- 元米先物相取引委員会(以下、CFTC)会長が重要発言
- 仮想通貨ETHやXRPに対し、「その特性上、有価証券として区分される可能性」を問題視、さらにXRPについては「規則に準拠しない有価証券の可能性もある」と指摘しています。
- 有価証券となった場合、SEC未認可の米取引所では取引不可に
- 取引所が有価証券の取り扱いが出来るようになるためには、SECに認可登録を受ける必要があり、現時点でアメリカ国内では認可を受けた仮想通貨取引所は存在しません。
元CFTC会長が重要発言
Gary Gensler氏(以下、Gary氏)は、2009年のオバマ政権から、2014年民主党政権が終わるまで、米商品先物取引委員会(以下、CFTC)の会長を務めた人物です。
米商品先物取引委員会(CFTC)とは
米国内の先物取引市場の動向を常時監視し、市場参加者の保護や市場の健全性が保たれるよう、不正防止や摘発を行う権限を持つ独立機関のこと。
彼は現在、MITにて仮想通貨やブロックチェーン関連の教育事業に携わっています。
米国内金融商品の法規制に携わってきた彼の動向は、常に注目を集めているのです。
そんなGary氏は、2018年4月22日、Newyorktimes内で今後の米国仮想通貨業界を動かす発言をしました。
ETHやXRPは有価証券なのか
彼はそのスピーチにて、ビットコインは依然として有価証券としての特徴を持っておらず、規制から免れることができていると前置きをしたうえで、現在時価総額2位、3位につける二つの通貨について発言しました。
「ETHやXRPの場合は、大きく事情が異なります。特にXRPは、規則に準拠していない有価証券の可能性も考えられます。」
これまでも米国証券取引委員会(以下、SEC)は、仮想通貨に関して、それが有価証券であるかどうか、そして規制の対象に入るかどうか議論を繰り返してきました。
そして2018年3月8日、SECがICOなどで発行される仮想通貨について、有価証券に含まれるものが多数存在すると認め、規制枠組みを作っていくことを発表しました。
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発言に対する反論
このような状況にある一方で、イーサリアムとリップルの両陣営は、Gary氏の指摘に反論しています。
イーサリアム財団Executive Directorの宮口礼子氏は、以下のように述べました。
「我々はETH供給を制限したり新規発行したりすることは出来ません、また財団が保有するETHの割合はエコシステム全体の1%未満です。」
リップル社のスポークスマンであるTom Channick 氏もニューヨーク・タイムズの取材に対し、以下のようにコメントしています。
「リップル社の株式保有者や出資者にXRPを与えている訳ではなく、彼らに配当金を支払うこともありません。
XRPはリップル社の外に存在しています。XRPはリップル社が設立する前に誕生し、リップル社はXRPが生まれた後に設立されました」
こうした反論が寄せられた背景には、現行の米金融商品取引法でこれらが有価証券として認められた場合、投資家が利用しているアメリカの取引所では、対象通貨の取り扱いができなくなるという問題が存在しています。
取引所が有価証券の取り扱いを出来るようにするためには、SECに認可登録を受けていなくてはならないのです。
そして、現時点でアメリカ国内では認可を受けた仮想通貨取引所は存在しません。
議論の結末が悪い方に転んだ場合、通貨の取引が困難になり、価値が下がってしまう可能性も考えられるのです。
2018年は規制がより活発に
こうした流れの中で、Gary氏は2018年は政府による規制がより強まる年になると考えています。
彼は、以下のように述べています。
「2018年は、非常に興味深い年になるでしょう。
現時点でおよそ1000以上のICOが発行されており、100以上の取引所がそれを提供しています。
彼らはアメリカの証券法にどのように従うのか、考えをまとめる必要があるでしょう。」