- CZ氏が語るIEO実施の目的と展望
- CZ氏はブルームバーグに対し、IEOに関する様々な質問に回答。ICOと比較しての規制遵守や今後のIEO市場の規模について見解を述べた。
CZ氏が語るIEO実施の目的
BinanceのCEOとして知られるCZ氏が、ブルームバーグ誌のインタビューに応じて、同取引所が実施してきたIEO(Initial Exchange Offering)の背景を語った。同氏は、IEO実施の目的を、良いプロジェクトを支援することによる業界全体の発展であるとした。
IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)とは、資金調達のための、ICOのような仮想通貨トークンセールのこと。
従来のICOと異なり、大手取引所の上場が約束されている点や、トークンのロックアップの時間、もしくはトークンプロジェクトのセール、上場に関わる審査の欠如など懸念点が大幅に取り除かれるため、特に大手取引所が開催すれば、投資家人気も集まりやすいとされている。
なお、世界一取引所Binanceでは、1〜2月分のトークンセールkが共に数十秒で完売しており、IEO需要が2017年のICOブームを上回るではないかと関心を集めている。
また、同氏はプロジェクトにとってのIEOの利点を次のようにまとめて説明している。
- プロジェクトの意識向上
- ユーザーの獲得
- プロジェクトの信頼性向上
- プロダクト開発へのコミットメント
バイナンスでIEOを実施することにより、業界にプロジェクトの名前が知れ渡る。
初期の投資家の多くがユーザーに。CZ氏は資金よりも重要であると強調。
厳格な選考プロセスの通過、Binanceへの信頼からなるプロジェクトへの信用の強化。
プロジェクトチームは、VCやボードミーティングに多大な時間を費やさずに、プロダクト開発に集中可能。
そして、投資家にとっても、Binanceがデューデリジェンス(投資対象となる企業や投資先の調査)を行うことは大きなプラスであり、すべてのプロジェクトが成功を収める保証はないものの少なくとも純粋な詐欺は排除されるとした。
また、他の取引所のBinanceに次ぐ形でのIEO実施についてどう考えるかといった質問には次のように回答した。
我々はそれらを競合とはみなしていない。それらのコピーは、我々のモデルの強力な検証であり、最高レベルの賛辞だと捉えている。
さらに、同氏はBinanceのモデルのコピーについては「推奨する」ともしており、他の取引所と良いプロジェクトを支援することによって業界が大きくなり、そこにおける全員が利益を得ると主張。ただし、重要なのは、詐欺を助長することではなく、良いプロジェクトの成長の支援であることを強調した。
IEOとICOの規制遵守面での比較にも言及
CZ氏は、IEOとICOの規制遵守面での比較についても質問され、それに対しては「ICOとIEOのどちらを行っても規制遵守の姿勢は変わらない」との回答をした。
そのような質問の背景には、一部の取引所により法的な抜け穴として実施されるIEOの存在があるだろう。この面ではこれまで多く見られてきてるいわゆる詐欺ICOとは同じようなものだ。
なお、同氏は、法律のコンプライアンス面については妥協はしないとして、規制遵守は常に最優先事項であり、その姿勢がBinanceの立場や評判を強化するとした。また、そうすることで、ユーザーや規制当局との信頼関係を築いていけるとする。
IEOの今後の展望は
CZ氏は、IEO市場全体が今後どの程度の規模まで拡大するかという質問に対しては、「将来的にVC業界の何倍もの規模になるだろう」と発言した。「資金調達」はブロックチェーンの活用における最も重要な要素であると考えており、今後は間違いなくさらなる拡大が見込めるとしている。
常に仮想通貨業界の最前線に立つCZ氏はインタビューで様々なIEOに関する質問に応えていったが、そこから感じとれるのは業界に対する一貫した献身的な姿勢だろう。
本日の速報をチェック