オントロジーについて
オントロジーは2017年、米VCなどから約4,000万ドル規模の資金調達を実施、事業拡大を推進してきた。2019年9月には、日本国内に上場するgumiの連結子会社「gumi Cryptos」とも戦略的パートナーシップを結んでいる。
コンセプトに「信用」の再定義(Trust Redefined)を掲げ、高性能なパブリックブロックチェーンを持つ分散型協業プラットフォームとして、世界中で注目されるプロジェクトである。
主にユーザー間の「信用」を相互に保証し、信用に関するさまざまな課題を解決するためのサービス、またはサービスを開発するためのツールを提供している。
信用は、人間の組織と社会的協力における鍵となる要素であり、歴史を通して、信用は技術、法律、コミュニティ を通じて構築された社会・経済的パートナーシップの中核的要件となっている。
- 技術による信用
- 法制度による信用
- コミュニティによる信用
例えば、中央集権者あるいはプラットフォーマーによる個人データの掌握や、本人の同意を得ないデータ利用といった課題に対し、ONT IDでは、自分のデータを手元のスマートフォンなどで一元管理することができる。ONT IDを使用することで、利用者はIDとデータのプライバシーとセキュリティを完全に保護し、IDとデータをコントロールできる。
オントロジーの創設者であるLI Jun氏は以前、大手メディアのインタビューで、途上国などで本人確認書類の獲得が容易でない国々において、「デジタル認証(身元認証)」の需要の高さにも言及していた。
また、オントロジーは、独自のコンセンサスアルゴリズム「VBFT(Verifiable-random-function delegated Byzantine Fault Tolerace)」を採用したブロックチェーンを開発している。
ブロックチェーンは一般的に、ネットワーク参加者を限定した方が承認時間が削減されるため、トランザクションの処理速度を高めることができる。一方で、参加者を限定するプライベートチェーンは、中央集権的になるデメリットも存在する。
オントロジーは、独自のコンセンサスアルゴリズムを導入することで、オープンなパブリックブロックチェーンであると同時に、ビットコインなどと比べて高い性能を確保している。
オントロジーのロードマップ
オントロジーは、情報を積極的かつオープンに発信しており、ロードマップは2つの方法で整理されている。
まず、ロードマップは技術的な話が中心となる「チェーンネットワーク」と、エコシステム・コミュニティに関する目標など「信用エコシステム」の2つに分けられている。
このように分けた理由についてオントロジーは、ブロックチェーン(技術)は信用の問題を解決するが、これだけでは利用者のニーズを満たすことはできず、様々な分散型トラストサービス、それを開発してもらうためのツールが必要だと考えたからだとしている。
もう1つの方法では、2018(ソクラテス)、2019(プラトン)というように、オントロジーのロードマップは、年ごとに古代の哲学者の名前を冠しており、年ごとに目標が設定されている。
2018年(ソクラテス)では、同種チェーンネットワークについての開発が行われた。この年の6月にメインネットのローンチが行われ、VBFTなど、中心的な技術が実装された。
2019年(プラトン)には、異種チェーンネットワークの開発が中心となって行われた。具体的にはクロスチェーンテストネットと、シャーディングテストネットのローンチが行われた。
▶️過去のロードマップ
そして、2020年(アリストテレス)では以下の技術開発が行われる予定だ。
- クロスチェーン
- VM(仮想マシン)
- オラクル
- ONT ID 2.0、およびDDXF 2.0
- 匿名取引
- ONTFS(オントロジーファイルストレージ)
- オンチェーン投票
- レイヤー2
リレーヤーチェーンを含め、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、オントロジー(ONT)間のクロスチェーンを実現。
マルチVMおよびWasm-JITを含め、2020年3月12日にはWasm-JITをリリース。
ブロックチェーンに外部からの情報を取り組む機能。例えばBTC、ETHなどの取引所での価格情報がある。
ONT IDではユーザーは自分で様々な個人情報を一元的に管理することができる。また、DDXFは分散型データ取引所のためのサービス開発フレームワーク。
分散化されたストレージ・共有システムで様々なデータの使用用途を想定
ブロックチェーン上(オンチェーン)での投票システム
オントロジーは、日本市場に向けた日本語にローカライズしたマーケティングも積極的に行っており、世界各地の大学でワークショップを行ってきた。今後、日本語での詳しい解説を行っていくとしている。
2020年のエコシステムの目標は、「世界をリードするトラスト・コラボレーションプラットフォーム」となることだ。
オントロジーの創設者LI Jun氏は、2020年の計画について自ら発信している。
公式情報
・情報
ブロックチェーンエクスプローラー:Blockchain Explorer
日本版公式ツイッター:https://twitter.com/OntologyJP
公式サイト:https://ont.io/
ソース:日本語版ホワイトペーパー
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