コーヒーのサプライチェーン管理へ
世界最大手IT企業のIBMが、コーヒーのサプライチェーン管理に利用するため、ブロックチェーンを活用したモバイルアプリを発表した。
IBM & Farmer Connect announce "Thank My Farmer" app, enabling coffee drinkers to trace their coffee's origin, understand its quality and even support the farmer who grew the beans – via blockchain.https://t.co/jR5jPqoDLN #CES2020 pic.twitter.com/SoS1OSd8IQ
— IBM News Room (@IBMNews) January 6, 2020
本アプリの名称は「Thank My Farmer」。コーヒーの産地や品質といった情報をブロックチェーンに記録して管理する。消費者は商品のQRコードを読み取るだけでコーヒーの情報を豆の産地まで追跡することができるようになるという。また、消費者がコーヒーの産地に資金を提供する機能も搭載できる。
今回のアプリを製作するため、トレーサビリティのプラットフォーム「Farmer Connect」がIBMのブロックチェーンを導入。IBM独自のフードサプライチェーンネットワーク「IBM Food Trust」と同じブロックチェーンを利用している。
本アプリの開発には、複数の世界大手サプライチェーン企業が協業しており、その中には日本の伊藤忠商事も含まれている。コーヒーのサプライチェーンにおいて、透明性と効率性の向上を目指し、公平な取引が行われるようになることが目標だ。
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現在のシステムでは、豆の生産から、コーヒーが消費者の手に渡るまでのプロセスを追跡するのは非常に困難だ。豆の生産者、輸出業者から輸送業者、さらに販売する小売店など仲介者が多く、追跡できる情報が断片的であることが問題になっている。
この問題を解決するため、ブロックチェーンに情報を記録し、コーヒー豆の農場から消費者までを1つにつなぐ。ブロックチェーンの特長を活かし、永久に改ざんされずに情報を保存することができ、全てのネットワーク参加者がリアルタイムで情報にアクセスできるようになる。
本アプリは2020年の早い段階でローンチされる予定。米国、カナダ、欧州からサービスを開始し、規模を拡大していく。大手から中小企業まで幅広く参加者を増やす予定だ。
「IBM Food Trust」のゼネラルマネージャーRaj Rao氏は、「ブロックチェーンは商品に対する信頼の作り方を変える技術だ。ビジネスにおいて透明性と効率性を向上させることができる」と説明している。