- V20、財務省副財務官が登壇
- 財務省副財務官三村氏がV20サミットに登壇。これまでの日本の規制への取り組みや、課題点などを述べた。さらに、我が国の今後の規制方針についても示された。
V20、財務省副財務官が登壇
G20と並行開催されたVirtual Asset Service Provider(VASP)が主体のサミット「V20」にて、日本の財務省 副財務官 三村 淳氏が登壇。これまでの日本の規制への取り組みや、課題点などについてスピーチを行なった。
三村氏は、前回のG20より仮想通貨規制に関する各国の法整備が進む中で、日本は規制に対して基準の策定に邁進し、取り組んできた振り返った。法整備を進めてきた中で見えた課題として、(暗号資産のような)新技術の価値を最大限に高めつつ、この技術から派生するリスクをどのように最小限に抑えるのか、といったイノベーションとレギュレーションのバランスがあるとした。
現在、各規制当局は前述した点に留意しつつ、スムーズなイノベーションの促進に向けて、資金洗浄対策及びテロ資金供与対策を図っているとのことだ。
また、そうした法整備を拡充するために、公的機関だけではなく、民間企業からの意見も十分に傾聴したい考えを示した。官民一体の規制策定を推し進めていくことの重要性を強調している。
これまで日本の自主規制案に関しても一般から意見を公募するパブリックコメントの募集が進んでいる。実際にどのようなコメントが集まっているかは明かされていないが、ビジネスサイドの意見も尊重していく方針に、過度な規制にならないための配慮が伺える状況にある。
人工知能の活用
また、資金洗浄などのリスクを防ぐための民間協力要請に限らず、人工知能といった新技術の活用も視野に入れるべきだとの考えを示した。
構想としては、中央サーバーで全ての取引記録を管理するといったものも構想としてはあるという。
ただ全取引の監視を目的に中央サーバーを用い、中央集権的に管理を試みた場合、それぞれの企業や公的機関が異なったシステム管理を行っている状況が、それら機能を世界的にすり合わせるといった難しさが、障壁の一つとなると考えている。
また、このようなシステムを構築するにも、人材の不足やコスト面の問題もあり、民間企業からの支援・協力を要請した場合も、システム障害や問題の発生に対する責任の所在や民間側の意向など課題は多くあるという。
これら課題が複合的に絡み合っていることから、この構想をもとにした規制及び監視方法の改善が思い通りに進まない現状があり、イノベーションを阻害せずに策定する規制の中で、仮想通貨の不正利用監視を行う複数の課題を語った。
日本の規制当局としては、来年までにこうした資金洗浄やテロ資金供与のリスクに関し、徹底的に集中して取り組む意向があるという。