ライトニングネットワークとの互換性や規制との兼ね合いは?
ユーチューブの仮想通貨トーク番組「Magical Crypto Friends」に出演した仮想通貨ライトコイン開発者のチャーリー・リー氏は、ライトコイン財団が提案した「ミンブルウィンブル」拡張ブロックについて語り、ユーザーからの質問に答えた。
10月下旬、ライトコイン財団は、プライバシー機能とスケーラビリティ改善のためのプロトコル「ミンブルウィンブル」の導入を公式に提案した。
その後、ミンブルウィンブルの匿名性について欠陥があると指摘した記事が発表されると、ライトコイン財団は、ミンブルウィンブルを支持しているのは、完全な匿名性ではないが「より優れた」プライバシーを提供する能力であり、ライトコインの代替性(ファンジビリティ)と将来のスケーラビリティ解決のためだと反論した。
またリー氏もツイッターで、ミンブルウィンブルの技術的制約や良く知られたものであり、他の技術(CoinJoin)との併用で、有効性を高めることができると具体的な解決策を提案している。
このように注目を集めるミンブルウィンブルについて、番組の中でリー氏自身が次のように概説した。
- ミンブルウィンブルは 基本的には拡張ブロックを追加するソフトフォークで、サイドチェーンのようなものだが、メインチェーンに強固に付着したサイドチェーンだと考えている。つまり、一つ一つのライトコインブロックに対し、それに対応する拡張ブロックがある。
- メインチェーンとサイドチェーン間でコインを移動できるが、拡張ブロック内(サイドチェーン)で発生するすべてがミンブルウィンブルに基づいている
- ライトコインのミンブルウィンブルは、仮想通貨ウォレットでクライアントであるGrinのミンブルウィンブルコードが基本であり、Grinの開発者David Burkett氏がGrin++コードをリファクタリングしライトコインに実装する。さらにライトコイン開発者は新しいコードがビットコインコアのコードに統合できるように配慮しつつコードを作成する。
ライトニングネットワークとの互換性
ライトニングネットワークとミンブルウィンブルの互換性について尋ねられるとリー氏は、次のように回答した。
「ミンブルウィンブルは現在、ライトニングとの互換性はないが、開発者はライトニングで動作させるような方法に取り組んでいると思う。将来どの程度互換性があるかわからないが、ライトコインのメインチェーンをライトニングに使うことが可能だ。」
プライバシー機能実装と規制との兼ね合い
現在CMCの時価総額6位で、多くの仮想通貨取引所に上場しているライトコインにプライバシー機能が加わることで、規制上の懸念から匿名通貨と関わりを避ける取引所が上場廃止とする可能性はないのだろうか。
リー氏は規制への配慮から、プライバシー機能をオプトインする(利用者による選択方式)という道を選んだと説明している。 いくつかの主要取引所や分析企業とも話をしているが、透明性の高いメインチェーンが使用可能なため、取引所は特にミンブルウィンブル拡張ブロックのことは問題視していないという。
また、ミンブルウィンブル拡張ブロックは、サイドチェーン決済ネットワークの「Liquid」と同じようなものだと考えられるため、規制の上でもおそらく大丈夫だろうとの見方を述べた。
なお、Liquidでは規制当局など外部の監査が必要な場合、匿名性解除用の鍵「Unbinding Key」の機能によってトランザクションの開示が可能だが、リー氏はミンブルウィンブルサイドチェーンにも類似した機能があることを付け加えた。