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警察庁・金融庁・消費者庁が、仮想通貨に関する「関連局長級連絡会議」を開催

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨交換業者等に関する3省庁(警察庁・金融庁・消費者庁)局長級連絡会議が開催。
金融庁は、「仮想通貨交換業者等に関する3省庁(警察庁・金融庁・消費者庁)局長級連絡会議」を開催したことを発表した。過去の開催事例を含め、今回の注目点を考察した。

警察庁・金融庁・消費者庁が局長級連絡会議を開催

金融庁は11月9日、「仮想通貨交換業者等に関する3省庁(警察庁・金融庁・消費者庁)局長級連絡会議」を開催したことを公式HPで明らかにした。

出典:金融庁

今回行われた局長級連絡会議では、実施された仮想通貨交換業者等に対する検査・モニタリングや、無登録業者への対応、消費者への注意喚起等について意見交換が行われた様だが、その詳細までは明らかにされていない。

しかし、3省庁によって局長級連絡会議が行われたことが公式HP上で公開されたのは、今回を含め3回(CoinPostの調査)で、その内容を見ていくと、日本の仮想通貨業界の動きに合わせて開催趣旨が異なることがわかってきた。

3回実施された局長級連絡会議

過去の開催と意見交換内容を見ていく。

1回目:コインチェック社事案関連

初回の実施は、コインチェック社の不正アクセス事件を受け、3省庁の連携強化を目的に開催、内容は以下の通りだ。

開催日時:平成30年2月9日

主題:コインチェック社事案

意見交換内容:コインチェック社事案に関する3省庁の対応、利用者保護に向けた取組み、コインチェック社以外の仮想通貨交換業者やみなし仮想通貨交換業者への対応、無登録業者への対応等

金融庁

主題でも述べられている様に、初回開催は、1月26日に発生が明らかになったコインチェック社のXEM流出事件を受け、連携強化を測る目的に開催されている。

1月29日に財務省関東財務局より発令された業務改善命令に加え、2月3日には、流出事件を受け東京都内で被害者会が結成されるなど、各々担当する業務の確認や連携強化が必要になったと考えられる。

2回目:仮想通貨交換業者及びみなし仮想通貨交換業者への対応

2回目の実施は、仮想通貨交換業者の対応を目的に開催、内容は以下の通りだ。

開催日時:平成30年6月27日

主題:仮想通貨交換業者(対応)

意見交換内容:これまでの仮想通貨交換業者及びみなし仮想通貨交換業者への対応、無登録業者への対応等

金融庁

この当時、コインチェック流出事件を受け、日本の規制当局は、国内登録済み取引所の見直しや、コインチェックを含めたみなし業者への対応に動き始めていた。

局長級連絡会議開催5日前の2018年6月22日、仮想通貨交換業者6社に対し、資金決済に関する法律第63条の16に基づく業務改善命令を発令している。

6社に対して出された業務改善命令は、各社内容が異なるものの、「経営管理体制」のほか、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策」が含まれており、3省庁間での協力体制強化に繋がる内容である。

3回目(今回):仮想通貨交換業者等に対する検査・モニタリング

本題となる、3回目の開催になった今回の局長級連絡会議の内容は以下の通りだ。

開催日時:平成30年11月7日

主題:仮想通貨交換業(検査・モニタリング)

意見交換内容:これまでの仮想通貨交換業者等に対する検査・モニタリング、無登録業者への対応、消費者への注意喚起等

金融庁

今回の意見交換内容に記載されている様に、交換業社に対する検査やモニタリング実施の内容が主題に置かれている様だが、8月10日に公表された中間とりまとめの公表からは、大きく日にちが空いての開催となった様だ。

過去2回の開催から見ていくと、意見交換の主題となりえる出来事と、局長級連絡会議開催日時は近い日程で行われていることから、それ以降も続いた日本の取引所関連の大きな動きも含め、話し合われた可能性は十分にあるだろう。

前回と今回の局長会議実施日時の間で起きた国内仮想通貨取引所関連の重要な動きは以下の3点となる。

  • 8月10日:仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめの公表
  • 9月20日:取引所Zaifで不正流出事件
  • 10月24日:仮想通貨交換業者の自主規制団体 一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が正式認定

9月20日には、取引所Zaifが67億円相当の仮想通貨流出を発表、CoinCheckに続くかたちで、国内仮想通貨取引所での流出事件が発生しているが、注目すべき点は、10月24日付けで、金融庁より資金決済に関する法律に基づく認定資金決済事業者協会に正式認定を受け、国内取引所に対する厳格なルールの適応が可能になった動きだ。

策定された自主規制案に「匿名通貨規制や反射対策、内部管理体制」などの内容自体があるほか、自主規制案施行が可能になったことで、各省庁が目指す業界の健全化の動きを促すことに繋がるためだ。

特に、認可時の会見でも発表されたICOの自主規制規則の年内公表も、消費者庁を中心に力を入れる仮想通貨関連詐欺に直結する重要な規則であると考えられ、3省庁での重要なトピックとなり得るだろう。

実際に、仮想通貨関連トラブルや詐欺に関する3省庁の密接な連携は、消費者庁が公式文書として度々公表されており、9月29日にも、「仮想通貨に関するトラブルにご注意ください!」という題目で、未登録業者などを中心としたトラブルの注意喚起を促している。

出典:消費者庁

プラスの動きも

一方で、国内各省庁の動きもマイナス点ばかりではない。

注目の新たな交換業者登録に関しては、金融庁から以下の様に公表。

中間とりまとめにおいては、登録審査を行う際、暗号資産(仮想通貨)を取り巻く環境やビジネスが急速に変化することを踏まえ、さらに深度ある実質的な審査を行う必要があるとの考え方を示した。

具体的には、事業者のビジネスプランの聴取及びそれに応じた実効的な内部管理態勢や、利用者保護を優先したガバナンス態勢の整備状況について、書面やエビデンスでの確認の充実、現場での検証や役員ヒアリング等の強化に取り組む方針である。

仮想通貨交換業者の登録審査について(10月24日 金融庁)

仮想通貨交換業への新規参入を希望する事業者が多様かつ多数いることを明かし、登録審査プロセスの明確化を図るべく、登録業者に必要な登録資料の公開を行った。

また金融量は、「今後も、登録審査における透明性の向上に向けた取組みを継続的に実施し、効率的かつ適切な登録審査を進めていく予定」とするなど、登録には前向きな姿勢を示している。

2017年は国内仮想通貨業界にとって厳しい1年になったと言えるが、これら3省庁の協力体制やJVCEA認可による自主規制案施行によって、業界健全化の動きは着実に前進している。

より日本の企業や投資家、また起業家が仮想通貨やブロックチェーン関連技術に、安心感を持った形で着目できる日へと近づいているだろう。

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