CoinPostで今最も読まれています

クリプト大国マルタの表裏:マルタ海外ツアー体験記

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

世界中から注目されるデルタサミット

マルタのデルタサミットはBinanceのCZなどクリプト系では大変有名な方々が集まるようなイベントですが実際に参加してみていかがでしたか?

はい、10月2日にブロックチェーンカンファレンスで有名なデルタサミットに参加しました。今までで一番会場運営がしっかりとされていましたね。ブロックチェーン業界でとても有名なイベントなだけありました。海外企業が運営するイベントなので会場設営もユニークで会場中心部にスクーターのボルトが置かれていたり、ブロックチェーンイベントですが、参加者が楽しめる体験型アトラクションもありとても魅力的でした。

また、登壇の反応がよかったです。終わった後もブースに来てくださった方も多くいらっしゃいました。そして、そういった方々から我々のやろうとしている、トークンとビジネスモデルであるブロックチェーンの融合ができそうだと共感もいただいております。既存のビジネスモデルに当てはめたときにそこまで乖離が生まれなさそう、あるいはゼロから既存の仕組みを壊していくような方法ができそうだねというような声をいただきました。

クリプト大国マルタの意外な一面

ヨーロッパでいうとマルタがクリプト大国、アジアでいうとシンガポールがクリプト大国のようなイメージがありますが、どのような方々が参加されていましたか?

ヨーロッパ系の方々が多かったですね。ただブロックチェーン大国、マルタに対する評判が思っていたのより悪かったのは驚きでした。実はマルタを危険視している人が多いようです。 なぜかといいますと、マルタはやはりタックスヘイブンみたいな扱いを受けており、そろそろアメリカが規制をかけるのではないかということをみなさん話されていました。

私もこの出張中にスイスそして、ロンドンにも訪問しています。その際は規制や政府の対応などもしっかりとされているという声を現地の方から聞きましたが、マルタはある意味オープンになりすぎていて、ビジネスをするにはおすすめしないと言われたことが印象的でした。

ただ個人的には国としてとても好きです。

なぜならマルタには3年間連続で3つの大きな法律を立てているという背景があるからです。

1つ目は、2017年に成立したブロックチェーンの法案です。ブロックチェーン、暗号資産の関係の法案を立てました。そして取引所をライセンス化しました。細かな規制面はこれからですがただ大枠は決まっています。

2つ目は、2018年に成立したAIの法案です。その法案を立てた後、ブロックチェーンイベントはAI、ブロックチェーンサミットのように一緒に行われることが多くなりました。

3つ目は、2019年に成立させる予定になっている宇宙開発に関する法案です。 その3個の大きな法案を3つ毎年掲げ「やります。」と国として注目を引こうという施策がマルタのやり方で、さらには税率も安いということをアピールしています。ただ、実際はブロックチェーン企業がマルタ内で働いていることは少なく、本拠地の籍を置くだけの企業が多いそうです。

やはり、これではまだまだインフラが整っていないということになるでしょう。マルタはヨーロッパの人がバカンスに訪れるような国であり、仕事の場所としては見られていなかったです。国として法案や税金で、企業の場所を作りはするのですが実際には人がそこで働いていないので報道されている姿とはだいぶ違うと感じました。

マルタで展開できる事業の向き・不向きとは

シンガポールはどちらかというと金融の都市というイメージがありますが、マルタはまだタックスヘイブンの小国というイメージでしょうか?

そのイメージから抜け出せていないでしょう。抜けるためにはおそらく、AIやブロックチェーン全部に手を広げるのではなく、1個に集中した方が良いと思いました。マルタの大手銀行のチーフビジネスディベロプメントオフィサーの方と知り合いなのですがマルタ人はお金になったら何でも平気でするよと言われました。良い意味でも悪い意味でも裏表がある国だなと思います。さらにこの国の人々は絶対に政党や政治のポリシーに関しては口外しない国なので、少しビジネスをやる怖さがありました。なので、他国の企業がマルタを選ばない理由が分かったような気がします。その文化が変わらない限り我々もビジネスとしては難しいと思っております。

やはりビジネスをするなら、ロンドンみたいな雰囲気が良いでしょう。根底としてはトークンは別にお金儲けの道具ではないと考えつつも取引所が点在している、このような状況が本来あるべき姿であり、インキュベーションのお手本になりうるところです。確かにトレーディングも大事ですし、技術的な話も大事です。マルタではどちらもやらないと駄目だよねという印象があります。もしかするとクリプトの人はそちらの方が好きなのかもしれないと私は思いました。デブコンのようなブロックチェーンではなく。どちらかというとマルタではクリプトを正しくやる人がいそうな感じでした。

