WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

バイナンスから奪われたビットコインの行方 現在の状況を考察

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

奪われた 7000Bitcoin
仮想通貨取引所バイナンスでおきたビットコインの不正流出事件の現在を読み解く。なぜ不正流出に至ったか、売り圧力にもなり得る現在の資金の状況は?

奪われた 7000Bitcoin

大手の暗号資産取引所は、5月7日にハッキングを受けたことを公式ブログで報告した。

被害額は4100万ドルとみられており、攻撃者は単一トランザクションで7074BTCの不正入手に成功している。バイナンスによれば盗まれたビットコインは保有するうちの2%に相当するBTCであり、ハッキングに備えて積み立ててあるSAFU基金から顧客資産へ充当される。ある程度状況が落ち着いた事件ではあるが、ビットコインのトランザクション状況などを改めて見ていこうと思う。

攻撃手法について

現在のところ、バイナンスが公式に発表している情報はそれほど多くない。

公式ブログの記事によれば、攻撃者は多数のユーザーに関するAPIキー、2FAコード(2段階認証)、その他の情報を不正取得したとされており、攻撃手法としては様々な技術が用いられたと見らている。一般的なフィッシングだけでなく、ウイルスなども含むその他攻撃も考えられる事例として挙げられている。

上記から推測できることとしては、バイナンス自体のシステムの脆弱性を狙った攻撃を受けたわけではなく、それを使う「利用ユーザー」がターゲットにされたということだ。

既存のセキュリティチェックを掻い潜るため、ハッカーは長期的にユーザーの情報を集め、潜伏し、そして一斉に引き出しを行った。 資金の大規模な引き出しをバイナンスが防げなかった点は非があると言わざるを得ないかもしれないが、(強固なセキュリティシステムを見越して)攻撃者は1回のトランザクションで引き出しを行っており、かなり周到な準備を行ったのだろう。

一方、バイナンスの対応は迅速で、引き出しの停止および期限の設定、AMAセッションの開催など、FU の阻止に全力を尽くしていた。事前にセキュリティ事故に備えて手順や訓練なども行っていた可能性もあり、事後対応は迅速かつ正確に行われている。

転送先のアドレス

THE BLOCKのレポートによって、44 のアウトプットのうち、21 がBech32(Segwit)アドレスであり、99.97% と、ほぼすべての Bitcoin は Segwitアドレスに送信されていたことがわかっている。

その後、転送されたBitcoin は以下の7つのアドレスに集約されている。

bc1q2rdpyt8ed9pm56u9t0zjf94zrdu6gufa47pf62 (Bech32アドレス、1,060.6 BTC) bc1qx3628eh9tdnm0uzculu8k6r2ywfkc5zns2hp0k (Bech32アドレス、1,060.6 BTC) bc1qnf2ja3ffqzc3hskanjse6p8zag52fm6jgmmg9u (Bech32アドレス、1,060.6 BTC) bc1qw7g5uxxl750t0h2fh9xajwuxp4qt634yh3vg5q (Bech32アドレス、1,060.6 BTC) 16SMGihY94H8UjRcxwsLnDtxRt7cRLkvoC (P2PKHアドレス、1,060.6 BTC) 1MNwMURYw1LkPnnpda2DQkkUsXXeKL9pmR (P2PKHアドレス、1,060.6 BTC) bc1q3a5hd36jrqeseqa27nm40srkgxy8lk0v0tpjtp (Bech32アドレス、707.1 BTC)

トランザクション

盗まれた資金の転送先については、confirmが追跡を行っているので紹介したい。同社の日本語記事もあるようなので、ご覧いただくと良いだろう。

記事執筆時点では、未だ7つのウォレットアドレスに動きはなく、換金された形跡などはない。

過去の事例から考えると、追跡を振り切ることは簡単ではないため、ほとぼりが冷めるまで資金を放置する可能性が高いだろう。時間が経つにつれ興味は少しずつ薄れ、監視も自動化せざるを得なくなる。昨年のBancorの例だと半年ほど経過してから資金が動いていており、最近おきた不正流出事件の傾向と似た動きが確認されている。

まとめ

バイナンスのハッキング直後には、ビットコインの再編(re-org, 過半の賛成を得て過去のトランザクションを部分的に書き換える)も提案されたが、バイナンス CEO の Changpeng Zhao は丁寧に否定した。

また、マカフィー社の創業者であるJohn McAfee氏も支援を表明するなど、注目度は非常に高いと言える。

今回のインシデントは金額だけで言えば zaif に続き歴代6番目の規模だった。

最後に、ユーザーとしては、一般的なウィルス対策、フィッシング対策に今後も注意すべきだろう。すべての取引所がバイナンスのように資金を保護してくれるとは限らない。日本のユーザー向けには NISC が公開しているセキュリティハンドブックが分かりやすいため、一度目を通しておくことをお勧めする。

