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「日本は特別な地域」NEM財団が語るネムのエコシステム|財団代表などに単独インタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NEM財団へインタビュー
コインポスト編集部はNEM財団の代表Tinsman氏と評議員のMcDonald氏へ取材。ローンチ控えるカタパルトの注目ポイントやネム財団が日本市場へ注力する理由などを伺った。

NEM財団へインタビュー

コインポスト編集部はNEM財団の代表であるAlex Tinsman氏と評議員のJeff McDonald氏への取材を行い、注目集まるネムのアップデート情報や今後の展望について伺った。

ネムにとって、今年の目玉はなんといっても「カタパルト」だろう。カタパルトがローンチされることにより、取引速度の高速化などが見込まれているが、特に注目すべき点はどこなのだろうか。

NEM財団のTinsman氏は以下のように語る。

Tinsman氏

カタパルトは、ブロックチェーンの利用を目指していても、技術などの面で断念していた企業への道を切り開くものです。

開発者の視点でいえば、ブロックチェーン技術を利用しようと考えた場合に、導入が非常に簡単でスケーリングも容易になる点が挙げられます。これは、ビジネス側としても好ましいものだと思います。

カタパルトには興味深い特徴がいくつもありますが、中でも特徴的なことは、企業が複雑な作業を必要とせずに、プラグインやAPIを利用することでシームレスな開発が可能となることです。

より安全で、コストも削減され効率的な管理を必要とするならば、カタパルトを利用しない手はないと思います。

最終的に企業は、ブロックチェーンを利用するためにブロックチェーンを利用するのではなく(手段の目的化ではなく)、コストの削減やデータなどのマネジメントの効率化などを目的にブロックチェーンを利用するようになります。

常に変化し続ける市場において、(カタパルトのローンチによりネムは)より競争力のあるものとなるでしょう。

このようにカタパルトのローンチにより、ネムを利用したシステム開発がより容易になる点を強調し、これにより「ビジネスサイドと開発サイド」その両面において、様々な享受がもたらされるだろうと語った。

さらに両氏は、カタパルトが導入された場合に想定される主なユースケースにも言及し、業務の効率化を目的とした利用やセキュリティトークンの発行などがそれに当たるだろうとした。

存在感増すプライベートチェーン

現在、多くの企業がブロックチェーン技術の導入を試みる事例が見られるが、その多くがNEMやイーサリアムのようなパブリックチェーンではなく、プライベートチェーンを利用する傾向にある。

こうしたプライベートチェーンという競合が台頭する中、パブリックチェーンの一つであるNEMの立ち位置はどこになるのだろうか。

Tinsman氏

将来的にはパブリックチェーンとプライベートチェーンのハイブリットになると考えていて、どちらか一つが生き残るというのではなく、両者のコンビネーションが重要になると思います。

よって、パブリックチェーンが無くなることはないですし、両者が互いに共存し続けると思います。

続けて、McDonald氏は以下のように話す。

McDonald氏

ビットコインを例に挙げると、ビットコインは大変にパブリックなチェーンですが、どのようにスケーリングするのかというと、ビットコインはライトニングネットワークを利用して、スケーリングを行っています。

ライトニングネットワークはセカンドレイヤーのソリューションですが、このように、スケーリングを行うためにセカンドレイヤーで対策を行い、一部対処をウォレットのプロバイダーに任せるといった手法が解決策の一つです。

あるいは、もう一つの方法としてハイブリッドチェーンの形で、異なったスケーリング方法でパブリックチェーンを利用するといったものも存在します。

これらソリューションには長所も短所も存在し、ライトニングネットワークを利用することが大幅なスケーリングを行う最善の方法であると感じます。

ただ一方でデータの取り扱いについて、プライバシー面などで懸念を示す人が一定数存在することも事実で、彼らにとって、データがすべて透明化されることは問題です。

つまり、データの公開範囲を定めるという意味では、パブリックチェーンとプライベートチェーンをかけ合わせた「ハイブリットチェーン」というものが良い選択肢であると考えます。

上述したように、パブリックチェーンとプライベートチェーンを併用させるという一例を引き合いに、ネムなどのパブリックチェーンがその他チェーンと共存可能であるとの見解を示した。

セキュリティと規制

2018年の一月にコインチェックでNEMが盗難された事件が話題となったが、それから一年以上たった今もハッキング被害は散見される。ネムのセキュリティ面で、どのような対処を講じているのだろうか。

McDonald氏

多くのパブリックチェーンが存在しますが、ネム・プラットフォームのレベルに達するセキュリティを備えた、その他ブロックチェーン・プラットフォームを見つけることは容易ではないと思います。

