はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

M2EゲームSTEPN、ゲーム内経済の改善プランを公開 第3チェーン展開を見据え

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

STEPNアクションプラン

「Move to Earn」分散型ゲームアプリSTEPN(ステップン)運営は8日、ゲーム内経済(エコシステム)が直面している課題解決に向けて、4つのアクションプランを発表した。

「第1レルム」のソラナ(SOL)、「第2レルム」のBNBチェーン(BSC)経済圏に次ぐ、第3,第4のチェーン構想を控える中、プロジェクトが抱えている4つの問題点を共有。コミュニティからのフィードバックを募っていた。

22年4月のアシックスコラボを発端に生まれた「第2レルム」BNBチェーン(BSC)展開では、やがてコントロール不能のバブルの様相を呈し、中国ユーザーの全面規制発表を機に靴やGST売りが殺到して暴落するなどエコシステムは激動を経験した。チームは反省点が多く相応の犠牲を払ったと認めつつ、今後のためのアクションプランを用意した。

これに先駆け6月3日には、コミュニティ対応や発信を専門とする「PR/マーケティングチーム」を発足している。

関連:STEPN、コミュニティ対応で専門の「PR/マーケティングチーム」を発足

8日のリリースによると、募集したフィードバックフォームに対し、わずか5日間で1500通もの意見・要望が寄せられたという。チームはコミュニティの熱意に感謝を示すと共に、多くの意見がアクションプランの方針に組み込まれたことを強調している。

今回導入されるアップデートは、STEPNにとって経済システムを調整するためのルール作りに他ならない。それゆえ、ドラスティックに変更するものは除外され、危険なシナリオの発生リスクを緩和するための施策や、ユーザーエクスペリエンスを損なわないレベルの施策が優先的に選択されている。

その実装はプロジェクトの持続可能性のバランスを損なわないよう段階的に行われ、微調整も加えられる。

関連:STEPN、コミュニティ対応で専門の「PR/マーケティングチーム」を発足

STEPNの改善策

アクションプランで最初に示されたSTEPNの改善策は、「レルム間のエナジー共有」に上限を設けること。

STEPNにおける「レルム(領域)」という概念は、ゲームユーザーをホストするサーバー、及びブロックチェーンを指す。レルム間でユーザーがブリッジ(移行)できる資産(GMTやエナジー)とできない資産(GST)があるが、STEPNの第1レルム(ソラナ)と第2レルム(BNBチェーン)とで相場が異なるために、ゲームバランスに歪みが生じていた。

一部のユーザーからは、ブリッジ機能の停止を求める声もあったが、STEPNとしては忠実なユーザーの過去の貢献を反故にしないために毎月の上限を設ける形を採用したとしている。こうすることで、まもなく公表予定の第3レルムへの既存ユーザーの過剰な資産移動が抑制され、健全な市場形成につながるだろう。

なお、エナジー(Energy)というのはデジタルスニーカーにとってのバッテリーのようなステータスのこと。1分毎に消費され、エナジーがゼロになると運動しても報酬(GST)を獲得できなくなる。

エナジーはプレイ時間外に徐々に回復するため保有するエナジー数は収益率に直接影響する。初期段階ではスニーカー1足につきエナジーを2個保有でき、スニーカーをたくさん保有したり、高品質なスニーカーを持つことで保有エナジー枠を増やせる。

STEPNが次に挙げた改善策は、「運動しないユーザーのミント&セル活動」の抑制を目的としている。STEPNにはユーザーが所有する2足のスニーカーを掛け合わせて「子」を作成する「シューミント(SME)」という機能があり、これに特化したユーザーを抑制する施策が導入される。

SMEには回数上限やクールダウン時間など複数の制約があるが、BSC側では短期間で大きな利益が出るとして靴の価格がSOL側の5〜10倍近くまで過熱したことでバブルの様相を呈して市場バランスを崩したとの指摘がある。

この対策として、STEPNは実際にアプリを利用するプレイヤーが時々拾える宝箱「ミステリーボックス」から、「ミントスクロール」が出現するように変更する。ミントスクロールはまもなく実装予定の新機能で、前述したシューミントに必要なアイテムとなる。

また、ミント後のクールダウンタイムを48時間から72時間に増やすとともに、ミンティングコストを上げることで、新しいスニーカーが市場に投下されるペースを抑制する。

関連:STEPNの「GMT(Green Metaverse Token)」とは|主な特徴と注目ポイントを解説

3つ目のチェーン展開に向けて

3つ目の改善は、ミント時に消費するコストが動的に変動する「ダイナミック・ミントコスト」の微調整だ。特に第2レルムである(BNB)では、GST価格が12ドルを超えて急上昇した段階でミントコストと利益のバランスが崩れ、第1レルム(ソラナ)よりも極端に早いペースでコストを回収できるような状況が生じた。

今後はGST価格にかかわらずミントに必要なGST量は一定となり、上乗せされるGMTの部分のみが動的に変動するようになる。これにより、アプリケーションの持続性を高めることができるという。

