DeFi銘柄がけん引
暗号資産(仮想通貨)ファンドを運営する大手Pantera Capitalは年初来のパフォーマンスが好調となっている。投資家への文書によると、特にICOファンドでは+323%のリターンを示した。
長期ICOファンドは+270%、デジタルアセットファンドは+168%、ビットコインファンドも+61%となっており、好調なパフォーマンスを支えたのが仮想通貨市場全体の上昇および中小規模銘柄の優れたパフォーマンスだという。特にICOファンドで投資するDeFi(分散型金融)関連の銘柄は好調となった。
DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)はブロックチェーン上で構築された金融サービスを指し、集権的な管理者がいない分散型取引所(DEX)や、指定される仮想通貨を担保にして他の仮想通貨を貸し借り可能なサービスなど、既存の金融サービスに代わるものをDeFi上で実現する様々な試みが行われている。
Pantera Capitalは、DeFiのTVL(預けられた資産額)がまだ小規模だった数年前よりDeFi関連の銘柄への投資を行ってきた。
注目すべき例として具体的に挙げられたのはYFIとLUNAになる。YFIはいわゆるイールドファーミングを効率よく行えるサービスであり、これまでの市場価格の推移から容易に想像できるものの、価格は取引が開始してから特に高騰しているとのことだ。
LUNAは分散型ステーブルコインあるいは仮想通貨決済企業として韓国などで知名度を持つTerraのトークンになる。投資家宛ての文書の中では、その他にもPolkadot(DOT)やFlexa(AMP)などのトークンの名がICOファンドのポジションの中で挙げられた。
また、ICOファンドでは新たに4つの投資を行ったとしており、そのうち2つはInjectiveとAcalaであることも明かされている。
Acalaは分散型ステーブルコインプラットフォームで、Pantera Capitalも投資を行っているPolkadot上に構築されている。また、Injectiveは証拠金取引やデリバティブなどをサポートするDeFiプロトコルであり、デリバティブ取引所BitMEXの分散型バージョンを目指すとしている。