はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

バイナンスから盗まれたビットコインの移動を確認|資金洗浄の可能性が浮上

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンスから盗まれたビットコインが移動
マネーロンダリングなどの分析をするCoinfirm社が、先月バイナンスから盗まれたビットコインが移動させられたことを伝えた。金額が細かく分割されており、明らかに資金洗浄を試みているものと見られる。

バイナンスから盗まれたビットコインを追跡

6月7日、Regtech(アンチマネーロンダリングなど金融業界における規制に関する技術)を扱う会社のCoinfirmが、仮想通貨取引所バイナンスから盗まれた資金が動いたことを伝えた。

バイナンスからは今年5月におよそ45億円(4100万ドル)相当、7000BTC以上が盗まれたが、このうちの一部が今回移動され、検知された形だ。

米仮想通貨メディアCoindeskの取材によると、CoinfirmのCEOであるGrant Blaisdell氏は以下のように述べている。

攻撃はウィルスやフィッシングといった複数の技術を用いて行われた。バイナンスによれば、盗まれた資金は取引所が保持していたうちの約2%だった。プラットフォーム上にあるユーザーの資金が影響を受けないよう、バイナンスは損失に備えて積み立てていたSAFUファンドを活用。このファンドは2018年7月14日から始まったもので、取引手数料の10%を積み立てることで準備しているものだった。

Coinfirmによる調査

彼らの調査によれば、今回、およそ6億5000万円(600万ドル)におよぶ資金が転送されたとのことだ。

まず、bc1q2rで始まるウォレットから、bc1q65で始まるウォレットに約1060BTC(約6億7000万円)が移動した。興味深い点として、19JPv7から始まるウォレットに0.002BTC(約1700円)が転送された。以降は動きがないが、目的はわかっておらず奇妙な行動として注目されている。

その後、1040BTC、1021BTCと少しずつ分割しながら転送が続けられた。最終的に大部分はbc1qcg…というウォレットで止まり、以降は動きがない。

出典:Coinfirm.com

盗まれた資金の洗浄を試みる攻撃者

今月7日には、Bitfinexから盗まれた資金についても、およそ1億5000万円(136万ドル)に相当する172BTCが転送されていた。今回資金の移動を報告したCoinfirmが、Twitterで同様の分析結果を公開している。

出典:Coinfirm.com

上記を見て気づいたかもしれない。右端にあるが、このときにも0.045BTCという少額の転送が行われていた。これも、転送後に動かされておらず意図は不明だ。

もちろん、これだけの情報でそれぞれの共通点を語ることは難しい。別々の人間や組織が、偶然同じような行動になったり、それぞれ相手の真似をしている可能性も否定できない。あるいは何らか、資金洗浄用のサービスやソフトウェアを使っている可能性もある。

しかし、資金を盗んだ人間あるいは組織が、換金を目指し、手を尽くしているのはまず間違いないだろう。

一方で、ブロックチェーンに関わる会社や組織が、資金の流れをリアルタイムで分析して公開したり、監視の自動化やウォレットアドレスのタグ付けといった対策を進めている。こういった対策により、少しでも多くの資金が回復することを願うばかりだ。

まとめ

5月9日には、盗んですぐに資金の洗浄(ロンダリング)を試みている形跡も見られたものの、1か月と比較的早いペースで再度資金が動く結果となった。取引所に入金した形跡は今のところ見当たらないため、時折資金を動かしてどのように検知されるか、コミュニティやニュースサイトの反応を探っている可能性もあるだろう。

これらの分割は、明らかに資金洗浄を試みているものと見られる。監視するウォレットアドレスが増えるため簡単ではなくなるが、しかし不可能ではない。Coinfirmからは各取引所にウォレットアドレスを連携済みであり、注意深くモニタリングが続けられているとのことだ。

