドロップを通じてイーサリアムとコスモスエコシステムのアクティブユーザーの関与を促進するねらい。対象アドレスは約58万件に及ぶ。
09/26 火曜日
17:16
L2「Base」、取引数急増の背景とその重要性とは?
コインベース支援のL2「Base」がトランザクション数で競合のArbitrumとOptimismを上回った。新興のソーシャルファイ「Friend.Tech」の影響と、各プラットフォーム及びイーサリアム保有者にもたらす利点を探る。
15:17
テザー社、シンガポールにおけるUSDTの規約変更に関する噂を否定
テザー社のパオロ・アルドイノ氏は、シンガポールにおけるUSDTサービス停止に関する噂を否定した。利用規約は数年前に変更されたものだとしている。
13:21
Arbitrum、83億円相当のARBをDAOの財源へ
仮想通貨イーサリアムのL2アービトラムは、ARBのエアドロップ未申請分83億円相当をArbitrum DAOの財源に割り当てたことを発表。数量は6,944万ARBで、初期発行量の0.69%相当である。
13:14
JCBAがIEO制度改革案を公開、企業の資金調達推進へ
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、IEO制度の健全化を目指す自主規制改革の初期案を公開した。価格の安定性向上と制度の運用方法の改善を目指し、関係者のロックアップ制度の確立、流動性の確保、公募価格の算定方法の多様化、及び安定操作の整備が挙げられている。
12:54
米SEC、破綻したセルシウスの資産分配についてコインベースの役割に異議
米証券取引委員会は、破綻した仮想通貨融資企業セルシウスの資産分配について、コインベースが果たす役割に反対する文書を提出した。
10:06
Friend.techコード活用のソラナ「Friendzy」急拡大
「Friendzy」は、ソーシャルファイ分野で注目を集める分散型アプリ「friend.tech」の類似技術を利用しており、ソラナエコシステム内で活況を呈している。週間取引量は1.36億円に達し、市場を牽引するfriend.techの半分近くに迫る勢いだ。
08:30
HTX(旧Huobi)、ETH12億円相当が不正流出
仮想通貨取引所HTX(旧Huobi)のアドバイザーであるジャスティン・サン氏は、HTXからイーサリアム12億円相当が不正流出したと発表。ユーザーの資産は安全であると説明している。
09/25 月曜日
21:35
5000BTC以上ビットコイン買い増し、米マイクロストラテジー
米マイクロストラテジーは新たに1.47億ドルのコストで5,445 BTCの仮想通貨ビットコインを取得した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