概要
イーサリアム(ETH)は、2013年にVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏によって発案された仮想通貨。イーサリアムブロックチェーンのネイティブ通貨で、ブロック検証を行うノードに対する報酬や取引手数料(ガス代)の支払いなどに利用される。ローンチ時点では、発行上限枚数は設定されていない。
特徴
イーサリアムの1番の特徴は、基盤のブロックチェーンを活用して分散型アプリケーション(dApps)を構築できることだ。自動的に契約を執行する「スマートコントラクト」という機能を最も早く導入したブロックチェーンとしても知られ、ERC20などと呼ばれる規格で独自のトークンを発行できることも大きな特徴である。
ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムは、ローンチ時はPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用。その後は当初から、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)へ移行することが計画されており、2021年中に以降予定。
PoWは取引を承認してブロックを生成するのに膨大な計算が必要で、高性能なコンピューターが必要だったり、大量に電力を消費するなどのデメリットがある。しかし、PoSに移行すると消費電力を大きく削減できる見込みであるため、大きな注目を集めてきた。
イーサリアムは、dAppsを構築ができるブロックチェーンとしていち早くローンチされたため、DEX(分散型取引所)などのDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)の領域で多くのユーザーを獲得。各プロジェクトの開発者だけでなく、各国政府や大手金融機関も機能に注目している。
国や企業も採用
2020年には中国の国家ブロックチェーンインフラプロジェクト「BSN」が、統合するブロックチェーンの1つにイーサリアムを採用。さらに2021年6月には、イスラエル銀行(中央銀行)が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行するテストで、イーサリアムのブロックチェーンを使用したことも報じられた。
また、大手企業の活用事例では、オランダを拠点にする大手銀行ING Bankが、デジタル資産に関するテストで、イーサリアムブロックチェーンを使ってトークン発行したことがある。
イーサリアムはブロックチェーンの機能の高さやユースケースの多さ、将来的なアップグレードへの期待などの要因で、非常に人気が高い。