坪 和樹

Twitter:https://twitter.com/TSB_KZK

Linkedin:https://www.linkedin.com/in/tsubo/

プロフィール:AWSで働くエンジニア、アイルランド在住。MtGoxやThe DAOでは被害を受けたが、ブロックチェーンのセキュリティに興味を持ち続けている。セキュリティカンファレンスでの講演、OWASP Japanの運営協力やMini Hardeningといったイベント立ち上げなど、コミュニティ活動も実績あり。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/15 土曜日
13:55
続落するイーサリアム、長期保有者が1日4.5万ETH超を売却=グラスノード
グラスノードによると、イーサリアムの3年から10年保有者が1日あたり平均4万5000ETH超を売却している。イーサリアム現物ETFも13日に2億6000万ドルの純流出を記録し売圧を高めている。
13:20
リミックスポイント決算発表、仮想通貨評価益で売上高が大幅増加
リミックスポイントが2025年4~9月期決算を発表した。仮想通貨評価益で売上高が大幅増加している。同社はビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨を財務資産として蓄積している。
13:00
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者、ステーブルコインの展望を語る|CoinPostインタビュー
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者ニシント・サンガヴィ氏がCoinPostの独占インタビューに応じ、ステーブルコイン決済戦略の拡大、CBDCとの共存、米国ジーニアス法の影響について詳しく語った。4つのステーブルコインと4つのブロックチェーンをサポートし、2億2,500万ドル超の決済を実現。今後5年間のアジア太平洋地域におけるデジタル通貨の展望と、Visaが果たす役割について解説。
11:15
テクノロジー大手アリババが預金トークン決済を開発 中国当局のステーブルコイン懸念に対処か
中国アリババが預金トークン決済システムを開発している。当局によるステーブルコイン規制を回避することも背景とみられる。AI活用サービスも発表した。
10:30
ビットコイン急落、45日ルール通過とFOMC利下げ見送り観測で売り圧力が最大化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは足元で強い売り圧力に晒されているが、ヘッジファンドの45日ルール通過により解約売りの終了が期待される。ビットコイン長期保有者が直近1カ月で12兆円相当のBTCを売却したことは心理を悪化させていた。
09:50
トランプ一族関連のアメリカン・ビットコイン、売上高99億円に増加 決算発表 
トランプ一族の仮想通貨マイニング企業「アメリカン・ビットコイン」が2025年7~9月期決算を発表した。前年同期比で黒字転換し、ビットコイン保有量は4,090BTCに到達している。
09:35
ジャック・ドーシーのCash App、ステーブルコイン決済機能を導入
決済アプリのキャッシュアップがステーブルコインの送受信機能を含む11の新機能を発表した。ライトニングネットワークを使用したビットコイン決済機能も拡充している。
08:50
ソニー銀行の米銀免許申請、通貨監督庁にICBAが否認を要求
ソニー銀行が米国で信託銀行の国家免許を申請したことについて、米組織ICBAが強く反対すると表明。通貨監督庁に書簡を送付して反対理由を説明し、ソニー銀行の申請を認可しないように要求した。
07:45
バイナンス、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」を取引担保として受け入れ
仮想通貨取引所バイナンスがブラックロックの「BUIDL」を取引所外担保として統合した。BUIDLはBNBチェーンで新シェアクラスも立ち上げる。
06:50
ビットマイン、45億円相当のイーサリアムを追加購入 新CEOにHSBC元幹部を任命
ビットマインが3000万ドル相当の仮想通貨イーサリアムを追加購入した。同社は新CEOにHSBCアジアTMT投資銀行部門の元責任者を任命した。
06:25
ビットコイン長期保有者が1カ月で12兆円相当BTCを売却、初期投資家も2400BTCを取引所へ送金
ビットコインの長期保有者が過去1カ月で約81万5,000BTCを売却し、2024年1月以来の高水準となった。初期保有者のオーウェン・ガンデン氏も2400BTC以上を売却している。
05:50
ストラテジーのセイラー会長、6900億円相当のビットコイン売却の噂を否定
ストラテジーのマイケル・セイラー会長が47000BTCの売却憶測を否定した。オンチェーン上の動きは保管業者の入れ替えによるもので、実際に購入ペースを加速させていると説明。
11/14 金曜日
21:20
CourtYard(コートヤード)でトレカをNFT化|使い方を初心者向けに徹底解説
トレーディングカードをNFT化して取引できるCourtYard(コートヤード)の使い方を解説。アカウント開設からPolygon上での取引方法、ガス代準備、リスクまで初心者向けに図解で詳しく紹介します。
21:00
ビットコインウォレットのおすすめは?種類・選び方・アドレス作成手順まで解説
ビットコインウォレットの種類や違い、安全な選び方を徹底解説。ハードウェア・ソフトウェアの比較からアドレス作成、セキュリティ対策まで初心者にもわかりやすく紹介します。
17:19
米ビットコイン現物ETF、過去2番目の規模の純流出 リスクオフが加速
11月13日、ビットコイン現物ETFは8.7億ドル(約1,340億円)の純流出を記録し、過去2番目の規模に。イーサリアムETFも3日連続で流出。FRB当局者の慎重発言を受け、仮想通貨と米国株が同時に下落。専門家は健全な調整との見方も。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