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イーサリアム創設者、PlanB提唱のビットコインS2Fモデルの有効性を疑問視

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

S2Fモデルを疑問視

イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリックが、PlanBなどがビットコイン価格の指数関数的高騰を裏付ける希少性を提唱するストック・フローモデル(S2F)によるビットコイン価格の高騰を否定した。ビットコイン半減期に伴う希少性が価格の上昇の裏付けになっているかは明らかではないと指摘し、ストック・フローモデル(S2F)は個人的に支持していないとの見解を示している。

関連「半減期と仮想通貨ビットコインの高騰」なぜ一緒に語られる? ストック・フロー比率から算出する理論価格を用いて解説

ストック・フロー比率(S2F)

ストック・フロー比率(S2F)は、貴金属(金や銀)などの希少性と価値を測るモデルとして利用されるもの。ほとんどの商品は、生産量が急増することで市場流通量が急増し、価格が暴落する。一方、金などの一部の希少性が高い商品は、市場に存在する量に対して年間の生産可能量が小さく、供給過多によって価格が暴落することがない。

PlanBのストック・フロー比率(S2F)

同氏が、2009年12月から2019年2月のビットコイン相場データをもとに計算した、月々のBTCのS2FとBTCの時価総額をプロットしたところ、一定の規則性を発見。S2Fと時価総額の両方について対数をとり線形回帰を行うと、S2Fと時価総額の間に統計的に有意な結果が確認された。

S2Fモデルを用いるPlanBは、2020年の半減期後のBTC理論価格が2024年までに(4回目の半減期)、1BTCあたり288,000ドル(約3000万円)に到達すると見ている。

このモデルを支持するユーザーが多い一方で、懐疑的態度を持つ著名インフルエンサーも多くいる。例えば5月にツイッターから撤退したBitfinex上の大口トレーダーJoe007はその一人だ。

そして今回、イーサリアムの共同創設者として知られるヴィタリックもこの価格予想モデルに対して疑問視する見解を示した。

ヴィタリックによると、「半減期がビットコインの上昇要因となる」という理論自体は、むしろ「反証可能性のない理論」で、S2Fモデルは科学的な検証ができないと指摘する。

疑問点

S2Fモデルの科学的根拠に懸念を示したヴィタリックが、このように疑問点をあげた。

  • 半減期上げとは、半減期が実行するまでに一度天井(ピーク)に達していたか (期待上げか、需給変化か)
  • 仮にそうであれば、半減期への期待で相場が高値になる。この場合は、S2Fモデルは有効になる。
  • しかし、このように天井を打つ相場はビットコイン過去の相場にも数回あり、どれが「本物の期待上げ」か判別できない
  • 半減期前か、その後かも立証できない

ヴィタリックは一例として、ビットコインが最高値=約2万ドルをつけた2017年12月が、2016の半減期と2020の半減期のおよそ中間地帯にあることを指摘し、それが2016年半減期後の発行数低下による希少価値の価格上げなのか、それとも2020年半減期に対する期待上げなの、見分けることができないとしている。

こうした上で、ヴィタリックはS2Fモデルの有効性に同意しないと指摘、「価格の高騰が半減期と一貫性のないことだけでは、S2Fモデルの有効性を十分に証明できない」とコメントした。

PlanBの反論

ヴィタリックのコメントをうけ、PlanBは価格の天井について、あくまでビットコインや金、銀など発行数が限られている有限資産がさらに希少性をあげることで、その他の無限資産に比べ、より価値を高めることができる原理があると返答した。

特に2017年FOMOなどによって発生していた急騰のような値動きとは関係性が薄く、主に平均的な価値の上昇推移を示している、と説明した。

PlanBは今月2日、S2Fモデルが4年ぶりに強気サインを示す「赤信号」が点灯したことを説明している。

3月にはPlanBは、2020年の半減期後のS2Fモデルは、2012年と2016年の半減期同様の結果になることを指摘していた。(下図が3月時点)

2020年3月5日時点

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