3月の仮想通貨動向
時価総額TOP20の騰落率
時価総額上位銘柄の週間騰落率は以下の通り。(6日時点:ステーブルコイン除く)
- テラ(LUNA)+8.91%
- コスモス(ATOM)+5.15%
- バイナンスコイン(BNB)+4.02%
- ビットコイン(BTC)+1.88%
- リップル(XRP)+0.55%
関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化
ビットコインのオンチェーン・データ
ビットコイン(BTC)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。
難易度調整
ビットコイン・ネットワークは4日、-1.49%のマイナス調整で難易度調整を完了した。2022年に入り、初のマイナス調整となった。
難易度調整とは
過去2016ブロックで実現したブロック生成時間を基準として、算出されるハッシュレートの推定値から次回2016ブロックの生成時間10分になるように調整する仕組み。平均で2週間に1回難易度が変更される。
▶️仮想通貨用語集
取引所預入残高の低下続く
仮想通貨分析サイトSantimentはビットコインの取引所預入残高が引き続き低下していると指摘。過去26週間の内、21週間は取引所のBTC残高は出金が続いていると分析した。
📊 #Bitcoin continues to see coins moving off of exchanges while prices are near a 6-month bottom. Interestingly, 21 of the past 26 weeks saw $BTC moving more off of exchanges than on to exchanges. Look for major outflow spikes as price rise indicators. https://t.co/Jl0GZqfBlF pic.twitter.com/6Btqp4F7Vl
— Santiment (@santimentfeed) March 7, 2022
特に、直近30日間ではビットコインとともにテザー(USDT)の取引所預入残高が急激に減少傾向にある。
📉 The respective supplies of both #Bitcoin and #Tether have fallen the past 30 days. For $BTC, this has been the norm for a while. For $USDT, though, this fall began at the start of February. It's something to watch as a signal for a push back above $45k. https://t.co/3e0EP1hI6F pic.twitter.com/4YJrd2Mam6
— Santiment (@santimentfeed) March 4, 2022
長期保有
オンチェーンアナリストのOn-Chain College氏はビットコイン供給量の75.8%が最低6ヶ月間は移動していないと指摘。長期目線の強気な保有者が約1440万BTCを保有していると分析した。
75.8% of the #Bitcoin supply has not moved in at least 6 months.
— On-Chain College (@OnChainCollege) March 7, 2022
Supply Last Active:
🟣 6 months – 2 years: 31.3%
🔵 2 years – 7 years: 25%
🟢 7 years+: 19.5%
That's just under 14.4 million BTC that are in the wallets of strong hands… pic.twitter.com/ELYePs752x
一方、0.1BTCから1BTCを保有する仮想通貨アドレス群の保有総量は、過去最大の78万BTCに到達した。過去1ヶ月間では、46万円〜460万円(4000ドル〜40,000ドル)相当のビットコインを保有するアドレス群が急速に成長している。
All-time high – The aggregate balance held by addresses with 0.1 to 1 $BTC reached a record of over 780,000 Bitcoin.
— IntoTheBlock (@intotheblock) March 4, 2022
The group holding between $4,000 to $40,000 roughly worth of #Bitcoin was the fastest grower over the past month
Chart: https://t.co/kGlQpvSj57 pic.twitter.com/7o5jiGlzk6
投資家センチメント
また、オンチェーンアナリストのPhilip Swift氏はビットコインの恐怖指数(Fear&Greed Index)が再び「極度の恐怖(総悲観)」領域に入ったと指摘した。
We are back down in extreme fear again folks.
— Philip Swift (@PositiveCrypto) March 5, 2022
Live chart: https://t.co/Jr5151zN7I pic.twitter.com/GV6mS2agFn
恐怖指数とは
正式名称は「Fear & Greed Index」(恐怖と強欲の指標)。ビットコインおよび仮想通貨投資家のセンチメントを可視化したもので、過度な恐怖はビットコインが過小評価、過度な強欲はBTC価格が本質的価値を上回っている状況にあることを表す。
ボラティリティやモメンタム、取引量およびSNSのセンチメント分析、ドミナンス(市場占有率)やGoogleトレンドなどを基に算出される。
▶️仮想通貨用語集
クジラの急増ではない?
ブロックチェーン分析サイトGlassnodeの共同設立者であるRafael Schultze-Kraft氏は、先週確認された1,000BTCを保有するアドレスの急増はラップドビットコイン(WBTC)のカストディウォレットによる資産移動だったことが判明したと説明。クジラ(大口投資家)の買い増しではなかったと訂正した。
The uptick in addresses holding more than 1,000 BTC is a result of the WBTC custodian moving reserves into a bunch of newly created addresses.
