- Liquidプラットフォームローンチ日発表
- 8月24日、QUOINE社よりLiquidプラットフォームが来月9月4日メンテナンス終了次第ローンチされる事が発表された。以前、QUOINE社がICOを行った際に発行されたQASHトークンが同プラットフォームで使用される事から、QASHホルダーにとってはようやく待ち望んだローンチと言える。
- Liquidプラットフォームの魅力に迫る
- 同プラットフォームは流動性の課題を解決する為に開発されたとのことだが、どのように流動性の課題を解決していくのか。LIQUIDプラットフォームの説明を当記事で行っている。
待望のLiquidプラットフォームのローンチ日が発表
8月24日、QUOINE社よりLiquidプラットフォームが、来月9月4日のシステムメンテナンス終了後にローンチされる事が発表されました。
同プラットフォームのローンチにあたり、QUOINEXはLIQUIDに移行。現在QUOINEXに預けている資産、口座情報、IDとパスワードは自動的にLIQUIDに引き継がれるとの事。新機能として、当記事でも紹介しているマルチ・マーケット・オーダーの他、保有する仮想通貨を有償で貸し付けるレンディングサービス(予定)や、QASHユーティリティ(予定)などの追加も紹介されている。
同プラットフォームでは以前同社がICOを行い、発行した仮想通貨トークンQASHが利用できる事から、今回のローンチは待ち望んでいたQASHホルダーにとっては朗報だと言えるでしょう。
先日開催されたメディア向け交流会では、QUOINE社のCEO栢森氏は「Liquidプラットフォームで流動性を提供し、顧客の仮想通貨取引をサポートしていきたい」と語っておりました。
仮想通貨の流動性の改善に向けた取り組みは、高ボラティリティと批判されやすい仮想通貨業界の改善の糸口となる事が期待されます。
では具体的に流動性の改善はどのようにして達成されるのか、Liquidプラットフォームの魅力に迫ります。
流動性が低いと何が問題なのか?
取引所において流動性が低いと売買が成立しない事や、価格変動が大きくなる傾向があり、特に大口の注文が入ると一気に価格が上がったり、下がったりして投資家の機会損失にも繋がります。小口投資家においても流動性が低いと買いたい値段、売りたい値段で取引ができなくなります。ビットコインの取引においては、ボラティリティが高いという指摘がされる事がありますが、一つの要因として流動性が挙げられ、流動性の向上はボラティリティの問題を解決する一つのカギとなっております。Liquidプラットフォームの魅力
Liquidプラットフォームは、世界中の取引所の注文、流動性を集約する取引プラットフォーム(ワールドブック)と、これに付帯する一連のサービス(プライム・ブローカレッジ)で構成されております。
Liquidプラットフォームの目玉機能は「マルチマーケットオーダーブック(MMO)」であり、以前ワールドブックβ版が始動した際の公式メールでMMOについて、
MMOは、我々が参照する様々な取引所における注文と価格を集約するワールドブックの一部分を構成します。 最終的に、MMOは世界中のトレーダーが自身の基軸通貨をベースに同じオーダーブックを見ることを可能にするエンジンになります。
MMOのデモ映像
以前行われたMMOのデモンストレーションにおいて、MMO起動前では、ビットコインと日本円取引(BTC/JPY)のスプレッドが、約300円。ビットコインとシンガポールドル取引(BTC/SGD)のスプレッドが約2500円となっており、そのスプレッドの差は約10倍近くになっておりますしたが、MMOを起動させると….
37シンガポールドルだったスプレッドが→5シンガポールドル(約550円)に変化。
アンドレ氏はとMMOについて説明しており、動画のデモ映像を見る事でより理解を得る事ができるでしょう。
Liquidを支える三つのエンジン
さらに、ワールドブックやLiquidプラットフォームを支える3つのエンジンとして「①マッチング・エンジン(ME)」、「②クロスカレンシー換算エンジン(CCCE)」、「③スマート・オーダー・ルーティング(SOR)」があります。
1:マッチング・エンジン
マッチング・エンジン(ME)は、QUOINE社の数十年に及ぶ金融工学のノウハウを統合し、一から構築した、「秒間数百万件の取引」を処理可能な、業界最先端のマッチング・エンジンです。
MEは、多くの市場(クリプト・トークンの通貨ペア)をサポートし、かつ、主要な注文タイプをそのままサポートできるよう、きわめてスケーラブルな設計となっており、強力な注文管理システムも備えています。
これらすべての機能が、障害発生時の回復力と合わせて、ワールドブックのMEをマーケット最高水準のものとしています。
2:クロスカレンシー換算エンジン
クロスカレンシー換算エンジン技術は、自動的な通貨換算を可能にし、異なる通貨建ての取引をタイムラグなく行う事を可能にします。
現状の仮想通貨取引の課題として、異なる通貨建ての取引例えば一方がSGD、他方はUSD(アメリカドル)でビットコイン(BTC)取引を行う場合、マッチングを完了する為にはSGD/USDの為替換算を取引に加えなければなりませんが、クロスカレンシー換算エンジンによって、取引成立時点で自動的に為替レートが反映され、自動的に処理されます。また、その注文板における注文も為替レートを自動的に反映、絶えず調整、処理されます。
更に同エンジン技術の優れている点は、この為替レートの自動換算は法定通貨のみならず仮想通貨にも応用ができ、例えば通貨換算にETH/BTCを使う事により、ETH/SGDとBTC/SGD間の注文、レートの自動換算処理も可能にします。
さらには法定通貨の為替にも応用ができ、ETH/EURおよびBTC/SGDの通貨ペアなど異なる通貨ペア間でも取引を成立させることも可能となります(下図参照)。
3:スマート・オーダー・ルーティング
スマート・オーダー・ルーティング技術は、世界中の取引所の注文板に注文があった場合、その注文がLiquidプラットフォームのワールドブック上に反映されます。ワールドブック上に注文を入れ、内部取引所でのマッチングが見つからない場合でも、外部の取引所の注文板にマッチした注文が見つかった場合は、その取引所の通貨建てで自動的に注文を転送する事ができます。
つまり、ワールドブックを利用する事で世界中の注文板がシェアされるような形となり流動性を飛躍的に高め、顧客の要望する注文の売買成立確率を更に高める事ができる事になります。
今後の展開
Liquidプラットフォームだけでも非常に魅力的なプロダクトに映りますが、QUOINE社の描くロードマップを見ると、Liquidプラットフォームのローンチはまだ通過点にしか過ぎないと言えるでしょう。
QASHの発行、Liquidプラットフォーム、これら様々なQUOINE社の展開が今後数年に渡って有機的に結びついて、ユーザーに非常に魅力的なサービスが展開される事が期待できます。
仮想通貨業界は非常に短期的な高騰とブームを経験しましたが、発展のための開発には時間が必要であり、しっかり同社の展開を長い目で見守る必要があると言えます。
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