はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨 ファクトム(FACTOM)とは?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

通貨コード Factoid(FCT)
プロジェクト名 FACTOM
取引開始日 2015年9月1日
承認アルゴリズム Proof of Existense
発行上限 発行上限は設定されていません。
現在の流通量 8,753,219FCT(記事作成時2017年7月)
ブロック生成サイクル ビットコインのブロックチェーンに依存する
ブロックチェーンURL https://explorer.factom.org/
あらゆる電子データ(FACT事実)を記録することができる
中国での土地管理システム、米国での住宅ローン管理に利用

概要

FACTOMはビットコインのブロックチェーン技術を応用して作られたビットコイン2.0通貨のうちの一つです。

ブロックチェーンが改ざん不可能であることに注目して、あらゆる電子データ(FACT事実)を分散し、記録、追跡、管理できるために作られたデータ管理プラットフォームである。

歴史

2015年4月からサービスが開始されたファクトムですが、ビットコインのブロックチェーンを利用したビットコイン2.0のプロトコルとして通貨が発行されました。

ファクトムのサービスを利用するには、セキュリティの面からFACTOMの支払いに使われるFACTOID「FCT」(ファクトムプロジェクトで使われる仮想通貨)が必要になるのですが、このFactoidのクラウドセール(ICOと同じ先行販売)がサービス開始と同時に4月から5月にかけて行われました。

ファクトムのテクノロジーはとても水準が高いもので、世界中誰でも使える仕様になっていますが、現状は専門知識があるエンジニアレベルでないと難しい内容になっています。今後プロジェクトが企業や国から一般の人への普及が考えられた時の需要にも注目が集まりそうです。

また最近では、中国にあるコンサルティング大手の「iSoftStone」と連携し、中国における権利の管理、監査をテクノロジーに置き換えるスマートシティ計画に参加することが発表されました。

ファクトムの技術を利用して広大な土地を有する中国で、頻繁に土地の所有者が変わる現状をしっかり記録した上で、監査できる機能に期待しての参加になります。

また、米国住宅ローン市場のデータ管理において、Factom(ファクトム)のブロックチェーン技術採用が決定し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と協力し住宅ローン市場の管理計画を開始しています。

今後、このように法人や国からの注目が集まっているのもファクトムの強みといえるでしょう。

ファクトムの特徴

  1. データの改ざんができないブロックチェーンを利用し、「貸付記録」、「証券」、「保険」、「医療」などあらゆる書面や記録を分散して管理、追跡、監査できる。
  2. データを遡って記録を証明できるため、あらゆる方面での応用が可能。
  3. 分散管理することにより、データ紛失や盗難のセキュリティが集権管理型の本来の保存方法に比べて格段にあがる。

事実の証明と管理

企業や国にとって、文書や記録を保存して管理をするのは今までかなりコストがかかり、集権型による消滅や盗難のリスクが隣り合わせのものでした。しかし、それらの企業や機関で文書等を保管することは必要不可欠なもので、そこにコストをかなりの割合で割いている企業も少なくありません。

従来契約というものは、契約書などの記録が実際に存在していることを証明する必要があります。また契約を担保するために当事者ではなく、信頼性の高い第三者機関に記録を管理してもらうこともあります。それによる管理コストの上昇がネックとなります。

これに対しファクトムは、2つの意味で第三者機関を不要とします。情報をブロックチェーン上に記録することで、記録されたデータは技術的に改ざんが困難となります。

改ざんできないブロックチェーン上の記録はそれ自体が存在の証明となるため、記録の存在をその都度証明するための第三者機関を必要としません。ブロックチェーン上にあるデータをいつでも参照すれば済むのです。また記録管理についても、ブロックチェーン上の記録は改ざん不可能であるためセキュリティコストを大幅に削減でき、従来よりも低コストで管理できます。

