Indeedの新統計
大手求人サイトIndeedは仮想通貨業界の雇用市場を分析、調査結果から売り手市場の状況が続いていることがわかった。
調査対象期間となったのは、2015年〜2019年で、ビットコイン(BTC)、仮想通貨、ブロックチェーンに関連する求人ポストについて、100万件あたりの割合を調べている。
2015年9月から2019年9月までの4年間で、雇用主の需要は急増しており、求人案件100万人あたりのブロックチェーン関連求人の割合は1457%も増加した。
一方同じ期間に、職を探している者が、ブロックチェーン業界の求人を探す割合は、100万件の検索あたり、469%の増加に留まっている。
どちらも上昇しているとはいえ、企業の人材需要の高まりは、求職者の関心の上昇する速度よりも上回っている状況にあるという。
昨年の調査でも同様の調査結果が発表されているが、多くの仮想通貨関連企業が必要とする人材が、スキルに長けている必要があることも、需給が一致しない理由にある。業界は、このような人材の確保に苦労している状況にあるようだ。
求職者には売り手市場が継続
過去一年間に限定して最新の状況を見ると、ブロックチェーン関連求人案件が全体に占める割合は26%増加しているが、求職者が検索する割合は53%低下している。
ビットコインの価格変動が、求職者の関心と相関している可能性もあり、特に2018後半の「仮想通貨の冬」もネガティブな影響を与え、最近一年間の求職者の関心が減少したことも考えられる。
過去には、2017年の強気相場から、価格が暴落した2018年の弱気相場へと転じた際も、仮想通貨関連企業への求職者の関心低下が確認された。
一方、企業からの人材需要は着実に増加している傾向は継続しており、ブロックチェーン関連のスキルを持つ求職者にとっては売り手市場が続いている。業界の発展に、より多くの高スキル人材が必要な状況を示している。
様々な分野で人材募集
ブロックチェーン関連の求人を掲載する内容では、様々な分野または企業がある。DeloitteやErnest & Youngという最大手の会計事務所の求人が多いことは意外かもしれない。
Ernest & Youngは、仮想通貨会計ツールを立ち上げ、顧客の投資家に助言するための人材を募集。Deloitteも仮想通貨税務コンサルティングなどで求人を行なっていたという。
また、銀行がランクインしている理由としては、デジタル通貨を設計している事例などがある。例えば、米Signature Bankは、独自のブロックチェーンプラットフォームを構築し、顧客がドルをイーサリアム関連トークンに24時間年中無休で変換できる仕組みを提供しようといている。
また、ブロックチェーンが今後、サプライチェーン管理、eコマース、電気通信などの分野に採用されていく見込みがあり、これらの分野でも、関連する求人は始まっている格好だ。
Ripple、コインベース、クラーケンを始めとする著名な仮想通貨開発企業や大手取引所、IBMなどのテク・ジャイアントでも、やはり求人件数では多く見られた。