はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ETH/BTCがレンジ上限に向け上昇、イーサリアムクラシックは前日比24.7%高

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

2日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比337ドル(1.1%)安に。

米雇用統計は市場予想の範囲内であったが、金融引き締め長期化が景気を冷やすとの観測が上値を重くしている。一方、米株価指数先物の時間外取引では上げ幅を拡大。6日の東京株式市場では前日比20円(0.08%)高と下落を一服した。

21日には、0.75%の大幅利上げが見込まれるFOMC(米連邦公開市場委員会)発表及びパウエル議長声明を控えることから、今月中旬以降は様子見基調となりやすく、通過すればピークアウトを見越して次第に落ち着く可能性も考えられる。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.3%安の19,749ドル。

BTC/USD 日足

ここ数日間は、19,500〜20,500ドルのレンジ内で揉み合っているが、反発は限定的だ。

アナリストのNicholas Merten氏は、FRB(米連邦準備制度)の金融引き締めを念頭に、これから1年間ほど相場が低迷し、1BTC=12,000ドル前後まで下落するとの見通しを示した。

出典: DataDash/YouTube

また、NUPLのオンチェーンデータを根拠に「過去の相場サイクルと比較して、下降トレンドが終わったと判断するには早計」と主張した。

NUPL

実現利益と損失の差を測定する「純未実現利益/損失(NUPL:Net Unrealized Profit/Loss)」を基にした分析だ。NUPLは、昨年の強気相場で0.7〜0.75の買われ過ぎ水準(オレンジ帯)を記録してから一転、現在では売られ過ぎ水準(ブルー帯)にまで落ち込んだ。

NUPLが0.25を下回った2014年は、約9ヶ月で底打ち反転。同じくNUPLが0.25を下回った2018年には約8ヶ月かけて低迷後、底を打ち反転している。

一方、Daan Crypto Trades(@DaanCrypto)氏は、過去数日間でバイナンス先物の建玉数が、5億ドル相当の計24,000BTC超にまで膨らんでいることを指摘した。

その多くは、地合い悪化を根拠に安値更新を期待したショートポジションとみられ、「現物価格の上昇時にショートスクイーズを引き起こす可能性が高い状況にある」との見立てを示した。

データ分析企業CryptoQuantのデータによれば、暗号資産(仮想通貨)取引所の外貨準備高が増加傾向にあるが、この流入はデリバティブ市場のショートポジション増加を示唆する。

アルトコイン相場

個別銘柄では、イーサリアムクラシック(ETC)が前日比24.7%高と高騰した。 ビットコイン(BTC)の前日比1.1%高、イーサリアム(ETH)の5.7%高と比較しても群を抜いている。

十分に成熟していない仮想通貨市場では、「市場価格(時価)にトークン発行枚数を掛け合わせた、時価総額基準」ではなく、表示価格にUnit bias(単位バイアス)が働き、割高・割安判断される傾向を指摘する声もある。

現在の市場価格は、ETCは40.3ドル、ETHは1660ドル。

CoinGeckoのデータによると、ETC取引量は過去24時間で約11億ドルまで5倍近くまで急増した。出来高を牽引しているのは、バイナンスのETC/USDT(テザー建て)と韓国大手取引所であるUpbitのETC/KRW(韓国ウォン建て)だ。

CoinGecko

イーサリアムの大型アップグレードであるThe Merge(ザ・マージ)で新旧チェーンの統合が実現し、合意形成アルゴリズムのPoWからPoSへの移行が行われることで、 ETHの発行量が90%減少して希少価値が高まり、ネットワークのエネルギー効率が99.9%向上することが期待される。

順調に進捗すれば、本日いよいよ2部構成の前半フェーズとなる「Bellatrix」アップグレードが実施される見込みだ。

関連:2部構成のイーサリアムマージ|9月6日予定の「Bellatrix」アップグレードとは

ビットコイン建の通貨ペア「ETH/BTC」で見ると、ビットコインに対してイーサリアムが極めて強く、0.0828BTCまで買われた。21年12月の直近高値である0.083BTCを上抜けば、18年2月以来4年半ぶり水準となる0.09BTC台も視野に入る。

ETH/BTC 週足

ETH/BTCは、今年6月時点の直近安値は0.049BTCであったが、その後一時的なリスクオン回帰もあり、マージ思惑でイーサリアムに資金が集まりおよそ1.68倍まで上昇した。

