ビットコインは、2009年1月3日に最初のブロックが生成されて以来、世界初の暗号資産(仮想通貨)としての地位を確立。その基盤となるブロックチェーン技術は、「サトシ・ナカモト」と名乗る人物または組織によって2008年10月31日に公開されたホワイトペーパーに基づいている。
ビットコインは、秘密鍵と公開鍵の暗号技術を用いて安全に取引を管理し、「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」によって取引の正当性を確認する仕組みで維持されている。PoWでは、取引の検証を行うマイナーが複雑な計算問題を解決し、新しいブロックを生成する。この過程で得られる報酬として、新しいビットコインがマイナーに分配される。
価格
- 現在価格(2025年7月28日): 119,000ドル(約1,760万円)
- 年初来高値(2025年7月14日):122,050ドル(約1,800万円)
- 年初来騰落率(YTD):+27.06%
- 過去最高値(2025年7月14日):122,050ドル(約1,800万円)
価格予測
米資産運用会社BitwiseのMatt Hougan CIO 2024年内に10万ドル(約1,610万円)|24年7月
米ヘッジファンド大手のARK Investment 2030年までに最大240万ドル到達(約3億5500万円)|25年4月
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏 2025年内に25万ドル到達(約3,700万円)|25年5月
スタンダードチャータード銀 2025年後半に20万ドル到達(約2,960万円)|25年7月
時価総額|関連銘柄
ビットコイン(BTC)の時価総額は2025年7月28日時点で約2.37兆ドル、暗号資産市場でトップ。第2位のイーサリアム(ETH)の時価総額は約4,693億ドル。
リップル(XRP)の約 1,856億ドルが続く。
主な出来事
- 17年8月:ハードフォークによりビットコインキャッシュ(BCH)誕生
- 21年6月:エルサルバドルで世界初の法定通貨として採用する法案が可決
- 21年10月:米SECがビットコイン(BTC)の先物ETFを承認
- 24年1月:米SECがビットコイン(BTC)の現物ETF 11銘柄を承認
- 24年4月:4回目の半減期
- 25年1月:トランプ大統領、仮想通貨の戦略的国家準備金に関する大統領令に署名
- 25年7月:「GENIUS法」署名、ステーブルコイン規制がビットコイン市場の信頼性を強化
- 25年7月:米国約20州で「戦略的ビットコイン準備金」法案が提出
エコシステム支援組織
ビットコインには、イーサリアム財団やソラナ財団のような初期発行量を配分されるエコシステム固有の非営利団体は存在しない。ビットコインの開発・運営は、オープンソースコミュニティによって主に行われており、誰でも参加できる。主要な開発企業としては、ライトニングネットワークを開発するライトニングラボや、ウォレットやエクスプローラーを提供するBlockstreamが知られるが、これらもあくまで一部の貢献者である。
マイニング機器のトップシェアを占める企業としてはBitmain(ビットメイン)があり、ジャック・ドーシー率いるデジタル決済企業ブロック(旧Square)は、ビットコイン採掘産業の分散化を目指して高性能チップを開発している。
ビットコインを購入/採掘/保持している主な組織
Bitcoin Treasuriesによると、2025年8月時点に、上場企業163社が96万BTCを保有。最大手は米ストラテジー社(MSTR)の62.8万BTC。日本のメタプラネットは17.6k BTCで、上場企業の中では世界7位に位置する。
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その他、エルサルバドルや米国の行政機関でも、金(ゴールド)のように価値の保存手段としてBTCを組み入れる構想が世界各地で進んでいる。
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ビットコインの将来性
2024年のETF(上場投資信託)承認を契機に、ビットコインは投機的なリスク資産から“準・安全資産”へと認識が変化。米国では国家レベルの「戦略的備蓄」が制度化され、ETF経由の機関資金も継続的に流入している。今後の将来性を占ううえで、以下の動向が重要な指標となる。
注目①:制度整備と投資インフラの進展
日本では2025年現在、仮想通貨に対する分離課税(20%)やETF承認に向けた制度改革が進行中。税制の明確化と上場金融商品の拡充により、長期保有層や機関投資家の参入が現実味を帯びてきた。海外ではブラックロックを筆頭に、ビットコインを正式にポートフォリオへ組み込む動きが広がりつつある。
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注目②:国家・企業による戦略的なビットコイン活用
米国では、トランプ政権の方針により連邦政府や州政府がビットコインを準備資産として制度的に保有。公的セクターにおける導入が加速している。一方、日本ではメタプラネットをはじめとする上場企業が、購買力の維持やインフレ対策の一環として、現物ビットコインを財務資産へ組み入れている。
注目③:決済用途としての実用化進展
ビットコインの将来性において、現実社会での採用拡大も注目される。ブロック(旧Square)はライトニングネットワークを活用したリアルタイム決済を推進しており、2025年の米カンファレンスでは店舗での即時支払いが実演された。この機能は2025年後半から開始され、2026年までに決済サービス「Square」加盟店全体へ本格展開される計画である。ホワイトペーパーの理念に基づく「使えるビットコイン」としての進化が期待される。