- SECの法執行で仮想通貨の価値は損なわれない
- 米弁護士Stephen Palley氏は、Bloombergのインタビューに対し、SECは従来法に則ってICO2件について法執行を行ったのみであり、仮想通貨の価値が否定された訳ではなく、今回の暴落に対する因果関係はないと語った。
SECの法執行で、仮想通貨の価値は損なわれない
先週金曜日、米国証券取引委員会(SEC)が2つのICOトークンに対して「未登録証券になる」と発表したのち、ビットコインキャッシュのハッシュ戦争などの影響を受けたBitcoin(BTC)が70万円台から前週比30%安の大暴落を記録し、年初来安値を更新した。
しかし、アメリカ在住の有識弁護士Stephen Palley氏(以下Palley氏)は、Bloombergのインタビューに対して、仮想通貨の価値が損なわれた訳ではないと見解を述べた。
同氏は、米ワシントンのAnderson Kill法律事務所でパートナーを務める弁護士であり、仮想通貨に好意的な有識者として知られる存在だ。
仮想通貨に従来法が適用されない訳ではない
今月初頭の未登録証券取引所EtherDeltaへの法執行に続き、あらゆる有識者が、今回のSECによる法執行に関する”隠されたメッセージ”を読み取り、仮想通貨の今後を占おうとしている。
例えば、先にご紹介した別の米国弁護士 は、この法執行によってSECの「ガイダンス段階」が終わりを告げ、クリーンな業界に向かうステージへと移ったと見ている。
ただし、「Bloomberg Markets: What’d You Miss?」に出演したPalley氏によれば、SECが法執行に予告メッセージを潜り込ませる筈もなく、判決文も至って常識的なものでネガティブな要素はないのだという。
いくら仮想通貨が革新的な技術だからと言って、既存の法律が適用されないという訳ではない。
Palley氏によれば、SECによるDAOの報告書を鑑みると、SECはブロックチェーン以前の立場から物を話しており、今回槍玉にあがったAirfoxとParagonも従来法に照らし合わせると、有価証券の違法な販売にあたるとされる。
上手く法の目を掻い潜って資金調達を行おうとするスタートアップ企業がいるとするならば、それは遺書を書いているようなものだとPalley氏は語った。
SECの法執行と今回の大幅下落に因果関係はない
市場の下落は起きたものの、今回のSECによる法執行が、仮想通貨の価値自体を傷つけた訳ではない。
Palley氏は、今回の大幅下落とSECの法執行には本質的な関連性や因果関係はないと考えているようだ。
市場全体で凡そ40億ドル(約4,500億円)もの切り捨てが行われたものの、
「私ならBitcoinやEthereumを切り捨てはしないだろう」
とPalley氏は話した。
販売に裏付けられた電子通貨ではなく、社会を変えるほどの技術であることにも変わりはない。
長期投資の観点からすれば、Bitcoinは見放すような対象ではないと同氏は語った。