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地合い好転のビットコイン(BTC)、ファンダ要因と複数のシグナル|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アルトコイン主導・循環物色の兆候も
ビットコイン(BTC)など仮想通貨相場は先日までとは打って変わり、個別銘柄への材料感度など地合い好転の兆しも見せ始めた。マクロ経済では、FRBの方針もQE4に向けた追い風に。

仮想通貨市況とマクロ経済

ビットコイン(BTC)は前日比5.27%高と大幅上昇。先日までとは打って変わり、地合い好転の兆しを見せ始めた。

出来高増加に加え、材料への反応感度が目に見えて上がっている点は、セクター全体への幅広い資金流入を意味する。株式・新興市場における資金流入出や地合い推移を含め、見逃せないシグナルの一つと言えるだろう。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、今年9月以降の短期金利の乱高下を防ぐため、バランスシート拡大再開を表明した。「金融危機時の量的緩和(QE)とは異なる」と前置きしながらも、量的緩和同様に米国債購入を積み増す見通しとされており、景気減速懸念と貿易を巡る不確実性などの観点から米経済を守る必要があるとの判断が働いた。

量的緩和政策をめぐっては先日、世界最大級の仮想通貨デリバティブ取引所のアーサー・ヘイズCEOが、米国のQE4(量的緩和第4弾)を示唆した上、「ビットコイン20,000ドル再来に備えよ」と予言したことで投資家の注目を浴びた。

米国は2014年に量的緩和策を終了し、経済成長に合わせて米国債などの保有資産を段階的に圧縮、量的引き締め策を進めていた。保有資産の拡大は、これに逆行するもので、世界経済の見通し悪化とビットコイン(BTC)などオルタナティブ資産の需要拡大を示唆している。

関連:『ビットコイン2万ドルの(再来)に備えよ』仮想通貨取引所BitMEXのアーサーが「QE4」を予言

また、最大手取引所バイナンスが、中国人民元建てのOTC取引サービスを開始したことも材料視された。中国では段階的に仮想通貨取引規制が強まり、香港の政情不安が混迷を深める背景があった。今回の新サービスでは、「Alipay・WeChat Pay」といった中国内の巨大経済圏を介して、かつて仮想通貨バブルをもたらす発端の一つとなった”チャイナマネー”の呼び込みが期待される。

関連:最大手取引所バイナンス、中国人民元建てOTC取引サービス開始

なお、米SEC(米証券取引委員会)は、BitwiseのビットコインETFの最終判断において「非承認」としたことがわかった。これにより、単一指数に連動するビットコインETFの申請は、現時点で申請されているものは全て非承認となったが、ネガティブ要因としては織り込み済みか。「市場操作(相場操縦)リスクなどの不法行為を防止する面で、法的水準を満たしていない」ことを理由に挙げており、この解決は容易ではないと思われる。

関連:米SEC、BitwiseのビットコインETFを非承認

ビットコイン(BTC)市況

ビットコイン(BTC)は、昨日夜の急騰で、意識されていた4h雲と8400ドル付近のレジスタンスを抜け、現在は直近戻り高値の日足200MA(8600ドル)付近の攻防に推移した。(下図:BitMEX)

依然として仮想通貨市場が中期的な弱気水準にあることは否めず、落とされやすい価格帯であるため注意は必要であるが、現相場を先導するアルト市場に活況感も出始めている。このラインを抜ければ、今回の下落起点となった9200〜9300ドルのレジスタンスも視野に入る。

明確に上昇トレンド転換するためには、先月底抜けた9,000ドル、10,000ドルのブレイクが前提条件にも思われるが、強い抵抗帯となっていたトレンドライン(黄)を超えれば景色が一変する可能性も。テクニカルインジケーターでは、日足MACDのゴールデンクロスが短期反転を示唆しており、過去の傾向から一定の信頼性は認められる。(上図:赤丸)

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