坪 和樹

Twitter:https://twitter.com/TSB_KZK

Linkedin:https://www.linkedin.com/in/tsubo/

プロフィール:AWSで働くエンジニア、アイルランド在住。MtGoxやThe DAO では被害を受けたが、ブロックチェーンのセキュリティに興味を持ち続けている。セキュリティカンファレンスでの講演、OWASP Japanの運営協力やMini Hardeningといったイベント立ち上げなど、コミュニティ活動も実績あり。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/16 木曜日
09:13
米財務省、イラン中銀関連のウォレットに制裁措置
米財務長官は、米財務省の外国資産管理局がイラン中央銀行に関連するウォレットに制裁措置をとったと発表。外国資産管理局は、仮想通貨トロンのブロックチェーン上のアドレスを制裁対象リストに追加したことを発表した。
09:05
国境を越える決済の主役は誰か、SWIFT・FRB・カルダノ責任者が討論|WebX2026
ステーブルコインはトレーディングから国際決済へ。SWIFT・元FRB・カルダノのスピーカーがWebX2026で語った、ジーニアス法とMiCAの明暗、エージェンティックコマースという次の成長ドライバー、そしてSWIFTと銀行が担う新たな役割とは。
08:00
米インタラクティブ・ブローカーズ、仮想通貨取扱銘柄9種追加 
米オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズが9つの新トークンを追加し、ステーブルコインでの外部ウォレット出金機能も導入した。USDC・RLUSD・PYUSDの3種に対応し、取引手数料は競合比最大85%安としている。
07:26
ビットマイン、前四半期でイーサリアムステーキングから74億円の収益
ビットマインが5月末終了四半期の書類を提出。イーサリアムステーキング収益は4,574万ドルで総収益の98%を占め、前年同期の205万ドルから急拡大した。保有ETHの85%にあたる約490万ETHをステーキング済みだという。
07:05
ブラックロック2Q決算、仮想通貨ETF運用残高約4割減 2030年目標は堅持
ブラックロックの2Q決算でデジタル資産商品の運用残高が前年比約39%減の488億ドルに縮小。CFOのスモール氏は2030年の仮想通貨収益目標5億ドルを維持しつつ、3本柱のトークン化戦略の詳細を示した。
06:30
ストラテジーCEO、「ビットコイン1万ドル割れまで財務は安全」と発言
ストラテジーのCEO、フォン・レ氏はブルームバーグTVで、ビットコインが8000〜1万ドルに下落しない限り同社の財務は安全と述べた。30億ドルのドル準備金構築の意図もあわせて説明した。
05:55
トランプ大統領、クラリティー法の倫理条項めぐり上院議員と協議へ
トランプ大統領は16日、仮想通貨市場規制法「クラリティー法」の最大の懸案である倫理条項をめぐり上院議員らと会談する予定だ。法案可決に向けた倫理条項の合意形成が焦点となる。
07/15 水曜日
22:00
米DTCC、マイクロソフト株など有価証券トークン化の本番稼働を開始
米証券決済機関DTCCは15日、マイクロソフト株や米国債を含む有価証券のトークン化サービスを本番稼働させた。JPモルガンなど約40社が参加し、担保移転やレポ取引をブロックチェーン上で処理する。10月に全面提供を予定する。
20:00
トークン化証券の最前線、JPモルガン・Alpaca・Chainlinkが語る資本市場の未来|WebX2026
トークン化証券は実験段階を終え、実市場で稼働する段階に入った。JPモルガンKinexys・Alpaca・Chainlink Labs 3社がWebX2026で語った流動性・ユーティリティ・レガシー共存の現在地と、24時間365日スマートファイナンスへの道筋をレポート。
17:40
null²転生、落合陽一が語るAI・Web3がひらく未来社会|WebX 2026
WebX 2026で落合陽一氏が登壇。大阪・関西万博で人気の「null²」の転生として、横浜ランドマークタワーの常設シアターとGREEN×EXPO 2027向け新作を発表。AI・Web3が変える祭りの未来を、登壇と記者会見からレポート。
17:00
日本のクリプト大転換期 金商法・税制改正の舞台裏|WebX2026
ビットバンク廣末紀之氏、bitFlyer加納裕三氏、弁護士河合健氏がWebX2026に登壇。資金決済法から金融商品取引法への移行、分離課税実現の舞台裏、トラベルルール、そして今後3〜5年の日本の暗号資産市場の展望を語った。
16:16
SBIグローバルアセットマネジメントとDigiFT、日本株運用のJXトークン提供開始
シンガポールDigiFTと日本のSBIグローバルアセットマネジメントが、日本株の高配当戦略をトークン化した「JXトークン」提供を開始。適格・機関投資家向けにソラナ(Solana)上で発行し、日本運用会社の上場株戦略トークン化は初。
15:38
ストライプ陣営、ペイパルに買収提案 総額530億ドル超=報道
ペイパル・ホールディングスに対し、決済大手ストライプとPE大手アドベント・インターナショナルが1株60.50ドルでの買収を提案したとロイターが報じた。総額は530億ドル規模で、銀行団による融資確約が背後にあるという。
14:36
英国、金融市場のトークン化へ本腰 ブラックロック・JPモルガンら54社が参画 
英国財務省がトークン化推進のタスクフォースを設立し、ブラックロック、JPモルガン、コインベースなど54社が参画する。トークン化の実装に向けた英国の重点施策を推進し、1年以内の実運用移行を目指す。ボストンコンサルティンググループは2035年までにRWA市場が88兆ドル規模に拡大すると予測している。
14:12
ChatGPT検索にカルシのW杯予想反映=NYT報道
ChatGPTの検索結果に、予測市場カルシ(Kalshi)によるワールドカップの勝敗予想が表示されるようになった。米NYTによると、OpenAIが予測市場企業と結んだ初の提携という。表示はカルシ発の情報だと明示され、賭けはできない仕組み。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