CoinPostの関連記事

国内外を繋げる橋渡しをしたい!AIreが目指すインキュベーションとは
ブロックチェーン業界交流イベントを開催 現在弊社ではインキュベーションを国内で作っていけたらと考えております。国内企業が海外に繋がれる...
クリプトアイランドを目指す韓国市場:韓国ツアー体験記
韓国のブロックチェーンイベントD.FINEの特色とは 韓国のブロックチェーンイベントD.FINEに参加された時のイベントの雰囲気や...
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/24 日曜日
11:30
BTC上値トライに失敗、目先は下げ渋る展開見込む|bitbankアナリスト寄稿
国内大手取引所bitbankのアナリストが、一時400万円台に乗せるも上値トライに失敗し、ほぼ横ばいで推移している今週のビットコインチャートを図解。今後の展望を読み解く。ビットコイン・オンチェーンデータも掲載。
11:00
週刊まとめ|ETH初期投資家の相次ぐ資産移動に注目集まる
今週は、イーサリアム初期投資家の相次ぐ資産移動について書いた記事が最も多く読まれた。このほか、日本政府が、仮想通貨企業が資金調達を行う際の規制を緩和することなど、一週間分の情報をお届けする。
09/23 土曜日
18:00
米コインベースが過去に欧州FTX買収を検討
米仮想通貨取引所コインベースは破綻したFTXの欧州法人を買収することを検討していた。デリバティブ商品に力を入れていることが背景とみられる。
17:10
グーグルクラウド、BigQueryにアバランチなど11のブロックチェーンを追加
Google Cloudは、ビッグクエリ公開データセットにアバランチ(AVAX)など11の仮想通貨ブロックチェーンを追加したと発表した。
07:40
イーサリアム「Dencun」、2024年に実施か
仮想通貨イーサリアムの開発者は21日に会議を開催。次期アップグレードDencunについて、実施が来年初めになる可能性が示された。テストの開始が遅れる可能性があるという。
09/22 金曜日
16:29
大手VCパラダイム「仮想通貨は新たな惑星のようなもの」 投機需要も欠かせないと見る理由
仮想通貨関連技術に特化した米大手ベンチャーキャピタルParadigmは、「火星のカジノ」と題した論説で、仮想通貨を新しい惑星に例え、投機的な投資も「移住の起動プロセスの一部」として欠かせないものだと主張した。
16:15
セガ三国志大戦IP活用のBCG「Battle of Three Kingdoms」、動画初公開
  三国志大戦のIP活用BCGのチュートリアル動画公開 セガの人気ゲーム『三国志大戦』のIPを活用し、double jump.tokyo株式会社が開発を手がける新作ブロックチェ…
14:00
米FRB「資産のトークン化」に警鐘
米FRBは、トークン化が金融安定性に及ぼす影響について詳細に調査した論文を公開した。トークン化がデジタル資産のエコシステムと伝統的な金融システムとの相互接続を促進し、伝統的な金融システムに新たなリスクをもたらす可能性があると指摘している。
13:40
「Proof of Play」、a16zなどから約50億円調達
ブロックチェーンゲーム企業「Proof of Play」はシードラウンドで約49億円を調達した。プレイヤーが世界構築に参加できるWeb3ゲームを開発していく。
12:17
ビットコイン続落、FOMC後の金融引き締め長期化懸念で日米株安進む
暗号資産(仮想通貨)相場でビットコインが続落した。FOMCにおけるFRBの2024年の金融政策見通し悪化を受け、株安が進んでいる。
12:00
10年ぶりの日銀総裁交代、植田新総裁の金融政策は
2023年4月8日に黒田前総裁が退任し、翌9日より植田新総裁が就任し新体制へ。黒田前総裁は10年間でどのような政策をとり、経済・市場環境にどのような影響を与えたのか、また植田新総裁の現時点で発表されている政策による今後の影響も解説します。
11:45
韓国釜山市がWeb3産業育成に本腰 取引所も設立へ
韓国の釜山市はブロックチェーン育成関連の計画を発表。独自メインネットやデジタル資産取引所、100億円規模の育成ファンドを立ち上げるとしている。
11:00
チューリンガムの親会社クシム、Zaif親会社と経営統合へ
Web3企業チューリンガムの親会社クシムは、カイカエクスチェンジホールディングスと経営統合することを取締役会で決議したと発表した。仮想通貨取引所Zaifの運営企業も連結対象となる予定。
08:45
バイナンス、ETHのガス代を1日で計1億円相当支払い
仮想通貨取引所バイナンスは21日に、イーサリアムのガス代を1日で合計1.2億円相当も支払ったことがわかった。バイナンスの担当者が経緯を説明している。
08:10
恐怖指数上昇 米国株続落、日銀マイナス0.1%金利維持|22日金融短観
本日米NYダウは続落。ナスダックとS&P500は6月以来の安値となった。昨日のFOMC会合では市場の予測通りに金利据え置きが発表されたが、年内1回の追加利上げの可能性が示唆された余波を受けた形だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