ビットコインレイヤー

ファクトムは、ビットコインのブロックチェーンを用いて機能拡張を行う「レイヤー(層)」に構築されています。本来ビットコイン自体は、暗号通貨としての機能がメインであり、拡張性に欠ける部分がありました。しかし、ブロックチェーン外で行われた処理(オフチェイン)をブロックチェーンに記録することで、実質的にブロックチェーンの機能を拡張する「レイヤー」という概念が登場しました。

ビットコインブロックチェーンはマイナーの数も非常に多く、攻撃に対する耐久性が強いというメリットがあります。ファクトムはビットコインブロックチェーン上に構築されていることで、セキュリティ面での恩恵を受けているのです。

ビットコインから派生してるコインなので、ビットコインのブロックチェーンをそのまま利用すると考えてる方もいらっしゃると思いますが、ビットコインのブロックチェーン自体を利用すると大量のデータを保管するためのスピードや、マイナーに支払いしなければならないコストなど機能面でファクトムを有効に活用できなくなります。

これを利用することによるメリットを一言で言うと、Factomを使うことで、大量の書類やデータの記録を、素早く安く、ビットコインのブロックチェーンに負担をかけずに行うことができることです。その意味で、Factomはブロックチェーン技術の通貨以外への応用の現実性を大きく引き上げます。さらにファクトムが記録する書類やデータはHASHだけですので、セキュリティの面でも大きな強みと言えます。

提携した企業や国の機関、また今後の展望

ウォール街の金融データプロバイダー企業であるIntrinioなどと提携をしているほか、土地権利の登記システム構築でホンジュラス政府など国との提携も行なっていますが、経済大国の土地権利に関してのスマートシティでの活躍が今後大きな注目点になることは間違いありません。

記録管理に関する手続きを大幅に効率化する可能性を秘めており、事実、企業監査、医療カルテ、サプライチェーン、選挙システム、資産登記、法的申請など、様々な形での応用が考えられています。いずれにしても改ざん不可能な情報記録・管理がもたらすメリットは非常に大きく、ファクトムが今後、情報記録・管理の面で多くの企業や国から注目されることは間違いないと思われます。

価格の推移ですが、リップルなどと同じく、ファクトム自体が使われることによる需要に伴い、価格が上がるように設定されています。国や企業にメリットがあることを考えると、この技術が注目された時の価格上昇が楽しみな通貨の一つです。

取引所

日本の取引所として扱っているのは、Coincheckがメインになります。あくまでも販売所としての立ち位置ですが、ファクトムを気軽に購入できる点としても大変優れていると思います。

この他に日本人が登録して使える取引所で、PoloniexBittrexでの取り扱いもありますので、英語でも問題ないという方はこちらでの取引をおすすめしています。

これらの取引所での英語での取引方法も日本語の解説で作成していますので、合わせてご参考になさってください。

ウォレット

Factomは現状日本語が対応しているわかりやすいウォレットがまだありません。

こちらが公式のウォレットになりますが、英語で作り方がわかりづらいので、追ってわかりやすいウォレットの作り方を掲載いたします。

マイニング

ファクトムではマイニングというものがありません。データの管理や記録を正確にこなすサーバーに、報酬としてファクトム独自の仮想通貨factoidが与えられる仕組みになっています。

マイニングの監視がない場合でもサーバーが管理をしてくれることによって、記録を改ざんするなどの不正な行為はすぐに発見され、ユーザーの投票により悪意のあるサーバーは排除されます。

まとめ

ファクトムはブロックチェーン技術を使って今後も土地の権利がはっきりしない国をはじめとする大きな企業、国で採用されて行く可能性がある通貨です。これからさらに多くの採用の動きに注目してニュースに注視することが、今後の投資情報としても大きく飛躍できるきっかけになりえると思います。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
17:00
ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説
HYPEトークンの買い方から注目理由まで完全解説。手数料収益による自動買い戻し、機関投資家参入、ステーキング機能など、急成長するDEX「Hyperliquid(ハイリキ)」の魅力を詳しく紹介します。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年12月最新】
2025年12月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年12月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
07:00
JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