
30億円の純損失を計上
ソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」運営のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(以下、トランプ・メディア)は1日、2025年第2四半期(4~6月)の決算を発表した。
7月に20億ドル(約3,000億円)相当の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)およびビットコイン関連証券を購入したと報告している。また、2,000万ドル(約30億円)の純損失を計上しており、同社の株価は決算報告後に3.8%下落している。
損失のうち約1,500万ドル(約22億円)は、2024年に予定されているSPAC(特別事業運営会社)との合併に関連する訴訟費用に充てられたものだ。トランプ・メディアは、SPACのスポンサーとトゥルース・ソーシャルの共同創業者2名を相手取り、不適切な行為によって合併までの期間が29か月に延びたと主張している。
SPACとは
SPAC(特別買収目的会社)とは、「Special Purpose Acquisition Company」の略で、その企業自体は事業をもたず、未上場企業の買収を行うことを目的とする。SPAC上場とは、先にSPACが上場し、その後にターゲットになる企業を買収する株式上場手段である。
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トランプ・メディアは6月末に、現金、現金同等物、拘束性現金、売買目的有価証券、短期投資からなる金融資産を合計約31億ドル(約4,600億円)保有。前年同期比で約800%の急成長を記録した。
同社は、バランスシートを拡大できた最大の要因は、ビットコイン・トレジャリー(財務)戦略のために約24億ドル(約3,500億円)を調達したことだと説明している。
同社は、ビットコイン蓄積により投資家に仮想通貨への間接的なエクスポージャーを提供し、投資収益を生み出し、事業拡大に向けた基盤を築くことができると述べた。
銀行による取引停止などの政治的差別行為に対するセキュリティ強化を含め財務の自由度を強化することができるとも続けている。トランプ・メディアは2Q(第2四半期)中にビットコイン財務戦略を開始したところだ。
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トランプ・メディアのデビン・ヌネス会長兼CEOは次のようにコメントした。
当社は、上場企業としては最大級のビットコイン保有量を確保している。また、昨年上場したばかりにもかかわらず、今四半期には営業キャッシュフローが黒字化した。
M&Aによる優良資産の取得など幅広い選択肢を追求しながら、製品とサービスの質と量の両方を継続的に向上させ、アメリカ・ファースト経済における当社の地位を強化・拡大することを目指している。

出典:BitcoinTreasuriesNET
BitcoinTreasuriesNETによると、現在トランプ・メディアは上場企業の中でビットコイン保有量が世界6位だ。なお、7位には日本のメタプラネットが続く。
トランプ・メディアは第2四半期に、仮想通貨関連ETF(上場投資信託)の登録届出書を米証券取引委員会(SEC)に提出。マルチアセットETF「Truth Social Crypto Blue Chip ETF」、ビットコイン現物ETF「Truth Social Bitcoin ETF」その他がある。
同社は、ユーティリティトークンの構想についても述べた。当初は「トゥルース+」のサブスクリプション料金の支払いに使用でき、その後はトゥルース・エコシステム内の他の製品やサービスにも使用可能だとしている。
4月に、報酬プログラムの一環としてユーティリティトークンの発行を模索していることを明かしていた。
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