一方、PoSへの移行は既存ETHマイナーのマイニング機器が使用できなくなり、採掘事業が続行不可能となることを意味する。その点において、同じ機器でPoWマイニングを継続出来るイーサリアムクラシックは、避難先として一部マイナーの受け皿となる可能性が指摘される。

これに先駆けBTC.comは1日、12月1日まで3ヶ月間のETCマイニング「手数料無料」キャンペーンを打ち出した。 ハッシュレート(採掘速度)をBTC.comに振り向けているユーザーに対し、マイニング手数料を免除した状態でマイニング報酬をマイナー(採掘業者)に比例分配する。

ETCのハッシュレートは前月比62%上昇、過去3ヶ月間で200%上昇している。

関連:バイナンス、主要ステーブルコインの取り扱い停止へ

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
12:10
米上院、トランプ氏の仮想通貨推進派2名を承認 CFTC・FDIC新委員長が就任へ
米上院は12月18日、トランプ大統領が指名したマイケル・セリグ氏をCFTC委員長に、トラビス・ヒル氏をFDIC委員長に承認した。両氏は仮想通貨推進派として知られ、デジタル資産に対するより友好的な規制環境の実現が期待されている。
11:28
米仮想通貨市場構造法案、1月に上院審議へ ホワイトハウス当局者が確認
米ホワイトハウスの仮想通貨担当官が、仮想通貨市場構造法案(クラリティ法案)の1月上院審議入りを確認。業界と伝統的金融機関が最終協議を実施、超党派の協力が成立の鍵に。
11:09
「10月の歴史的暴落の後遺症続く」ラウル・パル、仮想通貨の下落圧力は市場操作ではないと分析
グローバルマクロ投資家のラウル・パルが、10月10日に発生した仮想通貨市場の歴史的暴落について詳細を分析。市場操作の指摘は的外れであり、トランプ関税ショックとバイナンスの深刻な技術障害が重なり、数兆円規模の強制決済をもたらした大規模ロスカットに繋がったという。
10:35
SOL保有企業フォワード・インダストリーズ、株式をトークン化
仮想通貨ソラナの財務企業フォワード・インダストリーズは、自社の株式がソラナブロックチェーン上でトークン化されたことを発表。トークン化株式はDeFiで利用できるとした。
10:05
仮想通貨保有企業株、MSCI除外で約2兆円売却圧力 来年1月に判断
MSCIが仮想通貨保有企業を指数から除外する提案を検討。実施されれば39社で最大150億ドル(約2.2兆円)の強制売却が発生する可能性。業界は1,268の署名を集め強く反発。2026年1月15日に最終判断。
10:02
イーサリアム財団、「ステート肥大化」のリスクを指摘 3つの対応策提案
イーサリアム財団が、ネットワークのステート増大が続くことによる中央集権化リスクなどを警告した。この課題に対する3つの対策を提案している。
09:35
NYSEの運営会社ICEが仮想通貨企業ムーンペイに出資交渉、評価額50億ドル目指す
ニューヨーク証券取引所を運営するICEが仮想通貨決済企業ムーンペイへの出資交渉を進めていることがブルームバーグの報道で明らかになった。
08:35
JPモルガン、ステーブルコイン市場の成長予測を維持も1兆ドル規模には否定的
JPモルガンのアナリストがステーブルコイン市場は2028年までに5000億ドルから6000億ドルに達すると予測し、1兆ドル規模の予測を否定的に評価した。成長は仮想通貨市場全体と連動すると見ている。
07:55
トークン化株式xStocks、TON Walletに対応
株式のトークン化プラットフォームxStocksは、TONブロックチェーンのTON Walletに対応したことを発表。ユーザーはテレグラムからトークン化した株式やETFにアクセスできる。
07:44
JPモルガンのJPMコイン、コインベースのベースチェーンに移行
JPモルガン・チェースがデジタル預金トークンJPMコインを独自の内部ブロックチェーンからコインベースの「ベース」に移行した。機関投資家の需要に応え、24時間365日のほぼ即時決済を可能にする。
06:40
ビボパワー、韓国ファンドに4.5億XRP相当のリップル株式を調達へ
ナスダック上場のビボパワーがデジタル資産部門を通じて韓国の資産運用会社リーン・ベンチャーズ向けに3億ドル相当のリップル・ラボ株式を調達する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