最後の施策は「スニーカーのリサイクル・メカニズム」のバージョンアップ。保有しているスニーカーを合成してバージョンアップできるようになる。具体的には、同じ品質のスニーカーを5足合成して、1つ上の品質のスニーカーを作成できる。STEPNによると、このアイデアはあまりにも大勢のユーザーから熱烈な要望を集めたため実装に踏み切ったという。

関連:STEPNへのDDOS攻撃受け、チームがメンテナンス完了を報告

また、合成により誕生したスニーカーには「短い文章を刻み込み、永久不変のまま残る」といったアイデアも組み込まれ、ユーザー主導の未知なる発展性に期待する社会実験的な要素も付加されている。

全体として、STEPNプロジェクトが提案するアップデートにより、ゲームを実際にプレイした人が報われ、スニーカーの作成ペースがより安定するようになることを目指す設計だ。新たなレルムが追加された場面においても、ネイティブトークン「GST」や「GMT」の相場がより安定し、STEPN全体のゲーム経済がポジティブなループに切り替わることが期待されている。

STEPNは、技術的な観点から参入障壁を最適化し、優れた顧客体験を維持するためにゲーム・プロセスを極力シンプルにすることを心がけている。そのためボット問題を解決するための価格変更時の手数料や、GST価格に応じたアプリ内のプラットフォーム手数料の導入など、優れた提案でありながら見送ったアイデアもあり、今後の経過を見ながら随時再評価していく方針だ。

関連:暗号資産を歩いて稼ぐ、フィットネス系NFTゲーム「STEPN」とは

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/20 木曜日
20:00
Aptosのエコシステム責任者が語るエコシステム戦略|独占インタビュー
Aptosのグローバルリーダーが語る、エコシステムの成長戦略と日本市場への本格参入。DeFi、AI、クリエイターエコノミーなど注目分野や、10億ユーザー規模を見据えた技術開発について聞いた。
16:51
NVIDIA決算好調、米株上昇と仮想通貨相場回復の連鎖起点に
11月19日NVIDIA決算発表後、Nasdaq総合指数0.6%高。マイニング企業株(IREN10%高など)がAIシフト恩恵で買われ、BTCは89,000ドル安値から91,000ドル回復。専門家は電力供給の重要性を指摘、関連投資機会を分析した。
16:44
米民主党議員がトランプ一族関与のワールドリバティに調査要請 国家安全保障への懸念示す
エリザベス・ウォーレン上院議員らが、トランプ大統領一族が関与するDeFiプロジェクト「ワールドリバティ・フィナンシャル」に対する調査を要請した。北朝鮮・ロシア関連団体へのガバナンストークン販売が国家安全保障リスクになると指摘し、利益相反の懸念も表明した。
16:00
米大手取引所クラーケン、SECにIPO申請を提出 評価額3.1兆円
米仮想通貨取引所クラーケンが米SECにIPO申請を提出。評価額は200億ドル(約3.1兆円)で、2026年第1四半期の上場を目指す。トランプ政権の友好姿勢を背景に、仮想通貨企業の上場ラッシュが続く。
14:09
ビットワイズのXRP ETFが米国で上場へ カナリーに次ぐ2つ目の現物型商品
ビットワイズのXRP現物ETFがNYSEに上場へ。欧州GXRPに続く2本目のXRP商品で、米国では初提供。XRPCの初日取引高90億円超など、アルトETF市場が急拡大している。
12:35
ビットコイン9万ドル回復、エヌビディア好決算で投資家心理改善 マイナー売り圧に変化の兆しも
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+3.4%の1BTC=92,331ドルに。 20日にかけて、88,000ドル付近から92,000ドル超…
11:59
ブロック社が強気の財務見通し、3年で粗利益2.5兆円目指す  自社株買いも発表
ジャック・ドーシー率いるブロック社が今後3年の財務見通しを発表。粗利益の年間15億ドル増加を予想し、株価が7.6%上昇した。AI・仮想通貨事業も強化している。
10:36
米大手仮想通貨取引所コインベース、予測市場・株式取引機能を導入か
米コインベースが12月17日に「新時代」を発表予定。リーク情報から予測市場・株式取引機能の実装が示唆され、カルシとの提携深化やブロックチェーン株式取引の展開が期待される。
10:14
仮想通貨XRP、ステーキングを導入する案が浮上
RippleXのエンジニアリング部門のトップは、仮想通貨XRPへのステーキング機能導入を考察していると説明。ステーキングは報酬が発生する仕組みであり、投資家からも注目を集めている。
09:41
「銀行の仮想通貨保有について、基準見直す必要性がある」バーゼル委員会議長
バーゼル委員会議長がステーブルコインの台頭を背景に、銀行の仮想通貨保有規制の見直しが必要だと発言した。現行の厳格な資本要件の緩和が焦点となっている。
06:48
「ビットコインとはサービスである」Bitwiseが価値の本質を指摘
仮想通貨運用企業Bitwiseの最高投資責任者は、ビットコインはサービスであるとの見方を示した。マイクロソフトと比較しながら、価値の本質を説明している。
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