
ステーブルコインやビットコインに言及
ライドシェアやフードデリバリーなどのサービスを展開するウーバー(Uber)社のダラ・コスロシャヒCEOは5日、ステーブルコインを活用する可能性を検討していると明かした。
まだ検討段階だが、ステーブルコインは暗号資産(仮想通貨)の中でも実用的な利点を持つ、興味深い活用形態の一つだと思う。
つまり、仮想通貨を「価値の保存手段」として使う以外に、実用的な用途があるという点だ。
また、ステーブルコインは送金コストを削減できる仕組みを作れる可能性があるため、特に国際的に資金を移動させるグローバル企業にとっては有望だと考えるとも続けた。
この点に関心が高く、ウーバーが今後、活用を検討していくことは間違いないとしている。送金に活用する可能性を示唆した格好だ。
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
また、ビットコイン(BTC)については、すでに「実績のあるコモディティ」になっているとコメントした。
なお、コスロシャヒ氏は2022年時点で、環境問題やコスト問題などが解決すれば将来的にはビットコインなどの仮想通貨を決済手段として受け入れる可能性があるとも話していた。現在のところ実現していない。
ステーブルコイン関連では、メタ社が、複数の仮想通貨企業とステーブルコインを活用した国際送金サービスの可能性を模索していると伝えられる。
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米国では、ステーブルコイン規制法案の審議が進められているところだ。
トランプ政権のデビッド・サックス仮想通貨・AI特命官は21日、「2,000億ドル超の未規制ステーブルコインに法的枠組みを設ければ、実質的に一夜で米国債への数兆ドル需要を創出できる」と主張している。
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「米国ステーブルコインのための国家イノベーションの指導と確立(GENIUS)法案」は、早ければ今週中にも上院で可決される可能性がある。
一方で、ディック・ダービン上院議員らが、クレジットカード競争に関する法案をステーブルコイン法案の修正条項として提出しており、これにより議論が遅れることも指摘されている。
この修正条項は、大手銀行に対して、クレジットカード取引処理に関して、市場を二分しているビザとマスターカード以外のネットワークも選択肢として提示することを義務付けるものだ。競争を促進することで、加盟店が取引に支払う手数料を引き下げることを目的とする。
現時点では直接的にステーブルコインとは関連がない条項だが、既存の法案の追加条項という形で法案を提出する方法が存在する。
ブルームバーグによると、決済会社の幹部らはここ数週間、様々な上院議員に連絡を取り、クレジットカード条項の廃止を求めていると伝えられるところだ。
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