— Rafael Schultze-Kraft (@n3ocortex) March 1, 2022
Not "whale accumulation".#Bitcoin pic.twitter.com/dTil8wtIwU
一方で、100BTCから10,000BTCを保有するアドレス群の保有総量は2月6日以降、14,000BTC増加。これらの大口投資家は総額916万BTCを保有しているという。
#Bitcoin whales remain on the sidelines!
— Ali Martinez (@ali_charts) March 6, 2022
Addresses with 100 to 10,000 $BTC have kept their holdings at an average of 9.16 million BTC while addresses with 0.1 to 1 #BTC have acquired more than 14,000 BTC since Feb. 6th. pic.twitter.com/uq0CBbbB4H
機関投資家、ビットコインに着目
一方で、Glassnodeの共同設立者であるNegentropic氏はグレースケール社のビットコイン投資信託(GBTC)は機関投資家からの需要が高まっていると指摘。同商品は約30%のディスカウント(マイナスの価格乖離)が続いているが、個人投資家の貯金、収入などは総じて低下中であるため、機関投資家の参入を指していると考察した。
米投資大手ARK Investment社は550億円相当のGBTCを保有しているほか、モルガンスタンレーは430億円分を保有。世界的な金融財閥のRothschild Investmentも8億円相当の資金をGBTCに投資している。
1/ Institutions are accumulating #Bitcoin with a 30% discount on $GBTC.
— 𝗡𝗲𝗴𝗲𝗻𝘁𝗿𝗼𝗽𝗶𝗰 (@Negentropic_) March 4, 2022
Read more here 👇https://t.co/lsscTq9Llj pic.twitter.com/0m4q7UkK2E
関連: 米Rothschild Investment、ビットコイン・イーサリアム投資信託の保有量増やす
カナダのビットコインETF需要
このような傾向は米国のみならず、カナダでも確認されている。
カナダのビットコイン現物ETFは過去3日間で2,409BTC分の資金流入を記録。21年11月以降、ETFの運用額は41%増加しているという。
The Canadian 🇨🇦 #Bitcoin Spot ETF is a really interesting story to follow.
— On-Chain College (@OnChainCollege) March 4, 2022
The amount of BTC that it holds has increased by 41% since the end of November.
The ETF added 2,409 BTC over the last 3 days.
One can only imagine what the demand would look like with a US Spot ETF… pic.twitter.com/uTVajqCG3n
ウクライナの仮想通貨寄付
仮想通貨分析サイトCryptoQuantは5日、ウクライナ政府への仮想通貨寄付に関する指標を公開。8万人以上の寄付者から総額3600万ドル(41億円)の仮想通貨を受け取ったことが確認されている。
@Ukraine government raised $36.1M worth of cryptocurrencies from 86,648 donators so far.
— CryptoQuant.com (@cryptoquant_com) March 4, 2022
Source👇https://t.co/j1Ch03nNL5 pic.twitter.com/FFVo360cy4
ウクライナ政府はビットコイン、イーサリアムのほか、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)、ダイ(DAI)などを受け付けている。
先週末にはウクライナ政府がこれらの寄付を活用して軍需品を購入する方針をデジタル変革省のAlex Bornyakov副大臣が明らかにした。
関連:ウクライナ政府、17億円分の仮想通貨寄付金で軍需品を調達
イーサリアムのオンチェーン・データ
イーサリアム(ETH)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。
ETH2.0 ステーキング額
ステーキング額:979万ETH(前週比+18万ETH)
関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み
新規ETHアドレス
オンチェーンアナリストのAli Martinez氏はイーサリアムの新規アドレス発行数が21年11月以降、減少傾向が続いていると指摘。ETH価格にとっては厳しい状況だと述べ、この数値が急増すれば強気シナリオが期待できると考察した。
#Ethereum | The number of new $ETH addresses being created on the network continues trending downwards, which is not a good sign for its price action.
— Ali Martinez (@ali_charts) March 3, 2022
I'd like to see a spike in this on-chain metric to support the bullish narrative around #ETH. pic.twitter.com/uozwJukMqg
バーン数
イーサリアムネットワークの週間バーン(焼却)量は前週比で+32,783ETH増加。通算の累計バーン量は195万ETHに達している。
DeFi(分散型金融)
DeFiプラットフォームのTVLは6日時点で1,924億ドル(22.1兆円)だった。
TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。
クリプト指標
日程 | 指標 |
---|---|
3/8 |
Celo(CELO)エスプレッソ・ハードフォークを実施へ |
3/8 |
Kava(KAVA)Kava 10のリリースを発表へ |
前回の週次レポートはこちら:ビットコイン保有アドレス数は過去最高更新、急落相場も一部クジラは買い増し継続
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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人