ネムの安全性は向上しており、スケーラビリティも向上しています。

現在、ネムには1000以上に及ぶトークンやマルチシグ、ネームドメインが存在しますが、ネムはスマートコントラクトの問題や、バグなどのプロトコルレベルでの問題が原因で資金が流出した事例は一度もありません。

また同氏は、ネム自体の脆弱性により、一円たりとも資金が流出した事例はないとも語り、そのプラットフォームの安全性の高さに自信を見せた。

議論進む規制問題

FATFやV20などが開催され、各国の規制当局などがマネーロンダリングなどの対策を講じるため議論されているが、ネムとして、そうした動きにどう対処するのかについても尋ねた。

McDonald氏

FATFが主に懸念している点は資金洗浄とテロ資金供与です。それら対応策として彼らはこれまで銀行側への規制を中心に進めてきました。

よって、FATFはブロックチェーンに関して非常に無関心で、プロトコルレベルでは、彼らは何ら関心がありません。

FATFは主に取引所間の資金移動を監視しているため、ネムとしてはFATFのガイダンスやその他規制に沿うために、プロトコルレベルで何か行わなければならないとったことは特にありません。

ただ仮に、取引所側がFATFの要求するコンプライアンスを満たすために、何らかの機能が必要だと言われれば、それに対してはしっかりと議論を行う姿勢です。

より普及させるためにも、ネムはそうした問題に対処可能な非常に柔軟なプロトコルを備えています。

NEMと日本

現在、日本企業がネムに対してどのような働きかけを行なっているのか、その企業名は明かさなかったものの、医療関係の企業やゲーム関連企業、大学、スポーツ関連企業、金融系企業など、多岐に渡る企業と話が進んでいることを教えてくれた。

続けて同氏は「日本企業とのパートナーシップ締結に関して、カタパルトのローンチを予定するQ4以降にお知らせできると思う」と話し、新たな企業とのパートナーシップ締結を示唆した。

日本のネムコミュニティ

彼らの話によれば、ネムにとって日本は特別な地域なのだという。

Tinsman氏

私は、日本のネムコミュニティが一番好きです。エンゲージメントも高く、知識も豊富です。

日本は常にテクノロジーやイノベーションの向上に努めており、多くの素晴らしいプロダクトが日本から生まれています。

McDonald氏

日本のコミュニティは投機的なものでもなく、詐欺集団のようなものとは全く異なっています。

日本の仮想通貨コミュニティも全体的にそうですが、特にネムは優良で、日本のネムコミュニティはネムのエコシステムなど、そのファンダメンタル面を評価してくれています。

特に日本のコミュニティは、何らかのアップデートを行う際の技術テストに積極的に参加して頂いており、彼らは非常に正直な意見を出してくれています。

何か問題点があれば、すぐに我々のもとに意見を運んでくれますし、我々は、それら問題の解決にあたります。それは私が非常に気に入っている点です。

Tinsman氏

実際にレポジトリーのコードを確認すれば、かなり多くのコントリビューションが日本のコミュニティにより行われていることが確認できます。

それらは言語の壁を越え、機能しているものの鮮明化や、必要な機能の追加など、素晴らしいアイデアを具現化しています。

このように日本の多くの才能ある開発者が競争力に富み、エコシステムの向上に寄与してくれています。これが理由の一つとなり、ネム財団は日本へ注力しています。

撮影:CoinPost

一方で、日本コミュニティの課題にも言及。

Tinsman氏

ただ日本のコミュニティは単独で行動しがちですので、イノベーションを加速させるためにも、そのイノベーションを世界に波及させる必要性を感じています。

そのため今は日本市場の戦略担当の設置も模索しており、PR目的ではなく、日本で生まれたプロダクトや活用事例のスケールアップを進めたいと考えております。

最後に、ネムと日本コミュニティの今後についても述べた。

Tinsman氏

ネム財団として、日本で取り組んだことの一つは、言語の障壁を取り除くといったことです。

例えばコミュニティと有意義な議論を行うために通訳を入れたり、多くのコンテンツのローカライズも行いました。

こうしたことを通じて、より多くの声を日本のコミュニティから拾い上げることに心血を注いでいます。

それほど我々は日本のコミュニティを重要視してるのです。そうした意味でも、これからも、より多くの日本のコミュニティと積極的にかかわっていきたいと思います。

このように日本市場の重要性を語ると共に、ネム財団がこれからも日本市場へ力点を置く姿勢を明らかとした。

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